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メキシコ:組織犯罪を報告した市民ジャーナリストが受けた「罰」

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画像:Valor por TamaulipasのGoogle+アカウントより。「あなたのために我々は強くなる。マリア・デル・ロサリオ・フエンテス・ルビオ(2014年10月15~16日、レイノサ没)を追悼して。10月15日、レイノサ地区にて誘拐された。ロサリオ、またはMiut3(訳注:ロサリオのツイッターアカウント名はMiut3)は、大きな勇気と心で、地域社会に対する危険についての情報提供に従事した医師であった。

北メキシコ、タマウリパス州の市民団体は昨日(訳注:原文掲載日は2014年10月25日)、Twitterユーザーであるマリア・デル・ロサリオ・フエンテス・ルビオさんが誘拐、殺害されたと発表した。犯人は不明であるが、フエンテス・ルビオさんの遺体の写真が、彼女のTwitterのフィードに掲載された。

その後すぐに、彼女のTwitterのアカウント(@Miut3)は停止された。マリア・デル・ロサリオさんはおそらく、麻薬密売組織のボスらに立ち向かったことに対して許しを乞うたのだろう。殺害後の彼女の写真が、最後のメッセージとともに公開された。そのメッセージは、レイノサでの暴力については「そこから得られるものは何もない」ため、沈黙を保つよう他の市民ジャーナリストに警告するものだった。

レイノサの医師、フエンテス・ルビオさんは、市民メディアプラットフォームValor por Tamaulipas (タマウリパスのための勇気)で寄稿者としてボランティア活動をしていた。ユーザーらは、このプラットフォームに、暴力、特に組織犯罪や麻薬取引に関する事件について匿名で記事を掲載することができる。また、彼女は、これと関連する同様のプロジェクトである、Responsibilidad por Tamaulipas(タマウリパスに対する責任)でも管理者としての役割を担っていた。“Valor por Tamaulipas”による最新の投稿は、彼女を「自身の生命、未来、安全、平穏[…]全てをこの州の人々の幸福のために与えた天使」であると述べた。

こういったネットワークに関わっている個人が、自身の報道活動のために制裁を受けたのは、今回が初めてではない。Valor por Tamaulipasは、2012年の設立以来、様々な脅迫や暴力事件に遭っており、その中には管理者に対して活動の停止を強いるものもしばしばあった。

Valor por Tamaulipasは、ソーシャルメディアを利用して、2006年以降麻薬関連の紛争や腐敗が多発しているタマウリパス州の市民から、クラウドソーシングによって報道にかかる資金調達をしている。2013年2月には、匿名の麻薬組織が、Valor por Tamaulipasのソーシャルメディアアカウント管理者の所在についての情報に対し、600,000メキシコドル(約44,000USドル)を支払う旨のパンフレットを配布した。その後すぐに、@ValorTamaulipasは、報道活動を中止する計画を発表した。しかし、そのネットワークは再び現れた。暴力的な犯罪は、タマウリパス州とその市民が報道を継続することを困難にしている。

この対立によって、昔からある多くの報道機関が、薬物に関する暴力について報道することができなくなった。ジャーナリスト保護委員会は、2006年以降、16名のジャーナリストがメキシコで殺害されており、そのほとんどが、彼らが麻薬関連の犯罪や腐敗について報道したためであったと推定しているメキシコ及び中米を拠点とするArticle 19(訳注:情報や表現の自由の保護に取り組む団体)の最高責任者であるダリオ・ラミレス氏は次のように語っている。「タマウリパスにおける報道機関への暴力と表現の自由に対してのメキシコ当局による保護の欠如が、公共の安全に関する問題についての情報をすべて吸い取ってしまう。そのため、ソーシャルメディアは、このような行為に対する情報を市民が自由に得るための、効果的なツールとなっている。」

市民とソーシャルメディアのユーザーがこのような情報がない状態を埋め、現地で見聞きしたことを伝えるために尽力しており、VxT(訳注:情報や表現の自由の保護に取り組む団体)のような団体やフエンテス・ルビオさんのような個人が麻薬組織にとって一番の標的となっている。