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優勝5回、強豪ブラジル敗退! ワールドカップの感動を与えられず

GermanyChampion

2014ワールドカップブラジル大会の優勝国ドイツ。決勝戦の後、エスタジオ・ド・マラカナンにて。写真提供 はFlickrユーザー himanisdas より (CC BY-SA 2.0)

ブラジルにて 2014年6月ワールドカップが開催された。そのため、この世で最も人気のあるスポーツイベントに立ち会っただけではなく、社会不安の増加に見舞われた。巨額の出費とナショナルチームの胸が引き裂かれるようなプレーの両方を考察すると、ブラジル国民の心がかき乱されるには十分過ぎるほどの理由があった。 

世界の主流メディアは、主に試合中のブラジルでのお祝いムードに焦点を当てたが、これは一つの側面に過ぎない。文化的に見て、サッカーを心から愛する国民性を持つにも関わらず、ブラジルでワールドカップを開催することは社会的な面において無責任であるとの見解があり、実に議論の的となるプロジェクトだった。主な懸案事項は政府の支出だった。もちろんトーナメント編成にかかる費用は非常に高額だ。そのため、準備にかかる資金で財源が使い果たされ、ブラジル国内では差し迫った問題がほかにも多数引き起こされた。ワールドカップによりブラジルは抗議デモとストライキ、そして失業の増加に直面していた。

2014年6月The Hillのブロガーがブラジルの 「ワールドカップは退屈」と発言し、政府の不始末に答えるかのごとく国に広がる、不愉快な雰囲気について説明した。

The cost of new stadiums and the accompanying infrastructure have certainly created jobs, but they have also redirected scarce funds away from such basic needs as education, healthcare and better transit. The $11 billion being spent to prepare for the games is not registering with citizens. More than half of people polled in April said that the games would bring more harm than good. And the Rousseff government's campaign promises of a new social contract have faded almost as quickly as the ebullience of having won the rights to host the Cup itself.

新しいスタジアムとそれに伴うインフラ設備の費用は、確かに雇用を生み出している。しかし基本的に必要な教育や保険、より良い交通網のための乏しい資金を、違う方向に向けてしまった。試合の準備のために費やされた110億ドルは市民の印象に残っていない。4月の聞き取り調査によると、半数以上の人々が試合によってもたらされるものは利益よりもむしろ損失だと述べた。そしてルセフ政権の新しい社会契約という選挙の公約は、ワールドカップ開催国としての権利を得た時の熱狂と同じくらい急速な勢いで、色褪せていった。

エル・パイス紙の記者アントニオ・ヒメネス・バルカはこう述べている。デモ活動が原因でトーナメントへの公的支援不足が露呈し、ワールドカップブラジル大会は 暗雲に包まれていると。国はそれ以上にもっと重要な問題を抱えている。

Yo no estoy en contra de la Copa, señor. Pero sí en contra del dinero que se ha empleado en la Copa y que se podrá haber gastado en otras cosas, como salud, educación y transportes.

ワールドカップに反対はしていない。しかしワールドカップの資金の使い道に反対だ。健康、教育や輸送手段といった他のものに使うことができたはずなのに。

ブラジルは事実、途方もないほどの費用を費やした。あるアルゼンチンの雑誌では、ブラジルのワールドカップ組織委員会は準備のために、アメリカドルにしておよそ120億を投資し、それはトーナメント史上最も多額だと先日結論が下された

Nunca antes se erogaron tantos billetes para las canchas que albergarán los encuentros de la Copa. [..] Brasil será el eje del mundo durante 30 días. La Copa está en marcha y las sensaciones cambiarán, quizá con los resultados.

