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「Happy」カバー動画現象、中東・北アフリカを駆け巡る

カテゴリー: 中東・北アフリカ, アラブ首長国連邦, アルジェリア, イスラエル, エジプト, クウェート, サウジアラビア, チュニジア, モロッコ, ヨルダン, レバノン, ユーモア, 市民メディア, 朗報, 芸術・文化

ファレル・ウィリアムスはシングル曲「Happy [1]」をリリースし、あわせて衝撃的美しさのPV「24 hours of Happy [2]」サイトも作った。その結果、世界の津々浦々から何百ものカバー動画が作り出されるとは、当時は誰が予想できただろうか。そう、中東・北アフリカ地域の人々も例外ではない。レバノンからヨルダン、イスラエル、クウェート、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、チュニジア、アルジェリアを経由してモロッコまで、中東・北アフリカ地域はただもう楽しく踊りたいという人であふれているようだ。さて、中東・北アフリカの「ハッピー」な人たちとは…?

ファレル・ウイリアムスの「世界に幸せを分け合おう」との呼び掛けに応じた彼らは、性別も年齢、職業、経歴もばらばらだ。さあ、前置きはこれくらいにして、彼らの出番だ。レバノンから始めてはるばるモロッコまで、西への進路を取るとしよう。

「Happy」カバー動画をここまで全て一覧にし数えてくれたWeAreHappyFrom.com [3]のすごい人たちに多大なる感謝を。
あなたの街のカバー動画を見逃していたらご容赦を。

レバノン

このベイルート版カバー動画は、ヌール・エル・アスアドが始めたノー・レーベル [4]というレバノンいじめ反対キャンペーンが、Rinov8 グループ [5]マッド・ベイルート [6](訳注:ダンスクラブ)の協力を得て制作したもの。

ベイルート発の最新版はJoy Zeinounが監督・制作したブログ・バラディ [7]のもの。ベイルート発カバー動画は他にElias Abou Jaoude制作のMazzat [8](訳注:レストランチェーン)のもの、ElNashra [9](訳注:ニュースサイト)のものなど。

レバノンのネット広告会社Cre8mania [10]が、ベイルートやジュニエ、ビブロス、デェイヤ、ボウル・ハマウド、ドーラ、と国内各地で撮影し制作したのがこの動画である。

人気の求職サイトBayt.comは独自のカバー動画 [11]を制作した。他にDirtyConverse27 [12]Gael Choueiry [13]のも、代表的なレバノン発の動画だ。

ヨルダン

次の動画はビー・アンマン( BeAmman [14] )制作。紹介文によると、このサイトは「アンマンの街への愛と情熱から生まれたサイトです。私たちの願いは、ヨルダンの人々や他から訪れる人々に、この街が提供できるもの全てを紹介すること。出会っておきたい人、訪れておきたい場所、体験しておきたいことといったお勧め情報から、この街の抱える課題や機会のことまで」

アンマン発のカバー動画は他にもあり、こちらはSarah Sharif [15] の作。ヨルダンのコメディアンAhmad Al-Khalidi [16] 別名「Khame3」による爆笑パロディ動画もどうぞ。

イスラエル

次の動画はテルアビブを拠点にした映像制作スタジオの、Kino Kitchen & Glikson Rental Servicesによる制作で、テルアビブで撮影された。

Balagambaのカバー動画 [17]やIdan Matalonのカバー動画 [18]もどうぞ。

クウェート

次の動画はクウェートのコメディアン・グループ6maaSha [19]が制作した。

サウジアラビア

サウジアラビアの代表を探すとしたら彼をしのぐ者はいない、というのがアラー・ワルディその人だ。30万人以上の登録者数に3700万以上の再生回数を持ち、サウジアラビアで活動するヨルダン人シンガーで、アラブのネット上の大旋風の中でも一二を争う人気者である。ボリウッド映画のヒット曲 Pehla Nasha [20] や Jiya Re [21] といった、ヒンディー語ソングのカバーで有名だが、ロードの「ロイヤルズ(Royals [22])」やリアーナの「ステイ(Stay [23] )」といった洋楽、ハレドの「アイシャ(Aisha [24])」、ナンシー・アジュラムの「Fi Hagat [25] 」といったアラビア語ソングのカバーもよく知られている。それだけでなく、サウジアラビアの女性運転禁止令を批判した風刺ソング「ノー・ウーマン、ノー・ドライブ [26] 」を、コメディアンのHisham Fageeh [27] と Fahad Albutairi [28]と共に制作したことでも有名である。次の「Happy」カバー動画はTelfaz11 [29](訳注:ネット動画制作会社)の人たちが出演している。

