ネチズンレポート:フェイスブック社副社長、ブラジルで「ワッツアップ」のデータ開示拒否で逮捕

Flickrユーザーのヤン・ペルシールによる2013年9月22日アップロードの画像。CC BY-SA 2.0

グローバルボイス・アドボカシーのネチズンレポートより、世界のインターネット上の権利に関する課題や改善点、最新の傾向についてお伝えします。(原文掲載日は2016年3月3日)

フェイスブック社ラテンアメリカ副社長のディエゴ・ゾダン氏が、麻薬売買捜査に関連した「ワッツアップ」のデータ開示を拒否したとして、ブラジル警察当局に逮捕された。フェイスブック社とブラジル当局の論争が激化した結果、逮捕へと至ったのだった。ワッツアップには、昨年12月ブラジルで、同様に刑事訴訟に関連するするデータ開示を拒否したとして48時間の停止命令が出されていた。3月2日、拘束という強硬手段は「拙速だ」とするブラジル高裁の判決によりゾダン氏は釈放された

一方、ボリビア大統領のエボ・モラレス氏は、「ソーシャルネットワーク上に誤った情報が広がれば、それが原因で政府が転覆する」としてソーシャルネットワークの規制を求めていた。また彼は、大統領選挙への再選出馬を可能にする改憲の是非を問うた先日の国民投票でも、ソーシャルディア上の論争が有権者の判断に影響を与えたと主張している。モラレス氏いわく、ソーシャルネットワークにより「新しい世代の価値観は損なわれている。」

中国サイバースペース管理局は、不動産王の 任志強氏が「違法なメッセージでネガティブな影響を及ぼしている」として、任氏のアカウントを閉じるよう、新浪とテンセント(訳注:中国のソーシャルメディア)に求めた。中国の習近平国家主席は、国営メディアは共産党に奉仕すべきだとする姿勢をとっており、 任氏はその姿勢に疑問を投げかけた。それが理由で任氏は罰せられた、と多くの人が思っている。
この動きに続き、580以上のソーシャルメディアアカウントが中国サイバースペース管理局により閉鎖され、その中に「世論を誤った方向に導いた」「規制を破った」として何名かの有名ブロガーが含まれていた。

フェイスブック:移民に対するヘイトスピーチは許されない

フェイスブック社CEOのマーク・ザッカーバーク氏は、ベルリンで開かれたタウンホールミーティングで、移民に対するヘイトスピーチの取り締まりを強化する必要があると学生たちに説明した。ドイツ法務局は同社を、性的な画像については効果的に取り締まることができたのに、人種差別や移民政策反対について同じように取り締まることができなかったと非難している。ザッカーバーク氏いわく「フェイスブックはこのような内容を掲載する場ではない。ドイツの法律や文化が、ヘイトスピーチに対するフェイスブックのアプローチの変化を促したのだ」

手抜き設計か意図的な監視か?

シチズン・ラボの研究員は、中国のインター ネット企業バイドゥ(百度)社のプログラムで動く何千種ものアプリが、ユーザーの個人情報を収集し同社に移し替えており、その多くの通信手段でセキュリティが弱いことを証明した。シチズン・ラボ責任者のロン・ダイバート氏は、それを称して「手抜き設計または意図的な監視」と呼んでいる。

香港政府トップのフェイスブックに溢れる「ひどいね」

香港の人々は、フェイスブック社の新しい「リアクション」機能を素早く取り入れた。香港政府トップ梁振英氏のフェイスブック上に「ひどいね」の絵文字を溢れさせたのだ。実際、掲載して数時間内に5万4000以上の「ひどいね」が同氏のフェイスブック上に溢れた。これは「いいね」という表現だけでは限界があることを証明している。これまで梁振英氏のフェイスブックは「いいね」や好意的なコメントばかりだったが、香港フリープレスいわく、ページの所有者によって変更できない顔文字アイコンの採用により、梁氏の評判のマイナス面が露呈されたのだった。

この報告書は、マリアン・ディアス、ウェイピン・リー、ヘイン・イム、サラ・マイヤーズ・ウエストの共同執筆である。

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校正:Yuko Aoyagi

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