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野生のゾウから住民を守ろう! 携帯メールやテレビによる「ゾウ警報システム」をインドの科学者が考案

カテゴリー: 南アジア, インド, テクノロジー, 市民メディア, 意見, 環境, 開発
ディマプル市で野生のゾウが家屋を破壊 写真提供Caisii Mao。著作権Demotix(2012年6月21日) [1]

ディマプル市で野生のゾウが家屋を破壊 写真提供Caisii Mao。著作権Demotix(2012年6月21日)

インドでは野生のゾウがより狭い土地へと住処を追われて [2]いる中、毎年何百人もの人がゾウに襲われ命を落としている。 [2]Nature Conservation Foundation(NCF [3])の科学者であるAnand Kumarと研究者のGanesh Raghunathanは、インドのタミル・ナードゥ州バルパライ市で、人間とゾウとの衝突に対処するための斬新な方法 [4]を編み出した。

彼らは地方のケーブルテレビチャンネルや携帯電話を使って、ゾウが移動する時間と場所を住民たちに知らせる ゾウ情報ネットワーク [5] を作った。バルパライ市の少人数チームは日中ゾウの後を追い、ゾウの位置情報を地方のテレビ局に送っている。

情報は、毎日午後4時以降に地方テレビのチャンネルにテロップ形式で表示される [4]。これは住民にゾウの出現を知らせるためのもので、これ以外にもさまざまな早期警報用システム [6]が併用されている。NCFには地域住民約2500人のデータベースがあり、ゾウの移動が確認された場所から半径2キロ以内にいる住民には携帯メールが送信される [7]。彼らはまた、住民がゾウのいる場所に近づかないよう、赤いLEDライトが点滅する装置を22箇所に設置した。このライトは、特定の番号に不在着信をかけるだけで点くようになっている。

ブロガーのDeponti [8]はこのようにつづっている。

The co-existence and the conflict are two parts of the same coin.

共存と衝突はコインの表と裏みたいなものだ。

著名な映画製作者であるSaravanakumarがこの ビデオ [9]
の中で焦点を当てているのは、バルパライの高原という土地に適していて、ここで実行可能な科学技術を用いた共存に向けての取り組みだ。

上記のYouTube動画にコメントを投稿したVarun Alagar [10]はこう述べている。

This indeed has inspired many people, such great measures are welcome in most vulnerable places, involving conflicts. Please keep up this good work, and may there be co existence in a journey rather than a destination.

このビデオは本当にたくさんの人に感銘を与えたよ。動物との衝突に伴って被害を受けている場所では、このようなすばらしい対策が待ち望まれているんだ。ぜひ、この有益な活動を続けほしい。目的地ではなくそこに至る過程の中にこそ、共に生きる道がありますように。

校正:Takako Nose [11]
校正:Shoko Baba [12]