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トリニダード・トバゴ:「ダブルス」値上げで広がる動揺

"Trinidad doubles is one of the best street food you can get in the world..." Photo by Edmund Gall, used under a CC BY-SA 2.0 license.

「トリニダード・トバゴのダブルスは世界最高のストリートフードの一つだ……」
写真提供:エドムンド・ガル CC BY-SA 2.0ライセンスで掲載

トリニダード・トバゴのストリートフード好きに危機が訪れている。先週(訳注:2015年10月第2週)、同国の新しい財務大臣により2015年と2016年の予算が国会で公表され、ガソリン価格の即時引き上げが発表されると、コストの高騰がガソリン以外にも及ぶという懸念を引き起こした。予算が発表された翌日にはタクシーの運賃が値上がりした。 この値上げの理由は納得がいく。

だが、ダブルス販売店がダブルス(トリニダード・トバゴで最も人気の朝食。「バッラ」と呼ばれる平たいパンに「チャンナ」というひよこ豆を挟んだもの)を、今後5TTドル(約84円※2016年5月7日現在)で販売すると発表すると、大変な騒動が起こった。原材料のコストは変わっていないにもかかわらず、1ドルの値上げとなる。

オンラインとソーシャルメディア上では、すぐに凄まじい反応が起こった。
この問題を全面的に取り上げたのが風刺サイトのWired868だ。

It. Just. Got. Real.
The 48-year-old Mahase Kanhai, who, curiously, claims to have been a doubles vendor for the past 35 years, will be remembered for throwing the first blow.

“It was $4 but we had no choice but to increase the price (to $5),” Kanhai told the Trinidad Guardian. “We added the cost of everything and with the passing of the budget… Gas gone up so everything will also go up soon.”

It was the combination of simplistic economics and ruthless capitalism that has characterised local ‘businessmen’ for time immemorial.
[…]
Of course, even at $5, doubles remains the cheapest way to simultaneously satisfy your appetite and clog your arteries in this country. But it is the principle of the thing.

まさに現実になった。
興味深いことに、マヒース・カンハイ(48歳)は、過去35年間にわたりダブルスの販売をやってきたという。最初に値上げをした人物として、忘れられることはないだろう。

「今までは4ドルで売ってきたけど、 (5ドルにまで) 値上げする以外に選択肢は無かった」
カンハイはトリニダード・ガーディアン紙にこう語る。「コストを全部加算して……それに予算が通ってガソリンの価格が上がったから、あらゆるモノの値段がすぐに上がる」

トリニダード・トバコの「ビジネスマン」の特徴と言えば、ずっと昔から、単純すぎる経済と非情な資本主義の2つだった。

[中略]

もちろん5ドルに値上がりしたとはいえ、ダブルスは食欲を満たしてくれると同時に動脈をも詰まらせてくれる、この国で最も安価な方法であることは変わらない。

「ご都合主義への気付き」

今回の値上げが「モノの道理」にあっていないこと。これが人々の怒りを買っている理由のようだ。Facebookのユーザー、フランカ・フィリップはこう説明する(訳注:2016年6月4日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)。

I think people are missing the point of the doubles outrage. It's the perception of opportunism that people are more upset about than the actual price rise. Believe me, if flour and oil had gone up everybody would have been in solidarity with the doubles vendors.

どうしてダブルスの件がこんなに憤慨ものなのか、人々は問題の核心を見失っていると思う。人々が怒っているのは、実際の値上げに対してというより、その裏にあるご都合主義に気付いたからだ。
小麦粉や油の値段が上がっていたとしたら、ダブルス販売店に対しては、人々は連帯感のような意識を感じていただろう。

カンハイがトリニダード・ガーディアン紙に語ったところでは、値上げ以降も顧客の数は減っていないという。ローダ・バラスは同紙のレポートを引用しながら語った

Doubles vendors, like many businesses here, need to be taxed.
Doubles vendors also need to be boycotted for this random price increase.
That price increase is some bullshit. After years of cheap flour and oil and no price decreases they come with this?

