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ピンク・ドット2015 : 2万8000人が性的少数者 (LGBT) の権利を主張

カテゴリー: 東アジア, シンガポール, 人権, 同性愛者の権利 (LGBT), 市民メディア, 抗議, 政治
Spreading the message of love during the Pink Dot event. Photo from the official Facebook page of the event. [1]

ピンク・ドットの集会場に浮かぶ「LOVE」のメッセージ。画像はピンク・ドットの公式facebookより転載。

2万8000人以上がシンガポールのホンリム・パークに集まり、ピンク・ドット [2]を祝った。ピンク・ドットは、シンガポールで一年に一度開催される、協調性と多様性、そしてLGBTの権利を拡大するための集会だ。今年のピンク・ドットは、2009年の初開催以来最も大規模なものだ。昨年は2万6000人 [3]が集まった。

今年のテーマ「愛が生きる場所」は、LGBTの人々が直面している差別や偏見を払拭しようと進めてきた行動の成果を地域社会にも考えてほしいというものだ。以下の動画 [4]は、その晩に行われたピンク・ドットの最高潮を撮影したもの。

ピンク・ドットの活動を支援するシンガポール人は増加しているが、LGBTのコミュニティは依然として厳しい試練に直面している。
昨年、シンガポール最高裁はシンガポール刑法377条Aの合憲性を支持した。この法律は男性同士の性行為を禁止 [5]するものだ。
先月、シンガポール当局は台湾のミュージック・ビデオの放映を禁止 [6]した。ビデオの内容はレズビアンのカップルの結婚を祝福するというものだ。禁止の理由は、成人向けコンテンツを含んでいるというものである。
さらに2015年6月12日、つまりピンク・ドット2015の前日、このイベントのビデオ広告を映画館で放送させてほしいという人々による請願を拒否した。

ピンク・ドットに対抗し、キリスト教の牧師が自分の支持者たちに呼びかけた [7]のは、「ウェア・ホワイト」キャンペーンだ。このキャンペーンは、「国家における家庭の役割の重要性」を再確認することを目的としている。主任牧師のローレンス・コンは、LGBTのコミュニティを暗にほのめかしながら支持者たちに説いた。現代の社会病理の多くは「家族の秩序を乱す者に傷つけられた家庭の痛み」が引き起こしているという。

ピンク・ドットの主催者はイベントの成功を喜ぶ [8]一方で、シンガポールでLGBTの権利の拡大を進めることの難しさを認めている。

While some congregate on the pretext of protecting the conventional family, we are here to embrace all families, and all individuals. We believe everyone deserves the Freedom to Love, and the Freedom to be themselves. We recognize that the journey towards inclusivity and diversity in Singapore is still some way off, but we are confident that we will be able to achieve this together, one day in the near future.

昔ながらの家族像を守るという口実のもとに集まる人もいるが、自分たちがここにいる理由は、全ての家族、全ての個人を祝福するためだ。誰にでも愛する権利、自分らしく生きる権利があると信じている。様々な多様性がシンガポールで受け入れられるようになるまでにはまだ時間がかかることも分かっているが、そう遠くない未来に、こうした社会をともに作り上げることができると確信している。

ピンク・ドットの開催中、#WhereLoveLivesSg [9], #FreedomToLove [10]、そして#PinkDotSg [11]というハッシュタグが使われた。下記は先週の土曜日にホンリム・パークに集まった、様々な人生を歩むシンガポール人の集合写真。

#PinkDotSG 2015: 毎年人々が集まって、大きな困難を動かそうと力を合わせている。ピンク・ドットのボランティアたちに感謝。

PinkDotSGをサポートしています。 愛する自由。#WhereLoveLivesSG

#PinkDotSGを支持する@airbnb_sg のクルーたち。#freedomtolove #BelongAnywhere

校正:Masato Kaneko [24]