ISIL宣伝機関に立ち向かうネット市民の抵抗

http://nicholsoncartoons.com.au/is-isil-iraq-sunni-extremist-caliphate-social-media-public-relations-atrocities-media-cartoon-2014-09-15.html

オーストラリアン新聞からニコルソンの風刺画(www.nicholsoncartoons.com.au)

ソーシャルメディアからISILを締め出して切り捨てる技術的な取り組みにも関わらず、ISILにはオンラインで目を見張るほどの相当な勢いがある。

布教と新メンバー勧誘を図って宣伝しているISILの正確な影響を計るのは難しい。それでも、あるデータはISILの宣伝活動が及ぼしている影響を伝えている。キングス・カレッジ・ロンドン大学過激化・政治暴力研究国際センター(ICSR)が行った2015年の調査では、「シリア・イラク紛争でイスラム教スンニ派系過激派組織に加わった外国人数は増え続けている」とのことだ。ICSRの最新の概算では、「現在、合計2万を越え、そのおよそ5分の1は西ヨーロッパ諸国の国民か住人」である。

さらに、ソーシャルメディアプラットフォームも、ISILが主張を広め新メンバーを勧誘する主な手段として、メディアの注目を浴びている。ロイターへの寄稿で、安全情報専門家であるリタ・カッツは、ISILのソーシャルメディア活用を、これまでにない過激派組織活動の手法と評する。

Until the rise of Islamic State, extremist activity and exchanges online usually took place inside restricted, password-protected jihadist forums. But Islamic State brought online jihadism out of the shadows and into the mainstream, using social media — especially Twitter – to issue rapid updates on its successes to a theoretically unlimited audience.

ISILの台頭までは、オンラインにおける過激派の活動ややりとりは主に仲間内に限定され、パスワード制限もかかった、ある種の聖地でした。ところが、ISILは日の当たらなかったオンラインの聖戦主義を主流に変えました。また、特にTwitterを使い、理論上は不特定多数の読者にむけて、自分たちの成果を素早く更新することでソーシャルメディアで名を上げています。

FacebookならびにTwitterは、ISILが自身の画像や憎悪に満ちた発言を大衆に向けて発信することを防ごうとしている。ところが、2社のその努力と表現の自由に対する義務のバランスをとることが非常に難しい。ジュリア・グリーンバーグがワイアードに記した。

…the challenge for sites like Facebook and Twitter goes beyond tracking down content that promotes terrorism. It also requires defining “promoting terrorism.” In a sense, the two platforms are global communities, each engaged in a constant process of determining community norms as the use of the platforms evolves.

…FacebookとTwitterのようなウェブサイトへの試みは、テロリズムを宣伝する内容を突き止める以上の取り組みです。「テロリズムの宣伝」を定義することも必要不可欠です。ある意味、2つのプラットフォームは、その利用が発展するにつれて絶えず基準が形づくられていく国際的な共同体とも言えます。

他面、大企業と政府の取り組みと比べるとほとんど注目を浴びていないが、多くの独立機関と人々がISILのオンライン活動に対する戦いに尽力している。

Twitterアカウントの@reportterroristは、落とさないといけないISISのアカウントが5万あると断言する。

Twitterのソーシャルメディアユーザはテロリズムに対して力を発揮できるんだ!

アノニマスは、追跡して組織のウェブサイトを特定する「対ISIL戦争」に参加したい人々への指南シリーズを公開した。アノニマスはTwitterアカウント@TeamDestroyISISでISILアカウントにハッシュタグを加えてリツイートし、挑発し、追い詰めることに力を注いでいる。

すごい加工だぞ。いい点突いてるだろ!?

