シリアの男性 武器をアートに変える

この記事は先に SyriaUntoldに掲載されたものである。

Syrian artist Ali Abu al-Fawz decorates a rocket shell in Douma, Damascus. Source: Abu al-Fawz's facebook page.

ダマスカスのドゥマでロケット砲弾に加飾するシリア人アーティスト、アブ・アルファウズ。(アブ・アルファウズのFacebookページより引用)

武器をアートに変える。それが、ドゥマを拠点に活躍しているアーティスト、アクラム・アブ・アルファウズの制作活動だ。彼はミサイルやロケット砲弾の殻を広い集めて、さまざまなアート作品や装飾品に作り換えている。

アブ・アルファウズは地域社会でモハマド・ドゥマとして知られ、シリア政府軍に家を焼かれてからは、住まいを転々とすることを余儀なくされている。3児の父で35歳になる彼は、戦場での戦いに劣らず自分の制作活動は重要だと確信している。

SyriaUntoldのインタビューで「武器だけでは、私たちが暮らしてきた奴隷のような状況から解放されないだろう」と彼は語り、こう続けた。「我々の自由を築くためには、芸術や文化、そして文明も必要なのだ。」

A girl sits on a rocket shell decorate by Abu al-Fawz. Source: the artist's facebook page

アブ・アルファウズが加飾したロケット砲弾にすわる少女(アブ・アルファウズのFacebookページより引用)

ダマスカスの外れに位置するドゥマは、2011年3月の反政府デモ開始以来もっとも被害を受けながらも回復の早い地域である。当初大規模平和デモの拠点だったドゥマは、次第に攻撃を受ける交戦地帯へと変っていったが、休むことなく芸術面で創造的な貢献を続けていることでも知られている。薬きょうやロケット砲弾の殻からストーブやバイク、医療品や楽器を作り出してしまう アブ・アリ・アルビターのように、アブ・アルファウズも殺戮の道具から生活の道具を作っている。 

住まいを転々とすることから必要な工具の不足まで、アブ・アルファウズは作品制作上のありとあらゆる困難に直面し続けている。彼は、その労苦は無駄にはならないと信じている。なぜなら、彼の作品が「いつの日かシリアで起こった非人道的な犯罪の証言となる」という希望があるからだ。

Syrian artist Ali Abu al-Fawz works on a rocket shell in Douma, Damascus. Source: the artist's facebook page

ダマスカスのドゥマでロケット砲弾に加飾中のシリア人アーティスト、アブ・アルファウズ。(アブ・アルファウズのFacebookページより引用)

この記事は先に SyriaUntoldに掲載されたものである。

校正:Naoko Mori

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