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等身大紙製カヌーでハドソン川を下る 気候変動の問題を提起

カテゴリー: 北アメリカ, アメリカ, 市民メディア, 抗議, 環境, 芸術・文化

動画共有サイトVimeo [1]の会員HYPERGEIST [2]の提供による「下流に住む者」 [3]のビデオ画像

この記事は、世界の気候変動問題に対する運動を育てている組織350.org [4]のスタッフであるダンカン・マイゼルが執筆したものである。コンテンツ共有の合意のもとにグローバルボイスへ再掲した。

地元及び世界から集まったアーチストによる詩的なパフォーマンスが、ハドソン川の流れに乗りニューヨークへ向かって進んで行く。「シーチェンジ:下流に住む者」 [5]は、350.org [6]とブルックリンに拠点を置く海洋芸術共同体メア・リベラム [7]との合意のもとに立ち上げられたプロジェクトであり、等身大紙製カヌーを手作りした。そして、皆でこのカヌーを漕ぎ、ニューヨーク州トロイからニューヨーク市まで、ハドソン川全延長を数週間かけて下り、最後は気候市民行進 [8]で締めくくろうとしている。

シーチェンジのメンバーは、ハドソン川を下りながら、オールバニ、キャッツキル、ハドソン、チボリ、ニューバーグ、コールドスプリング、ピークスキル、オッシニングといった沿岸の各都市に立ち寄り、地元のカヌー愛好家と合流することとしている。その都度、料理持ち寄りパーティー、コンサート、映写会、および語らいの催しを計画している。最後に目指すゴールはニューヨーク市である。

産業活動は水圧破砕法による採掘を開発し、危険な手法により原油を輸送することにより、気候の変動に油を注いでいる。気候変動のみならず産業活動にも苦しめられている地域社会にとって、ハドソンバレーは重要な流域であるととともに、心のふるさとでもある。気候市民行進や国連気候サミットなど気候変動に関する地球規模の課題を明らかにするための催しが9月にニューヨーク市で行われる。このため、シーチェンジの川下りを通し、それぞれの地域社会は互いに問題意識を共有するだけでなく、地球規模の活動と思いを分け合うこととなる。

ハドソン川における問題点およびプロジェクトを下記に示す。

紙製カヌーは、シーチェンジの活動とどのような関連性を持っているのだろうか。シーチェンジの発案者たちは、芸術家として紙製カヌーの詩情性に関心を寄せている。 紙製カヌーの集団や皆そろっての川下りの旅は、水上における持続可能で遊牧的コミュニティーの手本を示している。そして、我々はこれら一連の活動から、何ができそうかという感覚を得ているのである。

気候変動および気候変動へ拍車をかけている強大な企業と対峙することは、紙でカヌーを作るといったことと同様、考えられないことだと思われることもある。しかし、カヌー作りに紙を用いたのと同様に、繰り返し繰り返し抵抗を続ければ水面に浮き続けることができる頑強で揺るぎない何物かを考え出すことができるだろう。シーチェンジはそういったことを考えているのである。

シーチェンジの仲間は9月13日にニューヨークに到着し、翌14日の夜までマンハッタンの川面を意気揚々と周航することとしている。川下りの仲間が、上昇する海面上に浮き続け、気候変動に伴う課題の具体的な解決策を考え出す必要性を身をもって示すのを眺めながら、音楽、光、およびファンファーレを楽しみに待とうではないか。

Twitter: @seachange2014 [12] および Instagram: @seachange2014 [13]でシーチェンジをフォローしてください。シーチェンジジャーナル [14]に今回のイベントに関する報告が掲載されています。