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中国の美容整形熱をあおるソーシャルメディア

Image by TeeLamb. CC BY-NC-SA 3.0

画像:TeeLamb. CC BY-NC-SA 3.0

中国では、この20年もたたない間に美容整形の人気が急激に高まりを見せている。アジアンビューティーとはこういうものだ、という理想像を押し付ける大量の広告。そして顔を変え人生を変える「権利」を女性に与える社会を作り上げたソーシャルメディア・マーケティング戦略。それらのおかげで、医療行為であるはずの美容整形は消費者向けの商品として生まれ変わった。

中国の美容整形業界の概算によると、2014年に美容整形を考えていた人の数は1億4000万人に及ぶそうだ。1,000人のうち1人は簡単なものも含め顔に何らかの外科手術を受け、1000人のうち2人は手術を受けることを検討していた

「人生を変えるだけではなく、内なる自分まで変える」

儒学者は、心の成長は容姿よりも重要だと考えている。しかしその考え方は、見た目で運命が決まるのだという解釈にかわり若い中国人の間に行き渡ってしまった。鼻にしろまぶたにしろ顔に手を加えることにより人生もさらに素敵になる、というのがよく知られている考え方だ。

中国のソーシャルメディア上では、整形した者たちがいかに明るい未来を手に入れたかという話が、若い女性たちにより繰り返しシェアされている。

美丽的外表,带来的不仅是生活的改变,还有自我的改变,祝福亲,美丽生活,美好人生

「美しい容姿を持てば人生だけでなく、内なる自分も変わる。恵まれた容姿で素敵な人生と未来を楽しみましょう」

以前都说,心态年轻,才能让外表保持年轻,这固然没错,但年轻的心态下必然是因为每天的心情都很美好,不管是生活在什么样的环境中,让自己心情好的方法很多,其中,欣赏自己一定是一个重要的且不可或缺的要素,你说一个一照镜子就心情不好的人,怎么可能生活的乐观,还能保持心态年轻呢?所以,年轻的心态和年轻的外表是相辅相成,互相影响的。
看着自己越来越年轻、越来越漂亮,谁还会管这是人工的还是天生的,至少我现在是很快乐的

気持ちが若いと見た目も若くなるとよく言われます。確かにその通りですが、気持ちを若く保ためには気分良く過ごす必要があります。そのためにはいくつもの方法がありますが、最も必要なことは、自分自身の価値を認めるということです。鏡をのぞき込んで気を滅入らせている人が、どうやって人生や若さについて前向きになれるというのでしょうか。心を若く保つことと見た目は切り離すことが出来ないのです。

若く、もっと美しくなる自分を見てご覧なさい。それが作られたものか生まれつきのものかなんて誰も気にしません。少なくとも今の私はすごく幸せですから。

同じような主張は、美容整形の情報サイトsoyoung.comの中でも見ることができる。soyoung.comはユーザーが写真や手術の経験談などをブログに掲載できる窓口サイトで、美容整形関連会社が美容整形推進のために運営している。そのサイトは国内外の医者や病院と整形希望者を直接つなげていて、ユーザーはオンライン上で医療相談を受けたり予約を取ることができる。

オンラインとオフラインをつなぐこのサイトは、2年間で600,000人の登録者を獲得し、患者に紹介する美容整形の施設を2,000軒に増やした。少なくとも他に十数の同じようなサイトが医療サービスの宣伝をし、美容整形業界に貢献している。

ソーシャルメディアマーケティングの力

広告に登場する美しいモデルたちは、典型的なアジアンビューティーのスタイルをより強くイメージ化している。つまり白い肌、二重まぶた、高くて鼻筋の通った鼻、卵型のフェイスライン、大きな胸、細長い太ももである。見た目を修正することができる携帯のアプリはあるが、それは「憧れ」の容姿を手に入れたいという気持ちをいっそう強くするだけだ

醜いのは整形が必要なのに手術を受けない怠慢な女性くらいだ、というのが美容業界の押し進める考え方だ。整形手術はいつも成功するというわけではないのだが、そういった失敗体験をシェアできるソーシャルメディアは存在しない。

香港の「(イニシウム・メディア)」というニュースサイトの取材調査によれば、美容整形業界は強力なソーシャルメディアマーケティングの手法を使い、クレームを抑え込んだり、これから整形を考えている人たちに向け群集心理を作り出したりしているということが明らかになった。

ある有名な美容外科医は骨を削る手術で失敗し、患者に重度の障害を負わせたと、その外科医の別の患者(匿名)が調査の中で言及している。しかし、その外科医のソーシャルメディアマーケティングチームは、彼女たち顧客に対し、その事件はライバルの医師が悪意を持って流したうわさにすぎないとなんとか言いくるめた。骨を削る手術を受けると決める前、彼女はソーシャルメディアサイトQQで、問題の医者の患者グループに入っていたが、そこで手術を受けるにあたっての彼らの前向きなコメントや興奮、期待感を目にしたために、リスクが起こる可能性があることを忘れてしまった。

被害者の声は無視

美容整形に失敗した被害者のほとんどは、その悲惨な経験をシェアしたいとは望まない。なぜなら世間から同情を買うことはほとんどないからだ。下記に記すのは、韓国ソウルで起きた手術ミスの被害者が、ライフスタイルブログ「シャンハイイスト」に寄せた一連の抗議コメント の代表的なものだ

そういう安上がりなものに引っかかった人たちに同情はできないですね。美容外科医は本当の外科医の資格には及ばないけれど、それでもたくさんの勉強やトレーニングを積んでいるでしょう。もし整形手術代をケチって、怪しい医者を選んでお金を節約しようとするのなら、ちゃんとした技術を学んでいる腕の良いまじめな医者にも損害を与えていることになります。私は整形が大嫌いだけど、道理は分かります。中国には「正規のものにお金を払うなんて無駄だ」という考え方があります。たぶん他のお金持ちの国より考え方が病んでいるのでしょう。

人はその人なりの顔と特徴を持って生まれてきます。整形を受ける人たちは自分の両親の容姿を否定しているのでしょうか。事故にあった後の損傷を修復する手術と美容整形は違います。美容整形には意味が無く、体に害をもたらすだけです。

もし、被害者たちが皆の前に顔を出して話をする覚悟ができたとしても、利益第一のソーシャルメディアマーケティングビジネスのおかげで彼らの声はかき消されてしまう。そういった情報不均等は、近年の中国のインターネット政策がもたらした弊害だ。中国はオンラインビジネスの成長を推進している。しかしその一方で、一般市民に本音で意見を言う権限を与えようとしているフェミニスト、消費者、市民の権利問題に取り組むバーチャルコミュニティーの発展を抑制しているのだ。

寄稿Ayo Awokoya

校正:Maki Ikawa