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トヨタ役員の逮捕で浮き彫りになった麻薬に対する日本の強硬姿勢

Toyota Executive Is Arrested in Japan

トヨタ初の女性(上級)役員が、麻薬輸入容疑で逮捕された。 FNN YouTubeチャンネルのオフィシャル画面コピー.

注目を浴びているトヨタ自動車のアメリカ人常務役員が麻薬所持容疑で逮捕され、麻薬と向精神薬に対する日本の強硬姿勢が浮き彫りになった。

トヨタの常務役員ジュリー・ハンプ容疑者は、6月18日、警視庁に逮捕された。税関職員が、アメリカの親類からハンプ容疑者に送られた国際郵便小包の中に、麻薬成分を含むオキシコドンを発見したためである。

オキシコドンはモルヒネ似たオピオイド系の薬物で、 関節炎や慢性疾患の激しい痛みの緩和に使われる。 そういった麻薬を所持することは、日本では一般的に違法である。日本は、麻薬(オピオイド鎮痛剤)を含む鎮痛剤の処方に関して、 西洋諸国に遅れをとっているのだ。

オキシコドンは、アメリカでは普通に処方される薬だが、日本では限られた状況でのみ使われる薬である。

少なくとも 2つの日本政府ウェブサイトでは、 麻薬を日本に持ち込むのは違法であると明言している。

在日米国大使館のウェブサイトも同様だ。

It is illegal to bring into Japan some over-the-counter medicines commonly used in the United States, including inhalers and some allergy and sinus medications. Specifically, products that contain stimulants (medicines that contain Pseudoephedrine, such as Actifed, Sudafed, and Vicks inhalers), or Codeine are prohibited…

Heroin, cocaine, MDMA, opium, cannabis, stimulant drugs including some prescription medications such as Adderall, and including some medications available over-the-counter in the U.S. are prohibited in Japan. There are no exceptions in bringing these prohibited medications into Japan, even if the medication is legally obtained outside of Japan.

吸入薬や、アレルギーおよび鼻炎薬などのアメリカで使われる一般薬には日本に持ち込むことが違法となるものがある。特に興奮作用を持つ成分を含む薬剤(アクティフェド、スダフェド、ヴィックス吸入剤などのプソイドエフェドリンを含む薬剤)やコデインは禁止されている。

ヘロイン、コカイン、MDMA、アヘン、大麻、およびアデラールなどの処方薬を含む覚せい剤、そしてアメリカで市販されているいくつかの薬剤は、日本では禁止されている。たとえ国外で合法的に手に入れたものであっても、これらの薬物を日本へ持ち込むことは、例外なく禁止されている。

ハンプ容疑者はゼネラルモーターズの前広報担当副社長で、日本の自動車メーカー初の外国人女性上級役員である。もともと彼女は、GMにいたところを2009年にトヨタ社に雇われた。トヨタの車に突発的に急加速するという不具合が見つかった重大危機の後、北アメリカ事業での広報部門を率いるためだ。

危機に対する会社の対応が遅すぎ、結局危機管理ができていないという批判を受け、企業体質の改革を促進することを期待されたのだ。

そして彼女は、2015年3月に常務役員に昇進した。

彼女の逮捕後、トヨタ社長の豊田章男氏は「弊社の常務役員は、法を犯す意図はなかったと信じている」 と明言し、ハンプ容疑者を援護した。6月19日の記者会見で 豊田氏はさらに「ハンプ氏が東京での新しい仕事を始めてから、 彼女とともに良い仕事をしてきたと考えている。」と話している。豊田社長自身がハンプ容疑者を入社させており、テレビカメラの前で公式の謝罪会見をした。

Julie Hamp Arrested

トヨタ社長、豊田章男氏は言う。「ジュリー・ハンプ氏は法を犯す意図はなかったと言っており、私は彼女を信じている」 FNN YouTubeチャンネルのオフィシャル画面コピー

ハンプ容疑者は拘置されていたので、公式声明を出す機会がなかった。

メディアの報道では、警視庁はアメリカの家族がハンプ容疑者に送った小包の中に薬剤を見つけたとのことだ。オキシコドンは小包の底の近くに隠されており、ネックレスに見えるよう偽装してあったという。

ハンプ容疑者の逮捕は、別のアメリカ人女性、キャリー・ラッセルのケースに酷似している。彼女は 2015年3月、覚醒剤密輸の疑いで逮捕された。 覚醒剤は麻薬と同様、日本では違法薬物として禁止されている。

ラッセルのケースでも、彼女は家から送られた小包の中に他のものと混ざった状態で薬物を受け取っている。彼女はその頃、韓国から日本に移住したばかりだった。母親はアメリカのオレゴン州で薬剤師をしており、ラッセルに180錠のアデラールを送った。アデラールは、アメリカでは注意力欠損運動過剰障害(ADHD)の治療に使われており、試験準備中の大学生に広く使用されているものである。

日本の税関職員が疑ったのは、母親が娘に処方箋のない状態で、錠剤を古いタイレノールの瓶に入れて送ったからだった。ラッセルは、警察に逮捕され、アメリカ大使館の必死の努力により解放されるまで18日間勾留された。

政策と慣行

日本では、アルコールを除いて麻薬のほとんどが相変わらずタブーかつ違法であり、政府の公式立場は極端に寛容性に欠けている。日本社会で著名人や注目を集める人々が麻薬を使うと、非常に厳しい結果を招く。

人気芸能人の飛鳥涼は、昨年MDMA所持により警視庁に逮捕され、彼は長いキャリアを事実上台無しにした。 伝えられるところによると、彼は覚醒剤を手に入れるため、暴力団との関係を頼みにしていたようだ。

しかし、不名誉なポップスターの背後では、日本社会の中にも覚醒剤を使う場所ができているということだ。

シャブ」や 「覚醒剤」として知られるメタンフェタミンは、第二次世界大戦中に日本兵や工場労働者が使用していた。彼らと 同世代のアメリカ人やドイツ人が使用したものと同じである。今日では日本国内でも、寝てはいけない長距離トラックの運転手の間で広く使われていると考えられている。

日本当局は、容認の方向に動きつつあるマリファナや脱法ハーブのような、合成麻薬幻覚剤を取り締まろうとしている。

Time Out Tokyoのブログ、東京人によれば、

Dappo habu are made up of ‘herbs’ spiked with chemicals and, when smoked, they cause hallucination and intoxication. So far, they have managed to escape being classed as illegal because they get sold as ‘herbal incense’.

脱法ハーブ は化学薬品を加えたハーブからできており、吸引すると幻覚や酩酊を起こす。これまで、「ハーブの香」として売られていたため非合法扱いされるのを何とか免れていた。

この10年の間に、そのようなデザイナーズドラッグ(訳注:違法ドラッグの一種)は東京のクラブで、もてはやされるようになった。 『星条旗紙』(日本に配属されたサービス職員を含む、アメリカ全軍に仕える多くの人々によって読まれている独立出版物)は、読者に対し、準合法的な合成麻薬は危険だと警告するのに、懸命である。

ハンプ氏の健康状態を懸念

日本の観点からみれば、トヨタの役員であるハンプ容疑者は、確かに法を犯している。

別のツイッターユーザーは、そもそも何がハンプ容疑者を薬物使用に駆り立てたのかとの懸念を述べている。

しかし、変化の激しい刺激的な力を持つ株式(投資)の世界では、ハンプ容疑者の鎮痛剤スキャンダルは深刻な影響を与えないだろう。
あるツイッターユーザーが皮肉っている。