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地域のゴミで夜空に光を 廃食油で灯すイルミネーション

東京、けやき坂のイルミネーション。画像:FlickrユーザーのDick Thomas Johnsonより。CC-BY-2.0.

東京、けやき坂のイルミネーション。画像:FlickrユーザーのDick Thomas Johnsonより。CC-BY-2.0.

この時期、夜の街を華やかに彩るイルミネーション。日本では、クリスマスはもちろん、紅葉とも合わせて人々を魅了する秋・冬の名物となっている。

2011年3月11日に起きた東日本大震災以降、原発批判・脱原発の風潮が高まっている中、電力の無駄遣いとされるイルミネーションを快く思わない人も多い。震災直後は電力不足が続いたため、地域ごとに順番に停電させて電力の消費を抑える輪番停電(計画停電)をはじめ、企業や学校などいたるところで節電がなされてきた。冷房や暖房の利用を最小限に控えたり、エレベーターではなく階段を使うことを促したり、店内の照明を暗くするなど様々な対策がなされた。壁や窓ガラスに「節電中」の文字を目にした人も多いだろう。

震災から時がたつにつれ、それまで自粛されてきた様々なイベントも多数復活した。イベントよりも、日常生活に必要な電力を安定的に確保することを優先すべきとの声も多い。

別のツイッターユーザーは、節電を呼びかける姿勢とイルミネーションを使って集客を図る姿勢との矛盾を指摘する。

以前から問題視されていた資源の有限性や、新しいエネルギー源の確保に対する意識がさらに高まっているが、現時点ではまだうまく確立されていない。 そんな中、批判の声と冬の名物を楽しみたいとの声にうまく折り合いをつけ、未来のエネルギー利用に文字通り一筋の「光」を差し込むかもしれないイベントがある。11月21日から開催される「目黒川みんなのイルミネーション」だ。

このイベントは、イルミネーションに使われるLEDライトを点灯するために、地域の人々から家庭や飲食店で使い終わった廃食油を回収。それをバイオディーゼル燃料にリサイクルして電力に換えるという試みだ。回収に使われるトラックも廃食油を使って運行している。 環境省の報告によると、2006年の時点で国内で廃棄される廃食油は年間45万トン。

日本を例にとると、230万トンの食用油脂が消費され、45万トン程度が廃食用油として回収・処理されている。食品工場や飲食店から排出される廃食用油の回収率は高く、飼料や肥料、石けん、インク原料、ボイラー燃料などとして有効利用されている。一般家庭からの廃食用油はその殆どは、そのまま排水として一緒に流される、または燃やす、埋めるといった形で処分されており、家庭からの回収率は低い。

「目黒川みんなのイルミネーション」は、この一般家庭から出る廃食油がうまく再利用されていないことに着目し、廃食油を燃料として再生できるバイオディーゼル燃料を活用し始めたのだ。バイオディーゼル燃料は昨今、ディーゼル車の普及とともにその実用性と環境保護の面から注目されている。大気汚染の原因となる硫黄酸化物の排出はゼロというのも大きな魅力だ。目黒川のイルミネーションは、このバイオディーゼル燃料を「地球にやさしい次世代を担うクリーンエネルギー」と銘打ち、「エネルギーの地産地消」「100%自家発電」を実現させている。

目黒川に沿って続く美しい桜並木。「みんなの」力でエネルギーを集め、花の咲かない冬に「桜」を咲かせる。このイベントは2010年に始まってから今年で5年目を迎える。