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2015年9月、茨城県の鬼怒川を中心に発生した突然の大洪水

カテゴリー: 東アジア, 日本, メディア/ジャーナリズム, 人道支援, 市民メディア, 災害
japan flooding

YouTubeの公式ANNニュースチャンネルからの画像

先週(訳注:2015年9月第2週)、東京と関東地方は台風18号 [1]の影響で数日間にわたる集中豪雨に見舞われた。ベッドタウンと東京の北東にある県は予期せぬ大洪水による大打撃を受けた

この洪水で、1万2千棟以上が被害を受け、また少なくとも4名が死亡、50名が行方不明となっている。

洪水の規模の大きさは驚くべきものであり、2011年3月に東北日本を襲った巨大津波 [2]による破壊を思い出させる。

台風18号は、東京から見て北東の方面に広く被害を与えたが、その中でも最大の被害を被ったのは都心から北東60キロの地点にある茨城県常総市であった。

大雨により、鬼怒川堤防は決壊した。

洪水の規模の大きさは、ニュースからも伝わって来る。

各局は災害の様子を間断なく生中継した。 また、Twitter上では、その報道映像を使った投稿が見られた。

夫婦と彼らの犬の救助するための活動は、Twitterで最も多くシェアされたニュースの一つである。

以下は、救助活動の様子だ。

別の視聴者は、救助の様子を捉えていたテレビ局のヘリコプターが救助の邪魔になっていたかもしれないことに気付いた。

自衛隊は、洪水によって被害を受けた人々を迅速かつ効率的に助けることに尽力したとして広く称賛された。

自衛隊も、自らの救助や復興の取り組みをTwitterや他のメディアにて積極的に紹介している。

洪水に対して非常に強いことが証明された家は、ソーシャルメディア上で話題となっている。

へーベルハウス [27]は日本の組立て住宅のブランドである。組立て住宅は日本の郊外でかなり一般的だ。構成部品は工場で製造され、施工業者によって組立てられるために建設現場へ運ばれる。

オンラインニュースサイトのLivedoorは、へーベルハウスを取り巻くソーシャルメディアにおける、ヘーベルハウス現象を報道した [28]

「さすがへーベルハウス!」
「家建てる時はヘーベルハウスにしたい」

気候変動は日本の台風パターンの変化を意味する

昔から台風は、西から東へ本州を横断してきた。台風の勢力は、東京の西端に位置する山脈によって弱められることがある。

Kanto Plain

昔から台風は、西から東へ本州を横断してきた。台風の勢力は、搭乗の西端に位置する山脈によって弱められることがある。ネヴィン・トンプソンによって編集されたWikipediaからの画像 [29]

ここ数年気候変動によるジェット気流 [30]のパターン変動もまた、東京エリア内の台風上陸パターンを変化させた。

今や台風は主に、東京の南太平洋側から上陸するようになっている。山脈により勢いを弱められることもなく、台風の高温で多くの水分を含む空気は、東京ならびに関東平野を通り抜け北向きに吹く。やがて、この空気は関東平野北部にある山脈によりせき止められる。

Kanto Plain 2

気候変動とジェット気流の変化の影響で、広大な南太平洋から直接、強い集中的豪雨が東京ならびに関東平野にもたらされるようになった。ネヴィン・トンプソンによって編集されたWikipediaからの画像。

近年より大きく強力になった台風は、その結果、過去数十年よりもさらに深刻な浸水を引き起こす傾向にある。

先週の台風は多くの人にとっての惨事であったが、一部にとっては学びの機会でもあった。災害救助活動中にテレビに映ったヘリコプターの全機種がきちんと記録されているものを2chで発見した人が、Twitterでそれを紹介した。


校正:Takako Nose [33]