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日本の和紙 ユネスコ無形文化遺産に

画像:Flickrユーザーのmadichanより。埼玉県小川町、埼玉伝統工芸会館で撮影されたもの。CC BY-NC 2.0

画像:Flickrユーザーのmadichanより。埼玉県小川町、埼玉伝統工芸会館で撮影されたもの。CC BY-NC 2.0

日本時間11月27日午前3時、「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決定した。昨年の「和食」に続き、日本からの登録は2年連続となる。

今回、無形文化遺産に登録された和紙は、「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田市)、「本美濃紙」(岐阜県美濃市)、「細川紙」(埼玉県小川町、東秩父村)の3種類。

 
和紙の製造には多くの過程が必要とされている。和紙の原料となる楮(こうぞ)を刈り取ってから蒸し、皮をはいで水に浸し不純物を取り除く。柔らかくなった内皮を煮て柔らかい繊維だけを取り出し、木づちでたたくことで繊維をほぐす。この行程を経て、ようやく漉きの過程に移るのだ。

この漉きの過程では、和紙一枚一枚の厚さを同じにしなければ製品にならないという厳しい基準がある。下の動画では、「本美濃紙」の製造過程を紹介する

和紙は文字を書くためだけではなく、さまざまな製品にも使用されている。薄くて丈夫な和紙は光をきれいに通すことから、インテリアにもよく使用される。その耐久性の強さは、保存状態が良いもので1000年前のものが現存しているというほどだ。

 
日本の和紙は絵画の修復にも使われており、海外でも活躍している。イタリアで絵画修復の勉強をしているshoukoが自身のブログに投稿したこの記事では、和紙を使って絵画の洗浄作業をする様子がつづられている。

修復ではまず表面の黒っぽい汚れ・昔使用されていたろうそうの蝋によるしみ、
昔行われた修復での補色された部分 これらを洗浄します。
洗浄作業は、石灰とアンモニアを水で溶いたものを和紙を使って↓のようにパックします。
さらにこの和紙の上から、海綿スポンジを使ってよ~く石灰とアンモニア水をしみこませながらたたきます。
この作業は本当に腕が痛くなるくらい何度も、力を入れながら表面を洗浄します。
この作業が終わると、和紙をはがすことができます。

ハフィントンポスト日本版の記事では、今回無形文化遺産に選ばれた3種類の和紙とその他の和紙との違いを説明している。
まず原料に関して、今回選ばれた3種類の和紙は、いずれも楮(こうぞ)だけを使用していることが大きな違いだという。

和紙の原料には、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などのほか、パイナップルや竹、木材パルプなどがある。原料の違いによって紙の風合いも異なるとされるが、今回登録された3つの和紙は全て、楮のみを原料としている。

楮は光沢があり、雁皮や三椏に比べると繊維が長いため、美しい和紙を漉くことができる。

また、ほかの和紙とこの3種類の和紙が大きく異なるところは、時間が経つごとに「だんだんと白くなる」ところだという。

通常、白い紙を作るための漂白には薬品が使われるが、今回登録された3つの和紙には薬品による漂白が行われない。そのため、だんだんと紙が白くなるという。

例えば、現在よく使われる障子紙は、大部分が塩素漂白されている。塩素漂白をすることで、紙を漉いた直後は紙の白さがより鮮やかになるが、紫外線により黄ばみができる。一方で、塩素漂白をしない場合は、出来上がった当初は鮮やかな白ではないが、紫外線により少しずつ白みを増す。

そして今回登録されたのは、何よりもその「手漉き(てすき)の技術」だ。

今回登録された和紙には、紙を漉く過程にも日本固有の「流し漉き」の方法が使われている。

古代中国で紙が発明されたころからの「溜め漉き」の技法とは異なり、紙料液を漉き簀(す)に入れ全体を揺り動かす技法だ。揺り動かすことで紙の繊維を絡めやすくしており、破れにくいなどの紙の強度を上げることができる。

連続して製造可能な機械漉きが台頭してきているが、手作業でしか生み出せない紙製品もある。職人の高齢化や跡継ぎの減少が心配されているが、和紙の産地ではその高い技術を後の世代にも引き継ごうと努力が続けられている。

授業の中で、生徒に和紙の製造を体験させる学校もある。

 

 
極寒期の12月から5月が良質な和紙の製造に最適な時期といわれているが、水の冷たい冬でも手漉き和紙の製造はすべて手作業で行われる。何世代にもわたり継承されてきたその繊細な技術と努力が、世界に認められた。