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中国: WeChatなどのメッセージングアプリに圧力

カテゴリー: 東アジア, 中国, テクノロジー, 市民メディア, 言論の自由

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(訳注:原文の掲載日は2014年5月29日であり、記事内容は当時の状況を反映している)

Tencent [1](訳注:中国大手IT企業)のWeChat [2]を含む人気のあるインスタントメッセージング [3]プラットフォーム(訳注:インターネットを利用した短いメッセージのやり取りを提供するサービスのこと)に対し、中国政府は1カ月にわたる新たな取締りを始めた。これは、ソーシャルメディアの会社をターゲットとした取締りキャンペーンのうち、最新のものだ。

この動きは、民主化運動であった六四天安門事件25周年に向けた前哨戦として行われる。(訳注:反政府的言論の動きが予想されるため)

網易新聞(国営ネットメディア) [4][cn]によると、3つの政府機関が1カ月にわたる「特殊作戦」を行い、WeChatその他のプラットフォームを監視するようだ。当局は電話やメールでの情報提供を求めている。WeChatの公式アカウントがターゲットになるだろう。

2013年以来、WeChatはモバイルに精通した中国のユーザーの情報源としてWeibo [5]に取って代わってきた。WeChatには月間アクティブユーザーがWeiboの1億4380万人の2倍以上、3億9600万人もいる。しかしWeiboと異なり、ほとんどのWeChatユーザーはメッセージを公開して共有するよりむしろ非公開で個人的に送る。

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2013年以来、WeChatはモバイルに精通した中国のユーザーの情報源としてWeiboに取って代わってきた。(写真はWeibo [6]より)

WeChatには「公式アカウント」も2百万以上あり、このアカウント上ではメディアの情報発信者や企業経営者をはじめ、意見の共有を望む誰もが1日1回、フォロワーに記事を配信することができる。さらにこのことが「セルフメディア」(訳注:ソーシャルネットワークサービスを介して自分自身を表現・発信すること)を生み出し、新興メディア団体がブランドを築いたり情報を共有化する場所となっている。

中國日報 [7][en]は国家インターネット情報弁公室からの声明を引用した。

公式アカウントを利用して違法で有害な情報を広め、公共の利益やサイバースペースにおける秩序を著しく乱してきた人々がいる。このキャンペーンがターゲットにするのは、大規模に情報を広めフォロワーを集めることができるインスタントメッセージングサービスの公式アカウントである。我々は国内外の敵の侵入に対し断固として戦う。

WeChatの取り締まりに驚く人はほとんどいない。WeChatは、メッセージの分析の結果 [8][en]、検閲官に厳重に監視されていることが明らかになっている。WeChatでは特定の記事がブロックされることも時々ある。2014年3月、当局は政治的な記事や情報を発信していた数十の 公式アカウント [9][en]を無効にした。

ニュースレター「シノシズム(Sinocism [10])[en]」の執筆者ビル・ビショップは、ツイッターでこうコメントしている。

組織力や情報拡散力が大きくなり、役割を増していることを考えると、wechatが今ターゲットにされても不思議ではない。

Weiboユーザー龔文祥(Gong Wenxiang) [12][cn]はこう書いている。

前几天cctv说微信色情的事情,其实是当局要开始整治微信的信号:当局 最喜欢以打击低俗之名行钳制舆论之实。

数日前、中国中央電視台がWeChatのポルノについて伝えていた。実はポルノの一件はWeChatに対する取締りのシグナルで、当局は「ポルノ取締り」という名目でネット上の声を抑えたいのだ。

同じくWeiboユーザーの「Yidong Hulianwang app [12][cn]」は、WeChatがWeiboと同じ運命をたどるのではないかと心配している。Weiboでは2013年8月以来、活気のある議論がなくなってしまった。「大V」と呼ばれる人々、すなわち大勢のフォロワーを持つオンライン上の有名人に対する冷酷な取り締まり [13][en]のせいである。

网络彻底断网才是利益集团最希望看得到的!微博的今天,就是微信的明天

当局の望みはインターネットの完全遮断だ。今日のWeiboは明日のWeChatだ。

校正:Naoko Mori [14]