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ミャンマーの主張:「世界にはロヒンギャという単語を使わないで欲しい」

[リンク先は英語のページです。]
[ミャンマー (ビルマ) の地名の呼び方は元記事の使い分けに従っています。]

ロヒンギャ難民を乗せたトラック。スティーブ・ガマー撮影。フリッカーより CC License

ロヒンギャ難民を乗せたトラック
スティーブ・ガマー撮影。フリッカーより CC License

ミャンマー国外の人権団体から見れば、ロヒンギャは世界で最も迫害された民族だろう。しかしミャンマー当局や排他的な仏教徒グループから見れば、これらの人たちはラカイン州西部に住む不法移民であり、その様に扱われているだけなのだ。

ミャンマー国内にはロヒンギャという表現を不快に思う人がおおぜい居るので、ミャンマー外務省はこの言葉の使用を控えるよう各国に求めていた。

このような中、ロヒンギャ避難民が乗った船の事故について、先月(訳注:2016 年4月)在ミャンマーアメリカ大使館は声明を発表し、事故で命を落とした避難民の家族に哀悼の意を表した。

…we extend our condolences to the families of the victims, who local reports state were from the Rohingya community. Restrictions on access to markets, livelihoods, and other basic services in Rakhine State can lead to communities unnecessarily risking their lives in an attempt to improve their quality of life.

…(中略)我々は被害者のご家族に哀悼の意を表します。地元紙によると事故被害者はロヒンギャとのことですが、ラカイン州では買い物や生きていく上で必要な生活の基盤となるサービスをなかなか受けられない状況に置かれた人々がおり、命を危険にさらしても生活の質を向上させようとする中で事故が起こっています。

この声明に反発した排他的な仏教徒グループがアメリカ大使館前で抗議を行う事態となった。彼らは「ロヒンギャという言葉を使う人間は我々の敵だ!」、「内政に干渉するな!」といったメッセージを掲げて抗議を行った。

彼らはロヒンギャはバングラデシュからの不法移民だから、ベンガル人と呼ぶべきと主張している。

マンダレーでロヒンギャという言葉に対し抗議するミャンマーの国家主義者たち

ロヒンギャの声明に対しアメリカを非難する国家主義者たち

大半のロヒンギャは、数百年にわたりミャンマーとバングラデシュの国境近くに居住するイスラム教徒だが、ミャンマー政府はロヒンギャを自国の少数民族の一つと認定することを拒否している。

2012年以降、強硬派仏教徒とイスラム教徒のグループの衝突が何度も発生し、ロヒンギャは元から住む場所を追われてきた。一部はミャンマーに隣接する東南アジアの国々にボート難民として逃れたが、多くは仮設の避難所に留まったままだ。

ミャンマー初のカトリック枢機卿チャールズ・マウンボー氏はイギリス議会での演説でロヒンギャについて「世界中で最も除外され、人間性を奪われ、迫害されている人々だ」と形容した。

「ワールド・ウォッチ・モニター」(訳注: 迫害監視団体)のウェブサイトに掲載されたマウンボー氏の演説。

They are treated worse than animals. Stripped of their citizenship, rejected by neighbouring countries, they are rendered stateless. No human being deserves to be treated this way.

ロヒンギャは動物以下の扱いを受けている。市民権は奪われ、近隣国からは拒否され、無国籍の状態にある。どのような人間も、このような扱いを受けるいわれはない。

新しく在ミャンマーアメリカ大使として着任したスコット・マルシエル氏は、ロヒンギャという言葉に対するミャンマー政府の立場に理解を示す一方で、そこに住む人たちは自分たちの望む名前で呼ばれる権利があると釘を刺した

米大使は発言の中で「ロヒンギャ」という言葉を一言も使っていないに拘らず、ミャンマーでは発言に触発された怒りの投稿がインターネット上で相次いだ。

独立系ニュースサイト、イラワジはこの議題に対して論説を発表した。

社説で「どのような言葉を使うかで争うのはやめて、仏教徒とイスラム教徒が対話をするべきだ」と呼びかけたのだ。

…rather than arguing over terminology, it is crucial to initiate a dialogue between the Buddhist majority and Muslim minority in Arakan State and negotiate a lasting solution, which would alleviate the everyday suffering of all communities in the impoverished state

(中略)どの言葉を使うかで言い争いをしている時ではない。今大切なのはアラカン州に住む多数派仏教徒と少数派イスラム教徒の対話を強く進めることだ。そして貧困にあえぐ州内の全ての民族の日々続く苦しみが和らぐような、持続的な解決策について協議を進めることだ。