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タイの学生ら、香港の学生活動家へ「諦めないで」のエール

カテゴリー: タイ, デジタル・アクティビズム, 人権, 市民メディア, 抗議, 政治, 法律, 若者, 言論の自由

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thai students

「香港の学生の皆さんはとても勇敢だと伝えたいです」 Google+ハングアウトでの画像。

タイ情勢と法の支配について幅広く論じた、Google+ハングアウトによる討論会。タイの学生で、民主主義を推進する活動家5人が、香港でデモを行っている活動家たちに向けて「諦めないで」とのメッセージを送った。   

参加者の数は5人。この数には大きな意味がある。というのも、現行のタイの法律では、5人以上が集まって政治問題を議論することが禁じられているからだ。さらに、ソーシャル・メディア上で抗議行動を呼びかければ、いかなる者でも扇動罪に問われかねない [1]。この学生たちは、現在のタイ軍事政権に対して、これまで積極的に異議を唱えてきた。この政権は、今年初めのクーデターにより実権を掌握している. 

私は、この学生たちと共に今回のハングアウトを企画した。Prommanusorn校で土木工学を学ぶ活動家Rick Rhianさんは、香港の学生活動家に向けて次のようなメッセージを送っている。

The message that I want to give the Hong Kong students is, do not give up and do not let the system of Thailand be advanced upon you guys.

香港の学生の皆さんへ伝えたいのは、諦めないでということ。そしてタイのような状況にならないようにしてほしいということです。

他の討論参加者も同様に、香港の活動家と地域全域にわたる民主主義を支持すると表明した。以下の動画 [2]は、討論会の模様を抜粋したものだ。  

今年9月に中国政府が、香港の選挙では北京で行う指名委員会が選んだ者だけを候補者にすると決定した。それを受けて、香港でデモが起こった. 

討論会でタイの活動家たちは、さまざまなテーマについて意見を交わした。その中では、タイの情勢、彼らがタンマサート大学 [3]などで行った最近の活動、タイの歴史の教科書からタクシン・チナワット元首相に関する記述を削除しよう [4]とする軍事政権の動き、といった議題も取り上げられた。

今年5月、タイの軍事政府は当時の首相インラック・シナワトラ氏をクーデター [5]により失脚させた。軍事政権は、タイ王国憲法を破棄、戒厳令を宣言し、表現および団結の自由をより厳しく制限した。新しい首相には、タイ国陸軍司令官のプラユット・チャンオチャ氏 [6]が任命されている。チャンオチャ氏は、将来的には選挙を行うだろうとしながらも、向こう2年は選挙をしないということ以外、その具体的な日程は明らかにしていない。

校正:Maki Kitazawa [7]