ワールドカップの試合を行う競技場のために、こんなにたくさんのチケットが売られたことは今まで一度もなかった。ブラジルは30日間、世界の中心軸となるだろう。ワールドカップは開催中だ。結果が伴えば恐らく、数々の印象は変わるだろう。

ワールドカップの進行に伴って抗議デモの規模が拡大し、激しさを増した。リオデジャネイロやサンパウロ、レシフェといった大都市では、大規模な集会が行われた。エル・パイス紙によれば、評判の悪い公共交通運賃の上昇を政府の判断で取り止めたにも関わらず、大規模なデモが数々の試合中早期に、ブラジルに広まった。

A diferencia del lunes (17 de junio de 2013), cuando en todas las protestas se escuchó un reclamo preciso y concreto en boca de la mayoría, esta vez no surgió ningún elemento unificador, ningún cántico que primara sobre todos los demás. La corrupción, el exceso de gastos en el Mundial de 2014, la educación, la salud… Todas esas cuestiones se reflejaban en las cartulinas de los manifestantes. Pero ninguna reinó sobre la otra.

2013年6月17日月曜日のデモと異なり、この新たなデモの参加者が協調して具体的な不満の声を上げることは比較的少なく、まとまりも見られなかった。汚職や教育、健康、ワールドカップによる使い過ぎなど、抗議者たちはそれらすべてを明記した横断幕を掲げた。1つの問題が優先されることはなかった。

このような社会情勢が、ワールドカップの開始後ちらほらと主張される一方で、7月8日ドイツ戦でのブラジルの屈辱的大敗とともにその混乱は終わりを迎えた。ツイッターユーザーたちはハッシュタグ#BrasilEliminado (#ブラジル敗退) を使い、その敗退について書き込みをする。その敗退の次の日、ブラジルのツイッターユーザーであるMárcio Pinto Santos氏は、更なる社会不安を歓迎しているかのように、サンパウロでの 暴動 を面白おかしくリポートした。

さぁ抗議デモ開始だ・・・#ブラジル敗退・・・ [サンパウロの暴動に関する新しい記事へリンク]

ベネズエラでもツイッターユーザーは同じ考えだった。

ブラジルで暴動開始なう。#ブラジル敗退

実は、ブラジル惨敗に寄せてネット上にブラックユーモアが書き込まれたが、これは珍しい反応ではなかった。

[ブラジルの]優勝カップ獲得[勝利]のために買収が行われ、そのための代金は払われたと。でも私は[ブラジル大統領]ジルマ[ルセフ]の小切手が良くなかったんだと思う #ブラジル敗退

ペルーのジャーナリストPedro Canelo氏は7月11日の自身のブログでこう尋ねる。「ブラジルがワールドカップで敗退、どんな一日だった?」自問自答するように、Canelo氏はこう述べる。リオデジャネイロは一夜にして意気消沈した。お祭りムードは失われ、プライドを傷つけられた様子が漂う。Canelo氏は路上での暴力はないと証言したが、水面直下にこのような不安が隠れている可能性が確かにあると見抜いた。

No hay desmanes, tampoco protestas, solo tristeza y nostalgia en Brasil. Hay que cuidarse igual, caminar seguro por las calles iluminadas y con resguardo, y tampoco salir innecesariamente por la noche. Un dolido hincha brasileño con tragos encima puede reaccionar mal ante la mínima preocupación. Nos despide triste el país más alegre del mundo.

ブラジルでは暴動や抗議デモはない。ただ悲痛と郷愁があるだけだ。それでも気をつけなければならない。明かりと住みかのある通りからはずれないように、そして夜に不必要な外出はしないように。何杯か飲んだ後、不機嫌なブラジルサポーターがどうでもいい事を悪い方向に取るかもしれない。ブラジルは、世界一陽気な国とはさよならしたんだ。

ワールドカップ開催中に社会騒動に直面することに関しては、ブラジルでの事象が珍しいということはほぼない。もしナショナルチームが6回目の優勝杯を掲げたなら、物事は違った方向で終わったかもしれない。いろいろな意味で、2014年ワールドカップはただ一番大きなサッカー大会の最新版というだけで、開催されることでその土地、特にラテンアメリカではたびたび社会不安が広まる。

校正:Maki Ikawa