今年も「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補が発表され、「マタハラ」という言葉もノミネートされた。12月1日の大賞発表では、トップテン入りとなった。
2014ユーキャン新語流行語大賞ノミネート50語を発表します。 11家事ハラ 12マタハラ 13ありのままで 14レリゴー 15こぴっと 16 ごきげんよう
— 新語・流行語大賞2014 (@gendai_yougo_) November 19, 2014
「マタニティーハラスメント」の略である「マタハラ」は、妊娠や出産をきっかけに解雇や、減給・降格などの嫌がらせを職場で受けることを言う。日本では、近年、以前よりも女性の社会進出が進んできており、社会問題化している。
そんな中「マタハラ訴訟」と呼ばれる裁判の判決が、去る10月23日に最高裁判所で出された。
【マタハラ訴訟】妊娠降格は「承諾なければ原則違法」 最高裁初判断 http://t.co/qbn0B0o0Ct pic.twitter.com/GElAVGH2GB
— 産経ニュース (@Sankei_news) October 23, 2014
広島市の病院に勤めていた理学療法士の女性は、妊娠理由による降格は男女雇用機会均等法に違反するとして、約170万円の損害賠償などを求めていた。その上告審判決で最高裁は、
「妊娠を理由にした降格は、女性の承諾や雇用主側の特段の事情が無い限り、原則として違法だ」
との判断を初めて示した。1、2審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。
これに対しては様々な意見が飛びかった。
同意なしの妊娠降格違法 マタハラ訴訟で最高裁初判断 http://t.co/RidEgNCZ4W 「妊娠がきっかけの降格は、自由意思に基づき女性が明確に同意した場合や、事業主側に特段の事情がある場合をのぞき、違法で無効」 ⇒うん。メチャクチャ納得できる。 腹に落ちる判決だね。
— ミネ(小選挙区制は死票が多過ぎ廃止すべき (@minerin999) October 29, 2014
「逆マタハラ」という言葉で意見を述べる者もいた。
マタハラ(マタニティハラスメント)問題、妊娠出産への配慮はあってしかるべきだと思うけれど、「仕事は軽くしてほしい、でも役職は外されたくない、早くに帰りたい、でも給料は保証してほしい」というのはどうなのかな……と思う。 だってその分の負担は他人に行くわけで、いわば逆マタハラだよね。
— あみ (@motonomokuami) October 23, 2014
この判決が企業に与える影響に注目している者もいる。
画期的なマタハラ違法判決。労務管理への影響は大きそう / “マタハラ問題に一石 減らぬ相談、年3000件以上 均等法に照らし新規範 :日本経済新聞” http://t.co/Xqd0QkXyvU
— 楠 正憲 (@masanork) October 23, 2014
マタハラ問題は、長時間労働を強いられる日本の労働問題の一端でもあるという意見も出た。
ほんと、これですよ。RT “長時間勤務がベースとなっている日本の労働現場では、長時間勤務ができない労働者は男女問わず職場からふるい落とされる。「マタハラ」は、男女平等に関する問題だけではなく、労働問題の氷山の一角でもある。マタハラ裁判、マツコ・デラックス発言にみる「男女平等」とは?
じこぼう(@kinkuma0327) 7:35AM-31 Oct 2014
また、パートや派遣といった雇用形態とマタハラとの関係について指摘する声もあった。
厚生労働省がまとめた資料(平成22年度) によると、2005年~09年に、女性の第1子出産で就業を継続する割合は、38%となっている。厚労省は、2020年にこれを55%まで引き上げる目標を掲げている。
また、同省は15日、マタハラについて、初の本格調査に乗り出すことを発表した。
この判決をきっかけに、企業のマタハラについての取り組みや意識は変わっていくことが予想される。
それと同時に、長時間労働の問題の解決や、同僚の負担を軽減する取り組みなども合わせて行うことは、女性が、そして男性も働きやすい職場づくりには欠かせず、また、女性の力を活用していくことが、企業の利益にもつながるのではないだろうか。