ダブルス販売店は、多くのビジネスと同様に課税される必要があるし、気まぐれな値上げをしたことによりボイコットをされる必要もある。
今回の値上げはふざけている。小麦粉と油の低価格が何年も続いた後でも値下げはなかったのに、値上げをするって?

Wired868はこの機会に乗じて、この「モノの道理」議論の偽善を指摘した。

There was no principled stance against Movie Towne, although they tore down the mangrove to erect it. None against TV6 for its shameful broadcast of ex-National Security Minister Martin Joseph’s lifeless body.

And no boycotts of Centre of Excellence although—despite building the venue with FIFA, CONCACAF and TTFA money—the facility manager refused to let one of the most gifted Trinidad and Tobago National Under-17 football teams in recent memory train there, two years ago.

Movie Towne(訳注:トリニダード・トバゴの映画館)はマングローブを切り開いて建てられたにもかかわらず、「モノの道理」を考えれば当然出てくるべき反対の姿勢も見られなかった。TV6による、元国家安全保障大臣のマーチン・ジョセフの遺体に関する恥ずべき報道についても、抗議の声は上がらなかった。

そして、センター・オブ・エクセレンスについてもボイコットなどは起こっていない。これはFIFA、CONCACAF(訳注:北中米カリブ海サッカー連盟)、そしてTTFA(訳注:トリニダード・トバゴサッカー協会)の資金で建てられた施設であるが、センター・オブ・エクセレンスの管理者は2年前、記憶に残る中では近年、最も才能に恵まれている17歳以下のトリニダード・トバゴ・サッカー代表チームがその施設でトレーニングすることを拒否している。

ダブルス販売店すべてが価格を引き上げたわけではない

一方で別の風刺的WEBサイトのThe Late O’Clock Newsも口を挟む(訳注:2016年6月4日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)。

‘We’ve been trying to keep the prices down for a long time,’ said Krishna Harrypaul, a popular doubles vendor who operates along the East-West corridor. ‘We started to brush our barra with gold dust in order to get that golden look that consumers know and love, but now with the increase in super and diesel, our costs have gone up too […]’

When asked if it would just be simpler not to infuse their barra with gold in order to keep the price, Mr. Harrypaul said ‘That’s a brilliant idea, but then we will have to use extra diamonds in the special sauce to compensate for taste.’

「私たちは長年にわたり、価格を維持しようと努力してきた」こう語るのは、東西回廊地帯で営業している人気のダブルス販売店のクリシュナ・ハリーポールだ。「自分の店のバッラの表面に金粉を塗って、見た目を金色にして、消費者の目にとまり気に入ってもらえるようにした。
だが、ガソリンとディーゼル燃料の値上げにより、コストが上がってしまった。[中略]

価格を維持するためには、バッラを金色に塗らなければ簡単なのではないかという質問に対し、ハリーポールは答える。
「それは素晴らしいアイデアだが、そうしたら次は味をカバーするために、特製ソースの中に追加でダイヤモンドを使わなくてはならなくなるだろう」

しかし、LoopTTは楽観的だ。国中にある他のダブルス販売店の、「値上げの心配はない」というメッセージを投稿している。

Hassanali's (Montrose, Chaguanas)
‘Increasing the cost of doubles will do nothing for our business but drive away customers. We are not raising the cost.’

Jack and Marlene's Doubles (Aranguez Main Road)
‘We have NOT raise the price of our doubles just yet. Doubles is still $4 and triples $5.
However, in the future if cost of production(raw materials) increase, we will have to increase. In that case you all will be notified.’

ハッサナリズ(チャグアナス行政区モントローズ)
「コストの高騰は客離れ以外、ビジネスには何ももたらさないだろう。値段を上げるつもりはない」

ジャック・アンド・マーリーンズ ダブルス(アランゲス・メインロード)
「今までのところは、ダブルスの値上げはしていない。ダブルスは4ドルのまま、トリプルズも5ドルだ。
しかし、将来的に生産(原材料)コストが上昇すれば、値上げせざるをえなくなるだろう。その場合は通知する予定だ」

(訳注:2016/2/11にFacebookで値上げが通知された )

校正:Takako Nose