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政治介入か? 日本の有名ニュースキャスターが相次ぎ降板

Kuniya Hiroko, announcer

国谷裕子 NHK「クローズアップ現代」アナウンサー。 写真提供: YouTube.

日本の公共放送NHKが、評価の高い人気ジャーナリスト 国谷裕子さんを、長年に渡って担当していた時事報道番組から降板させることを決めた 。このことで、多くの人が日本テレビ界の良質なジャーナリズムが死んだと嘆いている。

国谷さんは1993年から、ゴールデンアワーの時事報道番組 「クローズアップ現代」でメインキャスターを務めてきた。国谷さん率いるこの番組は、徹底した取材と分析による調査報道で高い評価を得るに至った。他の多くの国と同様、こういった番組はテレビ界では得難い存在である。

しかしNHKは1月末に、国谷さんの同番組の契約を年度末の2016年3月末で終了させると発表した。その発表は政府によるNHKへの政治介入(訳注:4月1日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている) があったと 告発された直後であり、その介入の理由は、2015年4月に  彼女のインタビューでやらせがあった と断定されためだった。けれども彼女の降板は、安倍政権のキーマンである菅義偉内閣官房長官が、2014年7月に彼女に厳しい質問を突きつけられたことへの返礼ではないかと思われている。

また、58歳の国谷さんはテレビ界で影響力を持つ長老的存在のひとりであり、彼女の年齢や性別が契約期間を更新しない決定の一因になっているかもしれない。

契約終了で去っていくのは国谷さんひとりではない。民放の有名なアナウンサーやコメンテーターもまた、降板したり、放送現場から追放されたりしている。

岸井成格さんは毎日新聞のベテラン記者で、TBSのコメンテーターでもある。彼は昨年、論争となっていた安倍政権の安保法案を批判した。そのため、 保守派が意見広告を新聞に掲載し 、岸井さんが日本の放送法に違反している(訳注:4月1日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)として告発した。岸井さんはTBSの「ニュース23」のコメンテーターを辞任すると発表したが、これからも政府の政策にはコメントし続けると言っている。

「ニュース23」のメインキャスター膳場貴子さんも 、3月末で番組を去ることになっている。(訳注:膳場さんは同じTBSの「報道特集」のキャスターに異動)

テレビ朝日のニュースキャスターで、人気のテレビパーソナリティの古舘伊知郎さんもまた、政治介入の噂のある中、4月に降板する。古舘キャスターは、テレビ朝日の夜のニュース番組  「報道ステーション」 のメインキャスターを12年間務めてきた。

国谷さんを起用したNHKは、ここ数年間に出した決定を非難されることが何度かあった。特に 籾井勝人氏がNHK会長に就任して以来、それが顕著である。籾井氏は2013年12月に会長として選ばれたが、それは安倍晋三氏が日本の首相に選ばれてちょうど1年後であった。

民間企業からNHKにやって来た籾井会長は疑念を持たれている。右寄りの安倍政権と密接な関係を築き、NHKを公共放送事業者から国の機関へと変革するというものだ。 籾井会長は、NHK上層部に辞任を求めるだけでなく(従った者はいない)、 NHKは、韓国、台湾、中国の領土問題をめぐる 日本政府の立場を支持すべきだ と真剣に考えている。またその一方で、「慰安婦」問題については 軽視している 。これは、第二次世界大戦中に大日本帝国軍が、アジア全土で何千もの女性を性奴隷として働かせたという問題だ。

しかしながら、世界の他の公共放送と同様に、籾井会長の本当の使命は、50億ドル(訳注:平成27年度のNHK予算は6769億円)の予算で運営されているNHKを、市場志向の会社に変革することかもしれない。

国谷裕子さんについては、「クローズアップ現代」降板後の計画をまだ発表していない。NHKの発表によれば、同番組を世界の視聴者向けに刷新し、司会は7人の女性アナウンサーが持ち回りにするという。

現在、「クローズアップ現代」のYouTube公式チャンネルでは、国谷裕子キャスターの番組動画セレクションが閲覧できる。

(訳注:4月1日現在、各ニュース番組のキャスターは交代している)

校正:
Maki Ikawa