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保護者団体、難民児童の入学にノーをつきつけるーギリシャ

University of Macedonia. Photo by Nikos Pappas, Yannis Voutsalas.

ギリシャ北部、テッサロニキにあるマケドニア大学 写真:Flickrより、ニコス・パパス、ヤニス・ボウトサラス撮影。CC 2.0

ギリシャでは9月には学校が再開するため、たいていは落ち着いた時期を迎える。ところが、今秋はある保護者団体が前例のない手段に出たため、注目を集めている。

政府は難民や移民の児童、15000名以上を公教育制度の対象に迎えると決定した。それを受け、テッサロニキにあるオレオカストロ第5小学校の「父母と保護者の会」の大人たちは、子どもを登校させないと宣言した。さらに、難民児童がこの国の教室に足を踏み入れることになれば、学校を占拠し、政府の計画に抗議すると脅しをかけた。

そのグループは人種的優越観を持っているという批判もある。

1922年頃、オレオカストロの地はポントスの難民に対して差し出された。私たちの祖父母たちも難民だったのに、私たちは人種差別をしている……

保護者団体が最も懸念していることは、健康リスクである。ワクチンを接種していない難民児童がギリシャ国内の学校に病原菌を持ち込むであろうと警告を発している。オレオカストロの市長、アステリオス・ガボシス博士も、自身の医師としての名誉を賭けた上で、難民児童について、「肝炎やマラリアのような伝染病をもたらす」と主張し、同団体の立場を支持している。

深刻なコミュニケーションの障害が起こるだろう、とも親たちは警告している。それは、言語的、社会的、文化的な違いを超えて互いを理解することはできない、と想定されているためである。こういった児童が一つ屋根の下で、その地域の子どもと共存するというのはまったくもって不可能である、と同組織は主張する。

インターネットユーザーたちはオンラインで激しくその問題を議論しており、そこでの意見は当然多種多様なものになっている。保護者組織側の支持者からは、「独自の解釈による市民権付与」、「難民のギリシャ定住阻止」、「『退廃』」の危険性」といった意見が挙がった。

このギリシャで聖戦主義者の子どもを学校に受け入れたい者がいるのなら、その者が自分でその子どもに教育を施してやればよい。

egrammesは、無償教育をギリシャ市民だけの権利であると明らかにしている。

ギリシャの市民権を持つ者に限り、無償で教育を受ける権利を有する。(憲法16条4項)

FainaretiRomはオレオカストロでの保護者組織の決断や活動を、次のように強く支持している。

オレオカストロのような町が10以上あれば、我が国はこのように退廃することはないだろうに。

難民の子どもたちを国内の学校から締め出すべき、という意見がある一方で、それに対し強く非難する声もある。その考え方には民族的優位観が内在しているということである。また、難民に対し門戸を開こうとしない人たちのほとんどが、移民や難民の子孫であるという指摘もある。

地元のウェブサイトがこのように示している。

[略]この地域はパリオカストロ(旧ダウティス・バリ)と、アスプロブリサイ(旧アク・ボルナー)の境界線の間にあり、現在の行政区画では、北部居留地のはずれに位置している。ポントスの難民はここに定住することになった。これらの難民はアルジールポリス地区の村落である、モウザイナ・ツィメラ、ザッツ、アギオス・フォカス、クロームニ、サミュネナ、シスタン、ローリアやマツオカスから移動して来た。入植地の建設については、ポントスのスターブリンやコーカサス山脈からの他の難民も加わりつつ、1922年に始まり、1930年に終わった。総計183の家族がその地域の最初の住民となった。彼らはつらい思いや忘れられない郷愁をひた隠しながらも、生き抜くために、新たな定住地に溶け込むよう努力した。難民たちは出身地域の共通のアイデンティティである慣習や象徴も持ち込んだ。彼らはクリオネーリに定住し、この地をオレオカストロと名付けた。この地名はザッツ村とアギオス・フォカス(訳注:黒海沿岸の地名で、現在はトルコ共和国領)の間にある美しい城の名に由来する。[略]

Twitterユーザーのnikrtrahはオレオカストロの市民もかつては難民であったことを以下のように指摘している。

オレオカストロの民よ、こういった過激な排他主義者たちと袂を分かとう。君たちもかつて戦争難民だったのだ。

同時にChrisSs_T_ やepan_e_kinisiの2人のユーザーもこの問題をきつく非難している。

難民を迫害しているギリシャ人がいる。その人たちもまた、小アジアの難民たちの孫なのである。そんな国に私たちは住んでいるのか。

オレオカストロのにわか成金の親たちの会はいわば『ファシストの会』である。かつてギリシャ人の難民たちが住んだその土地で、今は我々の民主社会を脅かしている。恥ずべきことだ。

ギリシャ人の親たちはワクチン接種の必要性、そして効果について非常に懐疑的であるという研究成果がある。それにも関わらず、学校で難民がもたらしうる健康リスクに対して過激に反応するというのは、皮肉なものであると述べる人もいる。

ギリシャ人の25パーセントは子どもにワクチン接種をさせていない。それにも関わらず、難民児童から感染してしまうことには心配している。

ワクチン接種に関する問題について、切望されていた情報が保健省の正式発表によっていくつか明らかになった。難民児童は「概して健康であり、伝染病にも冒されていない」ということ、現在、難民シェルター内の児童にワクチン接種の処置を施しているところであるということである。担当者は(訳注:オレオカストロの)父母と保護者の会が表明したような「根拠のない不安」を抱かないよう、注意喚起を行っている。

最近の発表によれば、地方の検察官はさらに切り込み、オレオカストロ市長や保護者組織に対し予備捜査を始めた。人種差別禁止法に対する違反があったかを確認しているとのことだ。

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パノス・ザハリアス作。様々なソーシャルメディアに出回っている漫画。

心配いらないよ。君は母国のミサイルから逃げてきたんだ。こんなものが怖いって本当かよ?

さあ行こう!

校正:Ayaka Jono