ニンテンドー3DS専用のゲームソフト「妖怪ウォッチ」が、今から約1年前に日本で発売された。その半年後にはアニメ版が始まり、小学生を中心に瞬く間にブームが広がった。
アニメの中で妖怪が起こす事柄は、子どもたちが日常的に経験するちょっと困ったことが多い。10/17の放送では、家庭内のテレビのリモコンがすぐに無くなるが、それは「リモコンカクシ」という妖怪の仕業だった。それに対し、主人公「ケータ」は、特別な時計で妖怪を見つけ、問題を解決していくストーリーで、ギャグアニメとなっている。
トラブルが起こった時のケータのセリフ「これは妖怪のせいだ」が入ったテーマソング「ようかい体操第一」や、「ゲラゲラポーのうた」も、子どもたちが楽しめるメロディーや振付で人気だ。
大ブームの「妖怪ウォッチ」だが、人気の理由は他にもあるようだ。
ゲームソフトの開発、販売を手掛けた会社レベルファイブは「クロスメディアプロジェクト」、いわゆる「メディアミックス」と言われる広告手法を、この「妖怪ウォッチ」に取り入れている。これは、ひとつの娯楽作品を、様々な娯楽メディアを通して多数製作し、ファンサービスと商品販促を拡充する手法だ。
「妖怪ウォッチ」も、ゲームソフトに始まり、アニメ、CD、漫画、映画、関連グッズなどへと間口を広げていった。その結果、子どもたちが目にする機会が増え、作品の魅力と相まって、一大ブームへとつながった。
今年9月には、マクドナルドが販売するおもちゃ付き子ども向けメニュー「ハッピーセット」に「妖怪ウォッチ」カードが登場したところ、販売開始から5日間で、予想を大きく上回る予定の約3倍の販売数となった。
マクドナルド混んでると思ったら妖怪ウォッチですかそうですか
— TM (@tkg_sub) September 6, 2014
あまりにもブームとなったため、twitter上では、子どもへの影響を指摘する声も上がった。
なんでも妖怪のせいにする子どもが急増
— ぱちぇ@11月29日 垢4周年 (@8cye) September 30, 2014
一方で、妖怪の存在は、問題を外在化し客観視させる心理的効果があるとする声もある。妖怪「コマさん」を例に上げている。
あと今後ソフトクリームが一巻き足りなくても、コマさんが食べたと思えば許せる
— ペンギンですけど何か (@penguin_desuga) August 26, 2014
それに、大人が思うよりも、子どもたちは案外しっかりしているのかもしれない。
「妖怪ウォッチ」イベント会場でインタビューを受ける、小学生の男の子たち。
「なんでも妖怪のせいにしてしまう
我々が一番の妖怪かもしれませんね。」最近の子供は大人だなぁ。お前らと違って
― もみじちゃん11/8誕生日(@Hosa_1108)3:18 – 2014年9月29日
ブームのさなか、ネコの妖怪「ジバニャン」は、ハロウィンでもひっぱりだこのようだ。
【本日のかぼちゃカービング】妖怪ウォッチより 「ジバニャン」 pic.twitter.com/UlupkxY55D
— こだれでら (@kodaredera) September 1, 2014