「フォトブログは私の人生」ウガンダ人写真家エドワード・エクワル氏は言う

This is one of  Edward Echwalus's photos.

西ウガンダで、少年が手押し車を押してボトルいっぱいの水を運ぶ様子。許可のもと掲載。

エドワード・エクワル という名前は、写真とブログで瞬く間にウガンダではおなじみの人物となっている。特集インタビューの中で、素晴らしい写真家である彼は、グローバルボイスに写真とブログへの情熱を語ってくれた。 

Prudence Nyamishana (以下PN): 写真撮影を自分の仕事にしようと思ったのはいつ頃ですか?

エドワード・エクワル氏 (以下EE):私は多くのウガンダの子どもたちと同じように、将来どこに向かえばよいか分からなかった。マケレレ大学の2年だったときでさえだよ。そして、多くのマスコミュニケーション科の学生のように、自分の情熱を向けられるものを発見したいと願いながら全部の授業に出席したよ。

ある日、アメリカからの客員教授がカメラを持って来て、私たちに物語と写真を一緒にすることを勧めたんだ。私の人生は大きく変わったよ。私はすぐに写真を撮り始めると、その分野から認められるようになった。学校の最後の学期を終えた後、父が私にお金を見たことがなかっただろうと言った事実に、私の情熱は動かされた。私は生活のために働かなければならないことを分かっていた。だから、私は自分の情熱を向けられるものを見つけて嬉しかったんだ。

私は大胆な一歩を踏み出し、学費用のお金からお金を出してケニアのナイロビ行きのバスに乗り、カメラを買うために出かけたんだ。そこはカメラが安いと聞いていた。現地に知り合いは誰もいなかったけど、カメラを買わずにはいられなかった。すごく興奮したよ。私は道で出会うもの全てをカメラで撮影した。でもその後、撮った写真を公開しなければならないと思った。だからブログを立ち上げたんだ。それまでウガンダ人でブログをしている人は多くなかった。私のコースのひとつはデザイン構成だった。だから自分で名刺を作ったんだ。ちょうど学期が終わる前頃に、私は編集者の会議に出席するためアメリカ大使館に招待された。会議はトップレベルのメディア各社から編集者が集まる専門的なものだった。私はただの学生だし、自分のブログのリンク先を書いた紙切れを持っていただけだった。だけどその後、デイリーモニターというニュースサイトを含め、写真家として私と一緒に仕事をしたいという人々から多くのEメールをもらったんだ。  

PN:フォトブロガーとして最も良い瞬間はいつでしたか?

EE:非常に多くの素晴らしい瞬間はあるけど、CNNアフリカ人ジャーナリズム賞にノミネートされたという連絡を受けた時が一番思い出深い瞬間だね。どういう反応をすればいいか分からなかったよ。友人たちとパーティーに向かう途中の車の中で電話を受けたんだ。彼らに話したら、すぐにお祭り騒ぎが始まった。それは初めて自分の仕事を誰かが認めてくれたと感じた瞬間だったよ。

Night fishing with kerosene lamps is common on the shores of Lake Victoria. Photo used with permission.

ウガンダで一般的な灯油ランプでの夜釣り。許可のもと掲載。

PN:写真家として直面する課題は何ですか?

EE:ウガンダでは、人々は自分の才能を理解していない。私はより良い仕事ができるように気を付けている。大学ではYouTubeで知った内容ほどのことは学ばなかった。

ここウガンダでは、カメラの機材はとても高価で手に入らない。写真家はよほど優れていない限りは認めてもらうことができないんだ。ジャーナリズムでは、フォトジャーナリストは常に危険の最前線にいるけど、ウガンダではまだフォトジャーナリストたちには保証がない。警察が職務中の私を殴り、追っていた事件を途中で諦めることになってしまったことがある。2009年、ブガンダの暴動の最中は街中どこにも緊張があり、どの場面でも興奮状態だった。私はできる限り多くの特別な写真を撮りたかった。軍隊が出動しており、人々に対して発砲し始めた。軍は私を逮捕し、殴ったんだ。私はムチで叩かれ、警察の留置所に連行された。でも、誰も私が殴られたところを見ていなかった。幸運にも編集者にテキストメッセージを送るのに十分なだけの通話時間が携帯電話にあった。私が送ったメッセージはカンパラの多くのラジオ局に広まったんだ。それから軍の男たちは私が何者であるか不思議に思い始め、すぐに私は解放されたんだ。それから2011年の「walk to work」抗議運動期間中、私は街中でデモをする人々の写真を撮っていた。私が気づく前に、軍が警報射撃を空に向かって撃った。一人の兵士が群衆に発砲し、活動的にデモをしていた若い男性が私の目の前で撃たれて亡くなった。私は精神的ショックを受け、強く憤りを感じた。私は殴打を受けたにもかかわらず、より多くの写真を撮った。私ができることは、その若い男性の生き様を伝えることだけだった。

PN:ウガンダ人の写真家であるということはどういうことですか?

