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幾年の抵抗を経て、ついに任天堂がモバイル市場へ!

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Pixabay [1]に掲載されている任天堂コントローラの画像、CC0 Public Domain。

日本の家電メーカーである任天堂は、スマートフォンやその他のモバイル機器で自社の人気ゲームを稼働させることについに合意した。

今週の初め頃、任天堂は日本のモバイルゲームの開発元であるDeNAと提携を結んだと発表 [2]した。この合意に基づいて、DeNAは新しいゲームの開発全般へ、任天堂の人気のあるゲームタイトルとキャラクタ達を使えるようになった。

任天堂がモバイル市場での事業立ち上げに成功するため、AndroidやiOSのデバイスをターゲットとした1,000タイトル以上のゲームの開発元として、DeNAは有用なノウハウを提供することを期待 [3]されている。

任天堂は自社製ハードとしてゲームボーイ [4]や後継機のDS [5]シリーズへ長いことゲームを提供してきたが、今までこの京都本社のゲームメーカーは大規模なモバイル市場に対するゲームの展開を拒否してきた。

日本のゲームや家電を扱っているIT Media News [6]は次のように書いている。

 任天堂は、これまで「マリオ」など既存タイトルのスマートフォン向け移植などは否定していた (link [7])

IT Media Newsでも執筆している有名な日本人技術記者の岡田有花 [8]は次のように述べている。

 任天堂はスマホゲームに本格的に踏み出す(link [9])

しかし、2006年発売の家庭向けゲーム機「Wii」 [10]の成功にも関わらず、任天堂は次世代のゲーム機「Wii U」の2012年販売開始からもがき続けている。会社は2013年には今までで初めて赤字だったが [11]、2014年には採算が復調しているかのように見えた。

販売における任天堂のスランプは、急速に世界中のスマートフォンが普及しモバイルの無料ゲームが拡大する時期に重なっている。

様々な日本の話題を分析して定期的に発行し、さらに英語や他の言語に翻訳しているサイトであるNippon.com [12]はこう指摘している。

The slumping sales of the Wii U standalone console continued to [affect Nintendo's bottom line], leading to ever growing losses.

一方、据え置き型ゲーム機「Wii U」の販売が落ち込んだことも響いて赤字が拡大した (link [13])

モバイルゲームは任天堂の首位の座を脅かしていた上、2012年販売のゲーム機「Wii U」は高価な面でも敬遠されていた。その上で、その価格ではどんなユーザーが実際に買ったのだろうか。

ユーザーはおもしろいソフトを楽しむために、しかたなくハードを買うのだから、ゲームの命綱はソフトにこそある (link [14])

そして、任天堂はついに時流を受け入れモバイルへ進出した。任天堂の時代もついに終わったとの感がある。

任天堂の岩田聡社長はそれでもなお、家庭用ゲーム機の未来には自信があると言っている。彼の発言を引用 [16]する。「たとえスマホやタブレットが人気になったとしても、我々はその時期に売っていくことになるので、提供されるゲーム機がさっぱり姿を消すとすればチャンスは訪れない。」

顔文字から判断するに、岩田社長の自信で全員が納得したわけではないようだ。

少なくとも、京都の任天堂と横浜のDeNAの提携が一部で面白いミーム [18]を生み出している。

任天堂ではマリオが有名であり、一方でDeNAは横浜ベイスターズのプロ野球フランチャイズ権を所有し名声を得ている。この関連性により、日本でひとひねりしたネットミーム [19]が生まれた。

1980年代のベイスターズの前身である横浜大洋ホエールズでプレイしていたカルロス・ポンセ [22]氏は、任天堂のマリオに驚くほど似ていると言われているのだ。

校正:Izumi Mihashi [23]