See all those languages up there? We translate Global Voices stories to make the world's citizen media available to everyone.

タイ北部の村、モスク建設に抗議する仏教徒住民

ナーン県にて、モスク建設計画に対する抗議デモの様子。写真提供:@joe_black317及びカオソッド紙、使用許諾済

ナーン県にて、モスク建設計画に対する抗議デモの様子。写真提供:@joe_black317及びカオソッド紙、使用許諾済

タイ北部ナーン県の県都ナーン市近辺で、モスク建設案に対する抗議活動(訳注:3月1日に行なわれたデモ行進)があり、約800人が参加した。県職員に抗議文書を手渡したのは、デモを代表する仏教の僧侶だ。

ほとんどのタイ人は仏教徒だが、人口の約5%はムスリムである。 そして、タイ国内ムスリムの大部分は、かつてパタニ王国と呼ばれたタイ南部の地域に居住している。 実際に、この地域をタイ王国から分離することを提唱しているムスリムグループもいる。

ブッパーラーム村(訳注:モスク建設予定地で、ナーン市に隣接するプーピエン郡にあり、ムスリムのいない村)やその他近隣地区から抗議に駆けつけた村民が非難したのは、モスク建設案に関わったムスリム団体が、村民にきちんと相談していなかったという点だ。

初回の公聴会は1月に実施された(訳注:この時点ですでに基礎工事が始まっていた)が、この地方のムスリム委員会は建設について村民の合意を得ることができなかった。

バンコク・ポストが、ナーン県にモスクは要らないと訴える村民に取材を行った。その記事によると、モスク建設の背後に「隠された政治的または宗教的目的」が潜んでいて、タイの他地域のような「社会不安や暴力をもたらす」のではないか、と人々は懸念しているという。

たまたま、モスク建設予定地は仏寺からわずかに2キロしか離れておらず、これについて不満に感じている人もいる。抗議文書の中で人々が主張しているのは、建設されるモスクが「騒音公害」を引き起こす恐れがあること、つまり、「生活スタイルや文化の違い」により精神的ストレスを受けるだろう、ということである。.

クライサック・カンタ氏(55歳、訳注:デモ発起人の一人)は、地元メディアにモスク反対の理由をこう説明した。

Villagers have no problems with Muslims but this protest is because we are not happy with the local (provincial) government that allowed the building of this mosque in a Buddhist community. We should have a public hearing before the construction as this mosque has an impact on our community. If the province continues with the construction, the Nan people will continue the protest.

村民は、ムスリムたちに対しては何ら問題視をしていません。ただ、仏教徒の村の中へのモスク建設案を許可した県庁の判断に納得がいかないのです。私たちは建設前に公聴会を実施すべきでした。このモスクによって私たちの村は影響を受けるからです。県が建設を継続するならば、ナーン県の人々は抗議活動を続けるでしょう。

ムスリムの代表者の言い分はこうだ。「ナーン県には現在60人のムスリムがいますが、彼らは礼拝に行くのに隣の県まで130kmの道のりを通わなければなりません」。ムスリム側のリーダーはまた、観光産業に好影響を与えることを引き合いに出して、このプロジェクトを擁護した。彼が言うには、「ムスリムの外国人観光客や個人旅行者などが、近隣の県からモスクを訪れることができるようになり、この地域でのさらなる消費増加につながるでしょう」

タイ人の中には、仏教以外の宗教に対する不寛容な態度に不満を感じている人もいる。

宗教的差別をしたいのでなく平和が欲しいのだ、とあなたたちは言う。だけど、あなたたちがここでやっていることは、宗教的差別の始まりだ。

待ち合せて集合! ナーン県民、モスク建設に反対デモ --政治的意図や軍事政権反対の動きとの見方も

この僧侶の言動は信仰自体を侮辱しているよ。凶暴だ。彼の行動は僧侶たちのしきたりに反するものだね。(訳注:リプライ元は別のニュースだが、仏教批判の一連のツイートに関する反応として掲載)

ナーン県の仏教徒がモスク反対の立場を取っているというこのニュースを聞いて、心底悲しく思います。

ナーン県の知事ウクリット・プンソーパーは、うまく折り合いをつけようと試みた。知事は、常設のモスクを建設する代わりに、県内のムスリムはまずバラサ(礼拝に使える簡易スペース)建設から始めてはどうかと勧めた。また、その地域にムスリムが増えてきた場合には、ムスリムたちはより大きなモスクに格上げすればよいとの考えも示した。

その他の宗教と同じように、イスラム教は正式にタイで認められており、国民はイスラム教の国々や組織と幅広く関係を保っている。しかし、「抗議運動を続ける」という脅しは、仏教以外の信仰についての社会的無理解が明白になるという問題を投げかけ、タイの将来に不寛容という影を落としている。

校正:Yuko Aoyagi