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世界に配信:ヨルバ語でわらべ歌を楽しめるアニメーション動画

カテゴリー: ナイジェリア, ベニン, 市民メディア, 教育, 若者, 言語, ライジング・ヴォイセズ

カルチャー・ツリー TV [1]は、YouTubeの新チャンネルで、よく知られた英語のわらべ歌や伝統的なナイジェリアの歌を、ヨルバ語によるアニメーション動画にしている。小さな子どもたちのため、とりわけ移住先に住む子どもたちが、母国語を学ぶのに役立っている。

プロジェクトの背景にあるこのアイデアは、ロンドンに住むナイジェリア出身で一人の母親でもあるベミソラ・イシミが、iPadで子ども向けの動画を楽しむ3歳になる娘を見ていて思ったことに由来する。自身の母国語であるヨルバ語の動画を娘に見せたくて探したのだが、検索に上がるものはなかった。

そこで彼女は、自分で作ることはできないかと考えた。紹介映像 [2]で語っているように、イシミは「自分たちの伝統を絶やさず、文化を維持し、生きた言葉を保つ」ことが必要だと感じ、テクノロジーやインターネットの広がりを利用しようと決めたのだった。

culturetreeアニメーションの技術を持つ友人たちに力を借りて、彼女は新しい動画を制作、録音して、新たなチャンネルにアップロードを始めた。

ヨルバ語 [3]は、文化的、言語的に多様なナイジェリアで話されるおよそ520ある言語のひとつである。主にナイジェリアと隣国のベニンで話されており、世界中で推定2000万人が話している。その数字にはナイジェリア国外に住む数百万の人々を含む。中でも、ロンドンにあるナイジェリア系の移民コニュニティーは人口が多く、南東部のペッカム地区 [4]は、親しみを込めて「リトル・ラゴス [5]」と呼ばれるほどだ。(訳注:ラゴスはナイジェリアの首都)

ヨルバ語を使った子ども向けの動画を制作することで、言語がより視覚的になるため、小さな子どもたちも楽しむことができる。カルチャー・ツリーのYouTubeチャンネルは、世界中のわらべ歌をとり上げ、ヨルバ語に翻訳し、2か国語の字幕をつけている。巻頭の動画Old MacDonald (ゆかいな牧場)は “Baba MacDonald” というように。また、Incy Wincy Spider (ちっちゃなクモさん)はヨルバ語では “Rondo Rondo Alantakun”である。

ヨルバ語によるBingo the Dog(ビンゴの歌)はこちらから。

イシミによると、YouTubeの分析では、このチャンネルは英国、米国、ナイジェリアからの訪問者が多いとのことだ。新しいプロジェクトのおかげで、親たちや教育関係者がYouTubeでヨルバ語の教育動画を検索した際に、何も出てこないということはなくなるだろう。

校正:Nao Iwashita [6]