アラブのネット市民には、オンライン上のISILに対抗する国際連合に加わっている者もいる。貢献の一つは、2万700フォロワーがいるTwitterアカウント@KSAssaまたは、ハッカー集団のサウジアラビア電子軍である。アラビア語ハッシュタグ(ISIL スパムアカウント対応運動)の下で、ISILと国の統治を脅かす「すべての敵」に関連するアカウントの停止と「壊滅」を牽引している。

Your cooperation and activity is essential to delete the accounts of criminals and vandals, the enemies of religion and our homeland.

信仰と母国の敵、犯罪者と無法者のアカウント削除には、あなたたちの協力と働きが欠かせません。

さらに@BlockDaeshという、ISILのTwitterスパムアカウント停止を狙うアカウントもある。これは@Mujtahid_i(3万400フォロワー)から派生したものだ。

@BlockDaeshが579のダーイッシュアカウントを閉鎖(アラブ活動家がダーイッシュアカウントを閉鎖する運動に着手)。

元来、Twitterアカウント@faaars444(2万5千フォロワー)は、サウジアラビアの若者たちが集団に参加することを狙う、ISIL寄りのアカウントを追放するために作られた。しかし、最近はその目標を変えた。サウジアラビアによるシーア派最高指導者ニムル・アル・ニムル師の死刑執行を経て、サウジアラビアとイランの政治的な断絶後、このアカウントはペルシア(今のイラン)で最も多い支配者層「Safadis」、つまりシーア派との戦いへと目標を挿げ替えた。

[…]特に最近、対ISILからSafadisとの闘いへ活動を変えることにした。神の思し召しがあれば、対ISILに戻るだろう。

けれども、空爆や陸軍作戦による成果を凌駕する疑問がある。

西洋のメディアはこの話を扱うかな? アラブ活動家、TwitterでISISに対抗するソーシャルメディア対策を開始

それでも、ISILウェブサイトの削除は、安易すぎる方法だと、ファイト・ISISブログは記記している。

There is soo many targets out there right now on Twitter, Facebook, YouTube, and Sendvid all are flooded with ISIS users and Propaganda. You can help and you do not even need to be a Hacker to Shut Down ISIS Web Sites !!

Most of the Web sites, all we have to do is report the User to the Host (like twitter, facebook, Etc.) and they will Suspend or Shutdown the User / ISIS account.

あんまりにも多い標的がTwitter、Facebook、Youtube、Sendvidにいて、すべてがISILユーザと宣伝で溢れかえっている。あなたの手助けが必要だ。ISILウェブサイト撃墜ハッカーでなくても構わない!!

ほとんどのウェブサイトで私たちがすべきことは、ただそのユーザをホスト(TwitterやFacebook等)に報告することである。そうするとホストは、そのユーザやISILアカウントの一時的な使用停止や削除を実施する。

MITテクノロジーレビューは、より人間らしいやり方を提案した。ISILに標的とされている若い世代(イスラム教徒や非イスラム教徒)に、聖戦主義の主張が虚偽であると教える直接的なつながりが足りないと訴えているのだ。

Indeed, the technological response to stanching the recruitment isn’t having much of an effect. Internet companies close accounts and delete gory videos; they share information with law enforcement. Government agencies tweet out countermessages and fund general outreach efforts in Muslim communities. Various NGOs train religious and community leaders in how to rebut ISIS messaging, and they create websites with peaceful interpretations of the Quran. But what’s missing is a widespread effort to establish one-on-one contact online with the people who are absorbing content from ISIS and other extremist groups and becoming radicalized.

確かに、オンライン上の勧誘を止める技術的な反応は大した効果はない。インターネット企業はアカウントを閉じ、血生臭い映像を削除し、情報を当局と共有する。政府機関は抗議文をツイートし、イスラム教団体が行う全体的な支援活動に出資する。様々なNGOは、宗教や団体指導者にISILの主張に反論する方法を教える。また、イスラム教聖典であるコーランの平和的な解釈を載せたウェブサイトを作成する。それでもなお、ISILや他過激派グループの趣旨を受け入れて急進的になっている人々とオンラインで1対1の関係を築く幅広い努力が不足している。

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