インド:教師不足でも望みはある、人権活動家が示す

インド、チェンナイでの初等教育(画像引用元:Flickr, 画像提供元:GlobalPartnership for Education, CC BY-NC-ND 2.0)

小学校教師及び学習施設不足はインド全土において問題となっている。2015年の記事によると120万人の教師が不足しており、約50万人分のポストが空いているという。最近、西ベンガルの小学校での教師不足を描いたビデオを市民が投稿した。これがきっかけとなり、当局が十分な教師を確保するために動き始めた。

2009年に可決された無償義務教育に関する子どもの権利法(以下教育を受ける権利法)は6歳から14歳までの児童への無償の義務教育について主な実施方式を定めている。この中で、教師一人当たりの生徒数は30とされている。国営小学校のうち37%が資金不足により教師が確保できない状態であり、そのせいで児童が学校に通わないようになっていると、Oxfamは最近の記事で伝えている。現役教師の60万人以上は十分なトレーニングを受けておらず、約76万校ある小学校のうち6,404校は教師が一人もいないということも、Oxfamは明らかにしている。

国際メディア・人権団体であるビデオ・ボランティアのコミュニティメンバーのソリヤ・バヌは、西ベンガルのある学校では、臨時講師と校長を含む3人の教師が、一人あたり6歳から12歳まで様々な年齢の200人の生徒を指導しなければならない状況であることを明らかにした。2009年の教育を受ける権利法に従うと、この学校には最低でもさらに5人教師が必要である。ソリヤは次のように記している。

こう無関心なのは、不可触民やイスラム教徒しか生徒がいないからでしょうか?そうではないと思いたいところです。しかしながら、「校長から今以上に教師が必要と言われれば、他の学校から教師を手配します。」という学校監査官補佐の返答には誠意がないように聞こえます。もうすでに校長は数度にわたりそのような要望を出しています。同じ地域の他の学校は教師が十分に配置されているということなのでしょうか?

以下はビデオ・ボランティアが撮影した短い動画である。

ソリヤは地元の関係当局者に会いに行き、上記の映像を見せた。彼女の行動はカリアチャックの学校監査官補佐であるマナス・チャウペイの耳にまで届いた。訴えに対する返答として、チャウペイは地域の地区小学校委員会の委員長に要請を出し、アター・ダリアプールに教師を送って欠員を埋めるよう関係当局に働きかけた。

ソリヤの行動から6ヶ月経たない内に、常勤教師1人と校長が割り当てられ、計4人の教員陣となった。

アカシ・トリパチはインドにおける教師不足の原因についてこのように記している

国営の学校は常任の教職の空きを埋めることに予算削減のため反対しており、非常勤の教員を「その場しのぎに」手配している。[中略] 非常勤の職員が生徒に必要なことを理解する頃には、教員を辞めるか他の学校に移らなければなりません。このような状況では、教師は長く勤めることのできる職を探すこととなり、見つけられないとなると全く違う道に進んでしまいます。

州政府関係者に会ったり、教育に関して譲歩を勝ち取ったりする可能性があると知り、インド全国で多くの人々が勇気づけられたようだ。

校正:Izumi Mihashi

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