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追跡!バングラデシュの異常気象

カテゴリー: 南アジア, バングラデシュ, テクノロジー, 市民メディア, 災害, 環境, 科学, 開発
Screenshot of the Great Bangladesh Weather Expedition Page [1]

the Great Bangladesh Weather Expeditionのウェブサイトからタイトル画面

バングラデシュは、その異常気象の多さと人口密度の高さによって、 世界で最も気候変動の影響を受けている国 [2] の一つである。洪水や大嵐の勢いはすさまじく、たびたび国中に深刻な被害を与えている。異常気象や海面上昇はすでに現実のものとなり、今後さらに激しさを増していくと予想される。

The Great Bangladesh Weather Expedition [1]はバングラデシュで発生する異常気象を追っている。この嵐追跡チームには次のメンバーが参加している。米国から気象学者のジョナサン D・フィンチ氏、地球環境科学研究所の博士号取得研究員であり、名古屋大学地理学科の准教授でもあるアシャラフ M・デュワン博士、そしてGetty Imagesの写真家スコット・オルソン氏、気象予測ソフトDigital Atmosphereの開発者ティム・ヴァスクーズ氏 [3]である。

フィンチ氏は、 何年もの間バングラデシュの天候を研究調査しており、 [4] 様々な角度から捉えたデータを自身のウェブサイトに記録している。 下に示した地図は、 [5] フィンチ氏とデュワン氏が記録したデータを基にしたものだ。

同ウェブサイト [1]によると、the Bangladesh Expeditionは移動可能な観測所として機能するという。つまりバングラデシュの首都ダッカからファリドプル、マニクガンジュ間で気温や露点、風速と風向きを観測し写真やビデオで撮影をしながら移動する気象観測網として機能するというのだ。また、博士らのチームはドキュメンタリー映像を制作する予定だ。バングラデシュの文化はもちろん、この調査プロジェクトに焦点を当て、バングラデシュの特異な天候を追跡調査するつもりだ。

Hail storm sweeps through Dhaka city. Image by Mehedi Rahman. Copyright Demotix (24/2/2010) [6]

ひょうの嵐がダッカを通り抜ける。画像はMehedi Rahman氏の提供。著作権Demotix (2010年2月24日)

Bangladesh is home to the world's deadliest tornado and also the world's heaviest hailstone which was reported to weigh 2.2lbs (that's the weight of 7 baseballs). This same storm killed 92 people from hail alone and the nearby region of India had the world's deadliest hail storm on record with 246 fatalities. The Bangladesh expedition has equipment to measure the diameter and weight of hail on the spot.

バングラデシュは世界最大級の極めて危険な暴風雨が発生する場所で、2.2ポンド(野球ボール約7個分の重さ)の非常に大きなひょうも観測されている。この嵐で発生したひょうの被害だけで92名の死者が出ており、インドでもバングラデシュに近い地域では246名の死者が報告されている。the Bangladesh Expeditionは、嵐が発生している現場でひょうの直径や重さを測ることができる装置も整えている。

スコット・オルソン [7]氏は、調査チームのブログの中で、バングラデシュを「無秩序の美しさ」と表現している。

People were living on the street, with a simple cloth tent, while next door may be a BMW dealership. A fire burned out of control for no particular reason and yet underlying it all, there is some structure to this chaos, not a lot but just enough to sustain it. The people are friendly and helpful and are immensely proud that a foreigner would visit their country. One thing to remember is Bangladesh is a young country and it creates feelings in the soul similar to what those people who came to an early America. Imagine that time you showed your friend a favorite track of a record you wanted them to hear, that eager anticipation while they listened to it. The art, uniqueness and warmth are of the Bengali people are of a degree you can find very few places.

人々は、簡素な布でできたテントで道端に暮らしているが、その隣にはBMWの販売店が建っている。さしたる理由もなく火が炊かれているが、この混沌とした中にも秩序が見られる。確かなものではないが、この状態を保つには十分なものだ。バングラデシュの人々は友好的で外国人が自分の国を訪れることをとても誇りに思っている。そこで思い起こすことは、バングラデシュは新しい国であり、建国間もない頃にアメリカに渡った人々と似た様な雰囲気を醸し出しているということだ。
友人に聞かせたいと思っていた大好きな曲を友人が聴いている。その時のわくわくするような気持ちを想像してみてほしい。ベンガル人の芸術性や独特さ、そのあたたかさは、他の国ではなかなか見ることができないものだ。

このプロジェクトの続きは、こちらのフェイスブックページ [8]でご覧になれます。

With additional input from Rezwan [9]
校正:Hirokazu Nakamura [10]