アラブ首長国連邦ドバイ

隠れた宝石「ドバイ・コンフィデンシャル」(訳注:ドバイの情報サイト)が制作した「Happy」カバー動画は、20万以上の再生回数を誇る。いわく、 [30]「出身国29か国の人々とあなたの街ドバイの、日の出から真夜中までをご覧ください。踊って、シェアして、楽しんでください」

Many Frames [31](訳注:映像作家)やThe Dubai Scenes [32](訳注:ネットTV)、Dubai Janna Hotels [33]のカバー動画もどうぞ。

エジプト

まさしくウンムッドニヤ(世界の母)の中心地、エジプトのカイロ発のカバー動画は AIESEC AAST [34] (訳注:世界最大級の学生組織)が制作した。

チュニジア

予想通り、「Happy」のカバー動画を最初に作り始めたのはチュニジア人たちだ。少なくとも18本のカバー動画というのは、他の中東・北アフリカ諸国を全部合わせたより多い。

まずは一番ポピュラーなものから始めよう。再生回数140万以上というこの動画は、チュニジアのスターウォーズ・ファンクラブがタトゥイーンで撮影したものだ。いや、タトゥイーンではないかもしれないが、かなり似ている。

再生回数25万以上、チュニス発のこの動画は、Ezzet Chtouroが演出し、Asma El ConstantiniがPulse Mag(訳注:フリー情報誌)の協力を得て制作した。あまりにも人気が出たので、このカバー動画の特設Facebookページ [35]まで開設している。

チュニス発の動画は他に、TunisieActu1 [36]Summary TV [37]Hor Cujet [38]Wassim Ben Arab [39]のものなどがある。

再生回数25万以上と、ビゼルト(訳注:チュニジア北部の都市)もチュニジア首都(訳注:チュニス)と肩を並べる。こちらの動画は「ファイルーズ」が制作し、Amine Ghaliが発表した。

他の中東・北アフリカ諸国と違って(下記の通り、モロッコは例外だが)、チュニジアは「わが街自慢」ものの種類豊富さを誇っている。現にこの通り、ナブール [40]ラ・マルサ [41]スファックス [42]モナスティル [43]ジェルバ島 [44]カルタゴ [45]ケルアン [46]スース [47]、そしてカルタゴ [48]もう一つ!

Nawaat [49](訳注:チュニジアの市民メディア)は上記の動画からより抜きのシーンを集め、素敵なリミックスを作っている。

アルジェリア

コンピューターサイエンス・スクールExia Cesiの学生たちは、アルジェリアで一番陽気なカバー動画を作った。

1万以上の再生回数で、アルジェリアの「Fays Che [50]」は国内のカバー動画リストの頂点に立った。Capuccino13も独自のカバー動画 [51]を作っている。

モロッコ

最後は、大量のカバー動画が制作されたモロッコで、このシリーズを締めくくろう。おそらく予想の範囲内だが、最も人気のカバーはカサブランカ発、35万以上の再生回数を得たもので、Cine-Scene International(訳注:映像制作会社)が制作した。

カサブランカからは他にも、Alice DialCasa [52]のとSallouki Ibrahim [53]のものがある。

再生回数25万を得たアガディール(訳注:モロッコ南西部の都市)は、人気第2位のカバーと言っていいだろう。この動画では40人の参加者がダンスに加わった。

中東・北アフリカの大学の作ったカバー動画で一番人気だったのは、イフレンのAl Akhawayn大学(AUI)の学生の作ったものだ。

そして、その他のモロッコの企業、都市、地域で、ハッピーに踊る人たちが作ったカバー動画は以下の通り。マラケシュ [54](訳注:以下、特に注のないものはモロッコの都市名)、ラバトセール [55]ヘムタンジェ [56](訳注:ビジネス学校)、ラバト [57]WebHelp アガディール [58](訳注:コールセンター)、ウジダ [59]メクネス [60]もう一つアガディール [61]ナドール [62]テアトロマラケシュ [63](訳注:ナイトクラブ)、ケニトラ [64]アル・ジャディーダ [65]タフロウト [66]フェズ [67]サレ [68]もう一つラバト [69]

校正:Rie Tamaki [70]