セルビア当局、11人の外国人人権活動家を逮捕

A similar group of activists staged a protest near Downing Street to condemn the persecution of Falun Gong activists in China. Photo by Demotix, 17 June 2014.

同様の活動家グループが、2014年6月17日にロンドンのダウニング街近くで行なった抗議活動。中国政府による法輪功活動家への迫害を非難している。撮影者:レポーター♯19616 著作権:Demotix

報道によると、セルビアで抗議活動を計画したブルガリア、フィンランドそしてスロバキアの人権活動家11名が12月14日と15日に当局により逮捕され、ベオグラード郊外の未公開施設に拘留されている。 

12月17日の 公式声明 で人権団体アムネスティ・インターナショナルは彼らの解放を要求し次のように説明した。

報道によればこれらの活動家はセルビアに渡航し、首都ベオグラードで開催される中・東欧諸国と中国の首脳会談に合わせ、平和的なデモ活動に参加して、中国当局の法輪功学習者に対する扱いに抗議するする予定だったが、宿泊施設から警察に連行され拘留された。[…]

アムネスティ・インターナショナルはセルビア当局の行為は不当ではないかと訴え、平和的集会の権利を行使しようとする意図のみを根拠にした拘留は、即時解除するよう要請した。

中国式の精神修養である法輪功の学習者は、1999年以来中国国内で 迫害 を受けている。2000年のアムネスティ・インターナショナルの報告書には、中国政府が法輪功や類似の団体を厳しく取り締まる際にとった手法が説明されている。複雑なメディアキャンペーン、強制的思想転向、逮捕、強制労働そして拷問といった手法であり、時には死に至らせたり被害者からの非合法な臓器摘出がおこなわれている。 

この法輪功活動家の国際団体は、2014年1月16日・17日にベオグラードで開催された、注目度の高い首脳会議に合わせて、平和的な抗議活動を計画したとされている。会議が開かれるのは3回目で、中・東欧の旧共産主義国首脳16名と中国共産党指導部との間で経済協力について話し合われた。

複数の情報筋によると、活動家9名が12月14日日曜日に拘留され、他の2名が後日拘束された。さらに当該団体と関係のある人物少なくとも2名が、ベオグラード・ニコラ・テスラ国際空港到着時に入国を禁止された。報道機関やネット上で情報がほとんど開示されていないため、この事案の真相は不明であるが、アムネスティ・インターナショナルの声明から、拘留された活動家のひとりについて詳細が少し分かってきた。

拘留された活動家のひとり、フィンランド国籍のリーファ・ランはセルビアへの入国は認められたが、入国後の12月15日に滞在先のホテルで逮捕され、パディンスカ・スケラの移住者収容・強制送還センターに連行された。少なくとも金曜の帰国便までは、収監され出国できないと通告された。アムスティ・インターナショナルによると、ラン氏は必要な渡航書類を有していたにもかかわらず、ブルガリア国籍の9名とスロバキア国籍の1名とともに、外国人法第49条に基づき逮捕されたという。本条項は「即時の強制退去を命じることができない外国人又は国籍不明の外国人又は旅券を所持しない者」について、強制送還までの拘留について定めている。

地方の独立系ニュースサイトやブロガーたちの中にはこの件を取り上げ、セルビア当局がとった対応の合法性に疑問を呈したものもある。独立系ニュースサイト、チャチャク発のオゾンプレス・ネットは当局が活動家の予定した抗議活動を禁止したと 記事で伝えている。

… Četiri uredno prijavljena skupa koja su ovim povodom trebalo da se održe na Trgu Republike u Beogradu ovih dana, pre dva dana su zabranjeni su od strane policije na nezakonit način i bez navođenja razloga, a prijavljivač skupa je podneo žalbu.

Sinoć, nešto pre 23 časa, beogradska policija je uhapsila 9 praktikanata Falun Gonga iz Bugarske, koji su se nalazili u hostelu u kojem su bili smešteni. Niko od njih nikada nije imao problema sa zakonom, a poznato je da su skupovi Falun Gong praktikanata uvek mirni i u skladu sa zakonom.

Policija nije dala razlog za hapšenje, a prema posljednjim nezvaničnim informacijama iz bugarske ambasade, ovih devet osoba se nalazi pritvoreno negdje izvan Beograda.

[…]最近ベオグラードの共和国広場で実施予定だった4つの集会は、正しく申請されていた。にもかかわらず2日前になって、理由もなく警察に違法なやり方で禁止されてしまったと主催者は控訴した。

昨夜(訳注:12月16日)午後11時前、ベオグラード警察はブルガリアから入国した9名の法輪功学習者を、滞在先の宿泊施設で逮捕した。この中にこれまで当局との間で問題を起こした者はおらず、共通認識として法輪功の集会は常に平和的で法にのっとって行われているのにもかかわらずである。

警察は逮捕の理由について何も話しておらず、ブルガリア大使館から出された最新の非公式見解によると9人はベオグラード郊外のどこかに拘留されているという。

中国における臓器闇取引をやめさせるために弁護士、医療専門家、人権運動家らが組織した「臓器狩りを終わらせる国際同盟」の公式サイトに掲載されたニュースレポートによると、くだんの活動家たちはセルビア当局に「一時的に」拘留されている。非公式情報でも、活動家たちが強制送還される可能性が示唆されているが、セルビアの国内法や国際法に抵触したか否か誰も言及していないし、拘留の理由も明らかにされていない。

セルビアの国営メディアや主要メディアの大部分はこの事件を取り上げず、扱ったメディアも不十分な報道に終始した。スイスのメディア企業リンギャーAGが所有する日刊紙ブリツのオンライン版は「ヨクシモビッチ(欧州統合担当無任所)大臣の答えにくい質問。6人のEU活動家はなぜ逮捕されたのか」(実際逮捕された活動家は記事発行時点で11人)という短い記事で事件に触れた。

国内最大のニュース系列B92のウェブサイトでは、EU加盟条件に関するヨクシモビッチ大臣の声明の記事で、EU関連の事柄として取り上げたにすぎない。

国営通信社タニューグは「デモ活動をしようとした活動家は拘留されたのか?」というニュース“>[dead link]を配信したが、この件について大臣から回答を引き出すのがやっとだった。

“Obaveštena sam o toj neprijatnoj situaciji, ali još ne znamo sve činjenice”, rekla je Joksimović, odgovarajući na novinarsko pitanje tokom konferencije za medije u Briselu.

ヨクシモビッチ大臣はブリュッセルの会見での記者からの質問に答えた。「この不幸な出来事については承知しているが、詳細については不明である」

事実はいまだ明らかになっていない。セルビアのNGO団体、人権を守る弁護士委員会(YUCOM)は「内務大臣と法務大臣は拘留手続きに関する情報の開示を」と要請している。

校正:Yuko Aoyagi

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