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ミャンマー難民の子供たち、絵画を通して体験を語る

(原文掲載日は2014年11月11日です)
forced to flee

ミャンマー(ビルマ)難民の子供たちが、戦争で荒廃した自らの故郷から避難した経験を今なら話すことができるのは、ビジュアル・ストーリーテリングについてのワークショップのおかげだ。これらのセミナーで生み出されるイラストは、ここ数十年間に内戦と民族紛争がビルマを破壊してきた様子を理解するうえで、有力な教材となっている。

家族や友人の手助けもあり、米国人の作家エリカ・バーグは、以下の2つの理由でこれらのワークショップを行っている。1つめの理由は、ミャンマーの平和を促進すること。2つめの理由は、精神的な傷を負った難民に、癒しを提供することだ。彼女のセミナーでは、200以上の絵が創作されてきた。そして、これらの絵は「避難を強いられて:ビルマからの若い難民たちによるビジュアルストーリー」という題名の本で、まもなくまとめられる予定である。キックスターターのクラウドファンディングを使って、バーグはそのの出版を希望している。

タイとミャンマーの国境沿いにあるキャンプには、現在12万以上の難民が住んでいる。同時に、国内避難民のためのキャンプには、いまだに10万以上のカチン族やシャン族が住んでいる。軍事独裁政権は、1962年以来ミャンマーを支配してきた。しかしながら、近年ミャンマーでは政治的な改革が見られ、それによって選挙が行われ、複数の政治犯が解放された。そして、軍の影響下で文民政権が樹立された。

しかし、民族紛争の根源は未解決のままで、不和をあおり続け、いまだに世界で最も長期にわたる内戦となっている。現在、国民融和を促進するために、和平への努力が複数進行中である。だが、局地的な戦争は全国いたるところで続いている。もろくて壊れやすい和平プロセスにとって、来年の選挙は正念場だ。

そうしているうちにも、数十万の村人がいまだに難民キャンプにとらわれている。そして、軍と反政府勢力の間の断続的な衝突により、さらに多くの人々が退去を強いられている。

burma map

ミャンマーのイラストマップ。ミャンマーには、100以上の民族がいる。

バーグがボランティアの仕事を通じ学んだことは、「どの難民にも、忘れ難く屈辱的で感動的な、語るべき身の上話がある」ということだった。ビルマ研究センターとのインタビューで、彼女は次のように説明している

Refugee youth who participate in the visual storytelling workshops quickly realize that they aren’t simply victims. They are survivors and witnesses whose life stories deserve—and need—to be heard.

難民の若者たちがビジュアル・ストーリーテリング・ワークショップに参加して、すぐに気づくのは、自分たちが単なる犠牲者ではないということです。彼らは死を逃れた生き証人で、その身の上話は聞いてもらう価値があり、その必要もあるのです。

バーグによると、彼女が編集中の本は、ミャンマーの平和提唱について認識を広めるのに役立つことができるという。

‘Forced to Flee’ illustrates that the emotions conveyed and evoked by a single narrative image can tell a story of a thousand words, open hearts and build bridges of understanding. In this book, refugee youth harness the power of narrative art to personalize human rights issues and promote a just and inclusive peace in Burma.

Drawn into their inner worlds, we gain a child’s eye-view of what it’s like to be forced to flee one’s homeland and live in exile, haunted – and empowered – by traumas of the past.

「避難を強いられて」が描いているのは、たった一枚の物語的な絵から伝わり喚起される感情が、非常に多くの言葉を物語ることができるということ。そして、人々の心を開き、理解の橋を架けることができるということです。この本の中で難民の若者たちは、物語的な絵の持つ力を利用して、人権問題を自分の問題として捉え、ビルマの全ての人にとっての公正な平和を促しているのです。

彼らの内部世界に引き込まれると、私たちは子供の視点でものを見ることができます。やむをえず故国を逃れるのがどんなことなのか、過去のトラウマに悩まされながら(そして時には勇気づけられながら)流浪の生活を送るのがどんなことなのか。

ビジュアル・ストーリーテリング・ワークショップでの、難民の若者。

ビジュアル・ストーリーテリング・ワークショップでの、難民の若者。

以下は、難民の若者たちが作ったいくつかの絵である。

forced to flee visual art

refugee painting

refugee escape

これを描いた難民の子供は、ビルマを離れた後でさえ、「まるで、当時のビルマ軍事政権から監視されているかのような」感覚があったという。

これを描いた難民の子供は、ビルマを離れた後でさえ、「まるで、当時のビルマ軍事政権から監視されているかのような」感覚があったという。

「この絵は、チン州から密入国してきた、紡績工場にいる少年によって描かれたものである[中略]。この絵は、その少年の夢である(そしてこの夢は叶った)。」

“「この絵は、チン州から密入国してきた、紡績工場にいる少年によって描かれたものである[中略]。この絵は、その少年の夢である(そしてこの夢は叶った)。」”

芸術療法士であるキャシー・マルキオディは、その本のプロジェクトの重要性を次のように断言している。

It honors the visual narratives of youth, tells their stories of injustice and atrocity, and offers us a window into possibilities for reparation and redemption for these young survivors. Most of all, it reminds us how children’s art provides a compelling, personal and often profound worldview their life experiences as well as another way of knowing their truths.

この本は、若者たちの物語的絵画を高く評価し、彼らの身に起きた不正行為や残虐行為を物語っています。また、こうした死を逃れた若者たちのための、償いや救済の可能性の糸口を提供してくれます。
何よりこの本によって私たちが再認識するのは、子供たちの絵が、彼らの世界観を見せてくれることです。彼らの世界観は人を引き付ける力があり、彼ら独特のもので、そして意味深いことが多く、彼らの人生経験に基づいたものです。子供たちの絵は、他の方法と同じように、彼らの真実を教えてくれるのです。

カレン族女性組織に属するNaw K'nyaw Pawによると、その本は「紛争を日常的に経験している難民の若者によって描かれているので、紛争がよくとらえられている」という。詩人のMay Ngもまた、賞賛の言葉を次のように述べている。

Never before have I seen such an intense and credible portrait of the journey of refugees from Burma. This is a magnificent work, larger than Burma’s democracy movement and the inter-ethnic conflict. Its message is universal.

私は、ビルマ難民の遍歴を描いたものの中で、これほどにまで激しく、説得力のある生き生きした描写を、今までに見たことがない。これは壮大な作品である。そして、ビルマの民主運動や民族間の紛争の枠を超えている。そのメッセージは、普遍的なものだ。

大人たちは、子供たちに物語を読んであげるのが好きだ。しかし、子供たちが語らずにはいられないことを、私たち大人が聞くべき時もある。特に、子供たちが、戦下で感じたことや経験したことを話している時は。ミャンマー難民の最年少の子たちが創作した絵画も、その子たちに話をさせる機会の一つである。

エリカ・バーグによって提供された写真や絵は、許可を得て使用しています。
校正:Yuko Aoyagi