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学校に行けないリビアの子供たちに授業を届ける一人の女性

カテゴリー: 中東・北アフリカ, リビア, テクノロジー, 市民メディア, 戦争・紛争, 教育
Children in Tripoli in August 2011. Photo by MITSUYOSHI IWASHIGE. Copyright Demotix

リビアの首都トリポリの子供たち 2011年8月 撮影:岩重光義 著作権:Demitix

シリン・ジャアファリー [1]によるこの記事とThe World [2]のラジオ・レポートは、2015年2月26日PRI.orgに初掲出された。 [3] これをコンテンツ共有の合意のもとグローバルボイスに再公開する。

リビアは2011年の革命により四分五裂したため、ハイファ・エルザハウィはリビアを離れ、アメリカへ移住した。

現在、彼女は歯科医として仕事を探すと同時に、別の活動にも身を投じている。それは、リビアの子供たちのために教育を取り戻す活動だ。

リビアの子供たちは不安定な治安により2014年10月より学校に通えない状況が続いている。 エルザハウィは、もし子供たちが教室へ行けないのなら、教室を子供たちへ届けたらどうだろうか?と考えた。こうして、 ベンガジスカイプスクール [4] が誕生した。

「私たちはスカイプの個人アカウントで始めました」とニューヨーク在住のエルザハウィは語る。彼女はベンガジスカイプスクールのことをソーシャルメディアに掲載し、リビアの人々に支援を募った。 そして、彼女は1週間以内にとてもたくさんの前向きな回答を受け取った。そのたくさんの回答の中には、リビアのIT会社から彼女のプロジェクトのスポンサーになりたいという申し出まであったのだ。

当然、インターネット教室にはインターネット教室なりの問題があった。 頻発してリビアの人々を困らせている停電と同様に、不安定なインターネット接続が大きな障害となったのだ。「私たちは出来る限り、ライブでの授業を行いましたが、接続の問題が……しかたなく授業を録画し、それをオンラインに掲載しました」と彼女は説明した。

しかし、いくつかの困難にもかかわらず、ベンガジスカイプスクールはこれまで大きな成果をあげてきた。「生徒の家族たちが、生徒の宿題をする姿を写真に撮り、私たちに送ってきてくれました。彼らは、なんと学校の制服を着ているのです」とエルザハウィは話してくれた。

学校の背景にあるより大きな理念。それは、本当に学校が必要な家族や子供たちに希望をもたらすことだとエルザハウィは言う。彼女はリビアでISISが首はねを行ったという最近のニュース [5] を懸念している。そして、リビアの子供たちへの教育が急進化の蔓延を止める助けとなって欲しいと願っている。

「私たちは子供たちを教育すべきです。学びだけが私たちの戦える術です」と彼女は述べている。

校正:Naoko Mori, [6]Aya Mori [7]