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ネパールでレッサーパンダの繁殖のために、国立公園を一時閉鎖

カテゴリー: 南アジア, ネパール, 市民メディア, 環境
 Umi, red panda of Nogeyama Zoo. Image from Flickr by Toshihiro Gamo. CC BY-NC-ND 2.0

野毛山動物園のレッサーパンダ、海(うみ) 撮影:Flickrより Toshihiro Gamo CC BY-NC-ND 2.0

ランタン国立公園 [1]は、ネパールで最初のヒマラヤにある国立公園であり、首都カトマンズにもっとも近い国立公園だ。地方当局は、レッサーパンダが交尾しやすい環境作りのために、この国立公園の入場を制限すると発表した [2]

ランタン国立公園は、レッサーパンダの繁殖のために閉鎖となりました。

この恥ずかしがりやの生き物は、ネパールではハブレと呼ばれ、静かな場所を好み物音におびえやすい。音に驚いたときは、子どもを置いて逃げ出すほどである。6月中旬にレッサーパンダの繁殖期が始まったのを受けて、公園側は、入場者や薪を集めにくる地元住民に対してさえも、2か月間立ち入り禁止とした [2]

レッサーパンダは世界でわずか10,000頭が残る [6]のみで、ネパールの8つの自然保護地域で生息するのは、およそ1,000頭である。その保護地域とは、東から順に、カンチェンジュンガ保護地域、マカルー・バルン国立公園及びバッファーゾーン、サガルマータ国立公園及びバッファーゾーン、ランタン国立公園及びバッファーゾーン、マナスル保護地域、アンナプルナ保護地域、ドルパタン狩猟指定区、西のララ国立公園及びバッファーゾーンまでである。ネパール以外でレッサーパンダが見られるのは、インド、中国、ブータン、ミャンマー、ラオスの山岳地帯だ。(訳注:バッファーゾーンとは、自然保護の核心地域をとり囲む、緩衝地域のこと。外からの影響を緩和するために設定されている)

レッサーパンダは、ファイヤフォックスとも呼ばれ、ジャイアントパンダより数十年早く発見された [7]肉食動物から草食動物へと転じた [7]レッサーパンダは、主に若い竹の新芽や葉を食べる。

覚えてね。レッサーパンダが本家本元のパンダです!

レッサーパンダは、モジラ・ファイヤフォックスのロゴ [10]をまとい、何百万人のインターネットユーザーが日々それを使っているものの、そのロゴの生き物が実はレッサーパンダだと知る人はほとんどいない。

ファイヤフォックスのロゴは、実際のところキツネではなくレッサーパンダなのだ。

レッサーパンダは国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リストに入っている。通常、レッサーパンダが密猟されることはないのだが、ジャコウジカや他の野生動物を捕まえるための罠にかかり、犠牲となることがある。牧夫や、ヤクと牛の雑種であるチャウリが、意図的ではないにしても、レッサーパンダの生息環境を侵害し破壊する [12]ことがあるのだ。生息環境を失うことは、保護活動家にとって、もうひとつの大きな懸念材料と言える。

ネパール政府は、野生生物保護の組織であるWWFと共に、ランタンにおける生き物の保護活動を、地方自治体と連携して行っている。さらに、レッサーパンダネットワークは自治体と共同で [13]、2007年よりレッサーパンダの観察と保護をすすめている。

ランタン国立公園の入場制限は8月半ばまでで、その間はレッサーパンダの繁殖に適した静かな環境となるはずだ。その後すぐ、9月19日は国際レッサーパンダの日 [14]がお祝いされ、その保護についての関心が高まるだろう。(訳注:国際レッサーパンダの日は毎年9月の第3土曜日となっている)

校正:Miyuki Wood [15]