マケドニアのテトヴォで行われた不法投棄場でのコンサート。写真：ウンガードゥジン・メーメティ（EcoGuerilla.mk [1]より使用許可済み）
フォーマルコンサートの衣装に身を包み、ごみの腐敗臭を防ぐためにマスクを着けたマケドニア出身の2人の音楽家。大気汚染に対する抗議活動として、バッハの有名な管弦楽曲「G線上のアリア」 [2]を奏でた。
彼らは、マケドニア北西部で最大の都市テトヴォの入り口にある巨大な不法投棄場にいた。テトヴォはヨーロッパで最も汚染が深刻な地域の一つであり、世界一汚染された都市 [3]とも言われている。
抗議活動は市民団体「エコ・ゲリラ」 [1]によって編成され、ソーシャルメディアを活用して抗議コンサートを実行した動画を使った。この動画はネット上でさまざまな媒体を通して広がり、テトヴォの汚染問題に注目が集まった。
問題に対して政府が何の対策もしないために、テトヴォ市内 [4]やマケドニアの首都スコピエ [5]で、多くの抗議活動が勃発した。
テトヴォの汚染問題 [6]の要因には次のようなことも含む。都市に隣接するユーゴフロム製鉄所が、汚染防止フィルターを十分に設置していないこと。欧州連合 (EU) から輸入する中古車や、暖房用木材の消費量の増加。そして、ごみ処理場の不足により不法投棄をせざるを得ない環境などだ。今回のクラシックコンサートは、関係当局が何年間も無視してきたテトヴォで最大の不法投棄場で行われた。都市の入り口に位置し、動画の後ろに映っているが近くには穀物サイロがある。
グローバル・ボイスに寄せられた声明で、エコ・ゲリラ代表のアリアニト・ジャフェリは次のように述べている。
Депонијата на влезот на градот постои едно подолго време. Актуелната градоначалничка, г-а Теута Арифи кога се кандидираше ни вети дека депонијата ке биде дислоцирана од градот и дека овој проблем ке биде решен на брз и ефикасен начин. До ден денеска депонијата е тука, како знак за ДОБРЕДОЈДЕ ВО ТЕТОВО – и ни служи како центар на срамот.
Тетово веќе подолго време се наоѓа на врвот на најзагадени градови во светот, и освен Југохром како најголем загадувач во регионот, депонијата исто така е загадувач на градот, од каде се шират различни болести и зарази.
都市の入り口にあるこのごみ集積場は、とても長い間ここに存在します。現市長のテウタ・アリフィは、2013年の選挙運動期間中には、この不法投棄場をなくすと約束しました。迅速かつ効率的にこの問題を解決する、と。しかし、今ここに、まだ不法投棄場が存在します。この場所は「テトヴォへようこそ！」の看板の役割を果たすと同時に、我が国の恥さらしの中心にもなっています。
長期間にわたって、テトヴォは世界で最も汚染された都市に挙げられてきました。最大の汚染要因と言われるユーゴフロム製鉄所はもとより、ゴミがさらに街を汚染します。病気や感染症の拡大にもつながります。
毎年10月、テトヴォの自治体の資金提供により 「ナイムの日」 [7]という国際詩祭が開催される。これは、アルバニア人の詩人ナイム・フラシェリ [8]にちなんで名づけられた詩祭だ。主催者は、幕あいの演出として抗議活動のクラシックコンサートの動画を公開した。「多くの芸術家や芸術愛好家がテトヴォを訪れるだろうから」という思いで上映された。