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タジキスタンで同性愛者の略式婚、LGBTの「小さな勝利」

カテゴリー: 中央アジア・コーカサス, タジキスタン, 人権, 同性愛者の権利 (LGBT), 市民メディア

LGBT flag (Wiki image)

LGBTフラッグ(Wiki image)


(記事中のリンク先で、[en]は英語、[ru]はロシア語、他は日本語のページです)

最近、タジキスタンの首都ドゥシャンベで小規模な略式婚がとりおこなわれた [1][ru]。タジキスタンにおいて結婚式はありふれたイベントであるが、この式はある重要な点が違っていた。なんと「新郎新婦」はどちらも男であったのだ。タジキスタンはセクシャルマイノリティーに対して寛容なわけでも [2]、同性愛者の結婚が法的に認められているわけでもない。それにもかかわらず、この20代半ばの男性二人は結婚式を挙げ、これからの人生を共に歩んでいくことを誓った。

ツイッターで@gaytajikistanがこの挙式を祝っている [3][ru]。

我らの小さな勝利:タジキスタンで同性婚

他のソーシャルメディアのユーザーは必ずしも祝福ムードというわけではない。Blogiston(訳注:タジキスタンのブログサイト)でサーバランドはこのニュースに憤り [8][ru]、挙式した二人の男性を「ソドミー(逸脱した性交者)」と揶揄(やゆ)し、西欧諸国は同性愛を「推奨」しているとして非難した。

Я никогда не думал что доживу до такого дня когда в нашей родине содомиты будут проводить свадьбы и будут еще другим об этом говорить. Я ошибался. Оказывается и мы таджики попали под влияние запада и его политики поощрения всякой дряни.

ソドミーがこの国で挙式し、そのことをほかの人に報告するような日が来るなんて夢にも思わなかった。どうやら私が間違っていたようだ。私たちタジキスタン人も、西洋諸国の影響を受け、このようなたわごとを推奨する考え方に染まってしまったようだ。

彼は続けて [8][ru]、LGBTコミュニティはタジキスタン社会の中で認められていないし、排除すべき存在であるといった。
(訳注:LGBTは性的少数者を限定的に指す言葉。レズビアン<女性同性愛者>、ゲイ<男性同性愛者>、バイセクシュアル<両性愛者>、トランスジェンダー<心と体の性の不一致>の頭文字をとった総称)

Это даже читать противно. Не могу понять как эти содомиты позволили себе в нашей мусульманском обществе так себя вести и даже проводить свадьбу. Не могу понять как их родители и родственники не остановили их. Если об этом написали журналисты значит многие об этом знают. 

Западные организации и посольства а также журналисты защищают содомитов. Многие наши граждане тоже подверглись их влиянию и теперь выступают за защиту этих нелюдей. Я думаю что нужно поднять вопрос с западными странами: если вам нужны такие люди и вы их защищаете, то забирайте себе. Пусть правительство даже деньгами поможет таким людям уезжать из Таджикистана навсегда. Им нет места в нашем обществе. Они не часть Таджикистана!

この記事には吐き気がする。このムスリム社会において、どうして彼らのようなソドミーがこんな大胆な行動をとり、結婚式を挙げたりするのか理解できない。どうして親や親族は二人を止めないのだろうか。もしこのことが報道されれば、多くの人が知ることになるのに。

欧米の政府、大使館、報道機関はこのソドミーを擁護している。そして、タジキスタン市民の多くは西洋諸国に影響を受けて、いまやこんな人間とはいえないやつらをかばっている。もし西洋諸国がこういった同性愛者を必要とし、擁護したいと思うなら、自分たちの国に引き取るべきではないだろうか。タジキスタン政府もこういった奴らをタジキスタンから永久に追放してはどうだろうか。この社会に彼らの居場所はない。タジキスタンの一員でもない!

グローバルボイスのライターであるイスカンダルは2月にこれを受けて記事を書いた [9][en]。

Tajikistan, a conservative Central Asian nation where over 95 percent of people are Muslims, has been described [10] as “hell for gays”. Social media is increasingly enabling members of the country's LGBT community to push back against [9] homophobic attitudes. 

タジキスタンは中央アジアの保守的な国であり、95%以上もの人間がイスラム教徒である。この国は「同性愛者にとっての地獄」であるといわれている [2]。しかし徐々にではあるが、ソーシャルメディアを通じて、この国のLGBTの人々は同性愛者への偏見に反抗し始めている [9][en]。

Radio Ozodi(訳注:タジキスタンの自由ラジオ局)の結婚報道に対しては、LGBTを「西洋的プロパガンダ」であると揶揄するなど、批判的なコメントが大多数であった。しかし、肯定的な意見も一つだけあった [1][ru]。

Pozdravlyau so svadboy!!!!!!! jelau vsego samogo nailuchshego!!!!
eto ix sudba, ix jizn, kajdiy immet pravo jit kak on xochet! selyavi!

結婚おめでとう!!!!!!! すべてうまくいくことを祈っています!!!! これが運命、これが人生、すべての人間は自分の思うままに生きる権利を持っている! C'est la vie! (これが人生さ!)

この記事の執筆にあたりアレクサンドル・サディコフ氏の協力を得た。

校正:Rie Tamaki [11]Fumio Takeuchi [12]