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インド:ソーシャルメディアを利用して、北東部出身者への差別に立ち向かう

A protest in Delhi against attacks on North East Indians in several places of India.  Image by Rajesh Tandon. Copyright Demotix (18/8/2012)

インド各地でみられるインド北東部出身者への差別 に対するデリーでの抗議集会。写真提供Rajesh Tandon。著作権Demotix。(2012年8月18日)

「Who Wants to Be a Millionaire」(訳注:日本版はクイズ$ミリオネア)のインド版で国民的人気を誇るクイズ番組 「Kaun Banega Crorepati」の 最新のCM では、インド映画界のスーパースターで同番組の司会者でもある Amitabh Bachchan が 北東部出身の解答者に、インドの都市コヒマはどの国に属しているのかと質問する。選択肢は中国、ネパール、インド、ブータン。

彼女が「ライフライン」(訳注:解答者がヒントを得るための救済措置。そのうちのひとつは問題の答えをその場で観客全員に投票してもらい、その結果を見ることができる)の使用を要請する。テレビ視聴者のなかには、答えは明らかだと笑う者もいる。 Bachchanは彼女に観客の100%がインドであると答えたことを伝え、 「知ってて当たり前の問題のようですね」と言う。

「はい、もちろんみんなが知っていることです。でも、どれだけの人がこの事実を受け入れているでしょうか?」と彼女は答える。   

「セブンシスターズ」と呼ばれているインド北東部諸州。主に東アジア系の顔立ちと文化の違いが原因で、この地域出身の多くが他の州で 人種差別に直面している。 ある人がYouTubeのこの動画にコメントを残している。

I think we Indians are racist towards every region or state (of course its wrong), but just because our fellow north eastern people look unique they are easy targets.

インド人はどの地域、どの州出身者に対しても人種的な偏見を持っていると思います(もちろん、それは間違いなのだが)。 私たち北東部出身者は独特な見た目だから、標的にされやすいってだけ。

多くの人が州を越えて移動するため、ヘイトクライムが以前にも増して報告されている。最近起きた事件に端を発して、人種差別に関する議論が再加熱している。伝えられるところによると、先週(訳注:原文の掲載日2014年7月26日)南デリー地区のコトラ地域でインド北東部マニプール州出身の男性30歳が男性グループによって 殴り殺されたとのこと。

また、1月にはインド北東部アルナチャール・プラデーシュ州出身の学生Nido Taniamが 髪型をからかってきた店員らによって殴り殺された。

これを受けて、政府は北東部出身者らが直面している人種差別やほかの問題を調査するため、 Bezbaruah委員会 を設置した。 委員会は7月11日に報告書を提出。内務省はこれを検討中だが、今のところ成果や新しい法案は発表されていない。 

一方で、この問題に対する意識が高まっており、草の根運動家らの間では、ソーシャルメディアやインターネットを使ってこの問題に取り組もうとする動きが出ている。

YouTubeには、インドのイタズラを仕掛ける集団TroubleSeekerTeamが「人種差別に関する実験」を実施した様子を公開している。この実験とは、公園でひとりの男性が北東部出身の女性を「chinky」(中国人という意味の差別用語)と呼び、人種差別的な言葉を浴びさせるといったものである。通行人のなかには口論を無視する者もいれば、女性のために仲介に入る者もいた。しかし、男性に味方する者はひとりもいなかった。

北東部出身のYouTubeユーザーEnxie Nemi Guite はこのビデオに感謝のコメントを残した。

I've faced uncountable incidents such like the one in the video, although I have never been defended. It gives me so much pleasure that there are people who care.
I became immune to comments like these from having received it so many times, but now…. I will not be silent.

誰もかばってはくれなかったけど、私もこのビデオを同じような状況に何度も直面しました。気にかけてくれる人がいるってことを知ることができて、とてもうれしいです。
私は何度もこのような嫌がらせを受けてきたから、何にも感じなくなっていました。でも、これからは……知らない振りをするのはやめるわ。

Facebookでは、このような人種差別に対して抗議している「Stop Discriminating People From the North-East India」 (インド北東部出身者への差別を止めよう)のページが約63,000の「いいね!」を集めており、ページ上で頻繁に議論している。

また、Q&AサイトQuoraのスレッドでは、なぜ北東部出身の人々が他のインド人から否定的にみられているのか、といった質問が投げかけられている。インド出身の Vijay Singh は人種差別の原因に以下のことを挙げている。

Map of Seven Sisters.

セブンシスターズの地図

1. Its Geographically separate from mainland India
2. They represent only 3-4% of India’s population
3. Low participation in Indian politics and agenda
4. Features of the Mongolian race – this causes them to be labeled as ‘Chinese’
5. Clothing – despite India’s huge cultural diversity; the traditional dress all over India for women would be either a ‘salwar kameez’ or a ‘saree’. Only in the North Eastern states, the traditional dress is completely different from these two forms.
6. There is also huge linguistic diversity between these states, and the rest of the nation

1. インド本土から地理的に離れている
2. 人口はインド全体の3~4%にすぎない
3. インドの政治および議題への関わりがあまりない
4. モンゴロイド系の顔立ち(彼らが「中国人」と呼ばれる理由)
5. 服装(インドには大きな文化の多様性がみられるが、インド全域の女性の伝統的衣装は「サルワール・カミーズ」か「サリー」のどちらかである。北東部でのみ、伝統的衣装がこの2つの衣装と全く異なっている。)
6. 北東部とインド本土とでは言語の差が大きい

民族および文化の違いが北東部出身者への誤解へと繋がっている。Anup Chakrabortyはワードクラウド(訳注:文章中で出現頻度が高い単語を複数選びだし、その頻度に応じた大きさで図示する手法)で集められた誤解の言葉をスレッドに投稿した。

Screenshot from Quora

Quoraから転載

インドでは東アジア系の顔立ちだけが人種差別の原因となる主な特徴ではない。肌の色、体格および訛りをはじめとするあらゆる特徴が社会、家族および職場の地位に影響を及ぼす。

たとえば、持続可能な社会的責任を目的とするポータルサイトIndiaCSRの最近の記事では、大都市でのアフリカ人学生への暴力事件が報告された。デリーを拠点とする雑誌のHardnewsの編集者Sanjay Kapoor はこのようにツイートした。

なんでこうインド人って人種差別主義者なんだ?デリーやバンガロールで暴行されたアフリカ人学生の記事には吐き気がするよ。こんな考え方には大反対だ。

まず自分を知ることが解決の糸口になる。ニュースや意見を掲載するポータルサイトScoopWhoopでは、インド人の人種差別に関して広く内観的に考察した記事がソーシャルメディア上で共感を呼んでいる。

インド人は人種差別主義者だ。外国人に対しても、同じインド人に対しても、そして自分自身に対しても。この記事のようなインド真実は公にされないことが多かった。

ソーシャルメディアやソーシャルネットワーキングを通して、人種差別に対する相互理解の輪が広がっている。しかし、この重要な問題に取り組むためには主流メディアをはじめとする機関からの社会的な啓蒙活動および議論がさらに必要である。人種差別に対する意識が高まりつつある。次は行動を起こし、前進することが必要だ。