ミャンマーのあるグループが、全国各地で人権、平等、正義を推進するためアニメ動画を使用している。
Equality Myanmar(訳注:ミャンマーでNGOとして活動しているグループ)はこのようなマルチメディア資源を、人々を力付け社会変革を引き起こすための人権教育や支援プログラム向けに開発してきた。このグループは過去15年間、女性、大学生、僧侶、牧師、活動家、学校教師、地域リーダー、農民、労働者たちをトレーニングしてきたが、今ではその人々が人権教育のコーチや支援者からなるネットワークの一翼を担っている。
こうしたワークショップを通じて、このグループはミャンマーが今日直面しているいくつかの社会問題に対処できるのだ。つまり、参加者たちは問題に気づくようになるだけでなく、より民主的で開かれた社会の構築における人権の意義を理解するようにもなる。
動画はシンプルながらも啓発的である。世界に通用する理解しやすいテーマなので他の国々でも利用できる。
選挙
グループがアップした最新の動画は、来たるべき選挙を扱っている。強制、不正行為、検閲及び様々な人権侵害など、選挙にまつわるいくつかの問題に巻き込まれている有権者の姿を描いている。
政治における女性たち
この動画は女性の政治参加を働きかけている。貧困やと不正と闘うためにはより良い社会政策が必要であると知って、公務員になるという夢をもつミャンマーの少女の話を伝えている。当初、家族は反対したが、少女はあきらめず国会議員にまで上りつめた。
児童労働
Maung Maung Ayeが制作したこの動画は、児童労働という搾取を暴いている。動画の女性は、ボーイフレンドの着ているシャツが児童労働者を雇っている会社製であることに気づき、彼を拒絶するのだ。
ヘイトスピーチ
別の関連動画は人々にヘイトスピーチの危険性を再認識させている。動画は仲良く暮らしている村を描いているが、敵意と反感をまき散らすハゲタカ(へイトスピーチの象徴)がやってくると立て続けに混乱が起きたのだ。幸いにも1羽のハトが村の上空に飛んできて、愛と平和をふりまいてくれる。
ミャンマーではネット上のヘイトスピーチが激しさを増し、さまざまな地域で緊張や住民同士の対立をあおっているので、この動画を広く普及させるべきなのだ。
多様性と差別
Maung Maung Ayeは、多様性を推し進め、性や人種、宗教、肌の色によって他者を差別しないよう人々に働きかける動画も制作した。この動画も、この国で増大している人種及び民族差別に立ち向かうのに有効である。ミャンマーには、100以上の民族グループがあり人口の大多数が仏教徒である。
こうした独創的な動画は、人権教育推進への支援がいかに重要かを示すと同時に、ミャンマー社会への理解を深める上で役立っている。