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バングラデシュ初のLGBT向け雑誌 “Roopbaan” が刊行

カテゴリー: 南アジア, バングラデシュ, 人権, 同性愛者の権利 (LGBT), 市民メディア, 朗報

特に断りのないリンク先は英語のページ。
あるボランティアグループが、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、そしてトランスジェンダー(LGBT)の人をターゲットとしたバングラデシュ初の雑誌を発刊 [1]した。性的少数者のコミュニティがより広く認められることを期待しての発刊だが、ムスリムが多数を占めるこの国ではこうしたコミュニティは様々な差別を受けている。

雑誌は56ページで、ベンガル人の民間伝承のキャラクターであり愛の力を象徴するRoopbaan [2]にちなんで名づけられている。
発行は年に4回。発行者は匿名を希望しており、街のニューススタンドでは入手できない [3]ことになっている。
当地ではゲイコミュニティに対する緊張が高まっており、大衆からの反対に火が付き始めている事を恐れてのことだ。

Cover of  Roopbaan, Bangladesh's first LGBT magazine. [4]

バングラデシュ初のLGBT向け雑誌、Roopbaanの表紙。許可を得て掲載。

オンライン・ユーザの多くは雑誌の刊行を好意的に受け止めているが、中にはポジティブなコメントに対して敵対的な反応を受けた人もいる。Nowmee Shehab [5]は、「デイリー・スター紙」のフェイスブックにこうコメントしている。

wow feeling so proud and such a sense of community through this. I am very encouraged by the brave people who put the magazine together. For those who are making religious comments- leave the judgement to God, because God is all about love and acceptance towards people who are different from you. Hopefully we can move towards a secular world where all religions are accepted and no one religion is privileged over another.

とても誇りに思います。雑誌の刊行を通して、コミュニティの連帯感を感じます。
雑誌の出版を企画した勇敢な人々にはとても勇気を与えられています。
宗教的なコメントをしている人に対しては―判断は神に任せておきましょう、と言いたいです。愛とか、自分とは異なる人々を認める事に関して、全てをつかさどるのは神ですから。幸運にも、世俗的な国に引っ越すこともできますし、そういう国ではあらゆる宗教が認められていて、ある宗教がほかの宗教と比べて優れているということもありません。

外国へ移住したバングラデシュ人のTwitterユーザであるTraveller 23(@Traveller_23 [6])は雑誌の発刊をメディアが取りあげた事に喜びを感じている。
 

#LGBTQ [7]向けの雑誌#Roopbaan [8]#Bangladesh [9]で発刊された事はとても素晴らしい。さらに、この話題がメディアに取り上げられている事はとても嬉しい。http://t.co/XjYinYGKK3 [10]
―Traveller_23(@Traveller_23) 2014年1月19日

 

在バングラデシュ高等弁務官のRovert W. Gibson(@HCRobertGibson [12])は、今回の刊行の場に出席しており、喜んで雑誌の発刊を支援するとしている。
―Robert Gibson (@HCRovertGibson) 2014年1月19日

 

#Bangladesh [9]初の#LGBT [13]コミュニティ向けの雑誌#Roopbaan [8]の発刊を支援できることを喜んでいる。
右から3番目が私。pic.twitter.com/NoyMTZLIz2 [14](訳注:4月12日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)

―Robert Gibson (@HCRovertGibson) 2014年1月19日 [15]

 

フェミニスト作家のTaslima Nasrin (@taslimanasreen [16]) も今回の発刊を祝福している。

@shriisyam: 初のLGBT向け雑誌#Roopbaan [8]がバングラデシュで発刊されました。皆さんはどんなご意見をお持ちですか?心からおめでとう
―taslima nasreen (@taslimanasreen) 2014年1月20日

Emas Jubaer [19]はこう付け加えている。

Great, news! Finally Bangladesh is prospering. I had to leave Bangladesh for being gay, now I feel like going back and do[ing] something there. People who are arguing on this topic have no idea what is being a GAY like. They even don't know what is the word GAY means.

素晴らしいニュース!バングラデシュもついに進歩しつつある。ゲイを理由にバングラデシュを去らなくてはならなかったが、今はバングラデシュに戻り、何か出来ることをしたいと思っている。この話題で言い争いをしている人は、ゲイである事がどんなものなのか想像もつかないだろうし、ゲイという言葉が意味するところさえ分かっていない。

 

哲学者兼活動家のRainer Ebert [20]はRoopbaanの発刊への祝福を動画サイト [21]に投稿している。

バングラデシュは世界で2番目に大きなムスリム人口を抱えた国であり、ホモセクシュアルは罪であると考えられている。
植民地時代、英国のソドミー法ではゲイ同士のセックスは罰金を科された上に10年間を刑務所で過ごす [22]ことになっていた。Abdullah Al Galibは今回の雑誌の発刊を非難 [23]している。

homosexuality is a mental disease which one creates within himself. in the name of freedom they are destroying our society. well am not recognizing them for sure.

ホモセクシュアルは精神の病気であり、自分自身の中に存在するものだ。自由という名目のもとに、彼らは私たちの社会を破壊している。
そう、私はこの先もずっと、彼らを認めることはない。

雑誌についての詳しい情報は、RoopbaanのFacebookのページ [24]で見ることができる。

校正:Masato Kaneko [25]