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ジカウイルスの脅威に備えるカリブ海地域

(原文掲載日は2016年1月20日です。また、リンク先には日本語以外のページも含まれます)

「腕にとまったネッタイシマカ」写真:AFPMB(CC BY-NC-ND 2.0のライセンスのもと使用)

「腕にとまったネッタイシマカ」写真:AFPMB(CC BY-NC-ND 2.0のライセンスのもと使用)

ブラジルでは胎児に脳障害のある症例が増加し、2015年10月から2016年1月の間で3500例以上が確認された。これには蚊媒介性ジカウイルスが関連していると同国の保健機関が認めてから、この地域ではネット上にも妊婦の健康を心配する声が増えつつある。

現在カリブ海地域の一部では、ジカ熱が公衆衛生上の脅威とみなされている。1月中旬、アメリカ疾病対策センターは、ジカウイルスの感染が確認されている中南米・カリブ海地域14カ国について、しばらく渡航を控えるよう勧告を出した

目下のところ、ジカ熱に有効な治療薬も予防ワクチンも開発されていない。妊娠中にジカウイルスの影響を受けた新生児は、かなり多数が小頭症を発症している。小頭症とは、脳が極端に小さい発達障害である。子どもの体と共に大きくなるべき脳の成長が止まってしまったことで、知能の発達が遅れたり筋肉の協調性が低下したりする。乳児の健康状態によっては死に至る場合もある。

カリブ海地域を紹介するブログサイトRepeating Islands(反復する島々)が先日掲載した内容によると、プエルトリコで初のジカウイルス感染例が確認されたという。プエルトリコのペドロ・ピエルルイシ下院議員は、「市民は蚊に刺されないよう通常の注意を怠らないこと。虫よけ剤の使用や、長ズボン・長袖シャツの着用が望ましい」と提唱した。またこの記事には、スリナムやドミニカ共和国など他地域にも影響が及びつつあると記されている。

According to a report in Loop Suriname last week, the head of the Academisch Ziekenhuis Paramaribo (AZP) lab, where the first cases were confirmed, said thousands may be infected with the mosquito borne viral illness.

先週、スリナムのニュースサイト「ループ」が報じたところによると、パラマリボ大学病院(AZP)の研究所所長は、蚊が媒介するジカウイルス感染症の罹患(りかん)者数は数千人にのぼるだろう、と述べた。同病院では、国内最初の感染者が確認されている。

ジカ熱がカリブ海地域で確認されるとすぐに、カリブ公衆衛生庁(CARPHA)行動を開始し、蚊に刺されないための対策や、家の周りで蚊の幼虫を繁殖させないようにすることを市民に呼びかけた。また、モバイルゲーム「Zap-a-‘quito(蚊をやっつけろ)」を配信する計画もあるという。このゲームでは、ネッタイシマカとその繁殖地になりうる場所について学ぶことができる。さらにCARPHAは、カリブ海地域の「健康や観光事業、社会的・経済的発展」がジカウイルスなどによって脅かされていることも指摘している

さかのぼること2015年6月、トリニダード・トバゴ保健省はジカウイルスに対して警戒するよう市民に呼びかけた。2015年11月には、ジャマイカがこのウイルスの脅威に気づいた。ジャマイカは2014年にチクングニア熱の大発生を経験しており、当局は再びウイルスに不意打ちされることに慎重であった。ジャマイカ保健省はジカウイルスに関する説明文書も公開済みだった。

ジャマイカの情報発信サイトThe Jamaican Blogsによると、1月中旬に保健省は、Zik-V(同国でのジカウイルスの呼び名)の脅威に鑑み女性は妊娠の時期を遅らせるよう、とまで踏み込んだ勧告を出した。

Following reports linking Zik-V to micro-encephalitis, an inflammation of the foetal brain that can stunt the growth of the affected foetus’ head, the Ministry of Health has advised women to delay becoming pregnant for the next six to twelve months.

The Ministry also encouraged those already pregnant, to take extra precautions to prevent being bitten by mosquitoes given the possible link between Zika Virus infection and micro-encephalitis. […]

Minister of Health, Horace Halley says although there is no absolute proof, the evidence from Brazil and the information from the Pan American Health Organization/World Health Organization (PAHO/WHO) and other technical partners is strong enough for the ministry to take this position in seeking to prevent any possible adverse outcome to pregnant women.

The virus continues to move closer to Jamaica having already been detected in Haiti.

Zik-Vと小頭症(胎児の脳が炎症を起こし頭の成長が妨げられる病気)の関連性について述べた以下の記事では、保健省が女性に対し、この先6か月から12か月の間は妊娠を見送るよう呼びかけている。

また同省は、すでに妊娠中の女性に対して、蚊に刺されないよう細心の注意を払うことを勧めた。蚊の媒介によってジカウイルスに感染し、胎児が小頭症になる可能性があるためだ。(中略)

ホレス・ダリー保健相は次のように述べた。「確証は得られていないが、ブラジルでの症例や全米保健機構(PAHO)および世界保健機関(WHO)、その他技術的協力機関からの情報は、判断を下すのに十分だ。保健省は、妊婦に悪影響を及ぼすあらゆる可能性の予防に努める、という立場をとる」

ジカウイルスはすでにハイチで確認されており、ジャマイカにも近づきつつある。

校正:Yuko Aoyagi