EE:フォトブログは、私にとってとても多くのドアを開けてくれたよ。カメラで力を発揮できる。海外の読者たちに関係したアイディアを選ぶんだ。そして問題への関心を高めるためにブログを使うんだ。例えば、ウガンダ北部で私が取材した「頷き症候群」の状況だね。その病気は私を困惑させたよ。誰もその病気に対する対策を見つけられずにいた。 現地で見たものにショックを受けた。私は子どもが病気とともに生きることをどう考えているかを取材した。その答えは驚くべきものだった。人々は病気への関わり方を思いついた。その結果、頷き症候群への募金を募るキャンペーンが考案されたんだ。メディアでの報道の機会は、国際的に、そして地元でも増えた。フォトブログは、私が大きなメディアでは通常発信されない人々の真実の物語を伝えるために手助けをしてくれたんだ。それにより私は自分に適した場所を見つけ、今、発展のために写真を撮っている。そこで、私は写真を多く使い、言葉はほとんど使わない。

PN:見出しを読まなくても物語を伝えてくれるあなたの素晴らしい写真をたくさん見ました。これらの瞬間を捕えるために、どのように心がけるのですか?

EE:多くのフォトブロガーが活動するために撮影に出かけるが、私は感情を求めて出かける。感情をうまく捕えられた時は、満足してそのシーンを残す。感情を捕えることは決して容易ではなく、忍耐、経験や技術が必要なんだ。写真家として物語を語るためには、人として人道的でなければならない。現地の人々が感じていることを感じる必要がある。頷き症候群の取材のとき、私は怒り、子どもたちはもっと良い待遇を受けるべきだと思った。

PN:物事がうまくいかない時でも、続けられる秘訣は何ですか?

EE :フォトブログは私の人生だよ。私は物理的な事務所を持たず、フォトジャーナリストたちにフォトブログを追求することを勧めてきた。一般的な仕事をしている人の年収の98%を、私はフォトブログのひとつのプロジェクトで稼ぐんだ。私は雇い主に捧げたたくさんの時間を、自分の仕事に投資することに決めたんだ。人生の最も良い物語を伝えるためには、私の腕はまだまだだと思う。最高の写真を撮れたと感じることはまだない。また、これまでずっと、称賛を得るために写真を使用したことはない。時々、世界中の他の写真家たちと自分の写真を比べてみるんだ。自分はまだまだだと分かっている。だから、自分の限界に挑戦し続けなければならないんだ。

そうだね、仕事全部に士気を失った時の時間は辛いものだった。自分の仕事が見る人に全然インパクトを与えるものでなくなったと感じてしまったんだ。私はそのことを師に話し、師は初心に返ることを教えてくれた。そこで、写真の仕事の中で初めてまるまる1ヶ月間、カメラのシャッターを押さなかった。写真を1枚も撮らず、カメラ、スマートフォンを持たなかった。放浪の旅に出てみたよ。写真を撮りたい誘惑は旅の道のりでやって来たが、私はこの時期を人生の再出発にすることにした。1ヶ月が過ぎたら、新しいスタートのための準備ができていたんだ。それから、撮影機材が盗まれた時があったんだ。全部のカメラ、バックアップのハードドライブまでも盗まれた。それらは私の人生だった。身体を切断されたような気持ちだった。その経験は、失った足を取り戻すための良い動機となった。友人たちは募金活動を始め、世界中の至る所から資金が2000ドルも集まったんだ。ブラジル、ガーナ、エチオピア、アメリカ、そして他の多くの国からの募金だった。私にはグローバルボイスという存在もある。それは、私がフォトブログを続けるもう1つの確かな瞬間だったよ。

PN:ブログをやめようと思っている、またはすでにやめてしまったブロガーに対して何か伝えることはありますか?

EE:ブログをやめてしまうことは、人生を諦めることと同じようなものだ。どんな理由があろうとも、ブログを開き、続けるべきだよ。多くのブロガーが、見た人々から十分な反響を得られず、アイディアがなくなりやめてしまう。だが、そのブログがどこかで誰かの人生を変えたかもしれないとは、ブロガーたちは思ってもいない。たとえ、影響を与えるのがたった一人だとしても。時に、私たちは大したことのない事に落胆することがある。ブログをやめないで欲しい。あなた方の考えを参考にしている人々がそこにはいるのだから。続けて欲しい。

エドワード氏の活躍は、こちらから見ることができる。

校正:Maki Kitazawa

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