ニュージャージー州プリンストンで2月に開催されたシングアン
それは北スラウェシ州マナドを拠点とするヴォックス・アンジェリカ合唱団と、北スマトラ州を拠点とするエル・シャダイ合唱団である。
出場団体をはじめ審査員の中にも、これはイスラム圏の国々からの訪米者に対するトランプ政権の厳重な取り締まりの結果だと、懸念を表明している人がいる。論争の的となっているトランプ大統領の難民と移民に関する大統領令では、インドネシアを名指ししてはいないものの、世界最大のイスラム国であるという事実が事態を更に複雑化させている。
この2合唱団がビザ発行を拒否された件を知り、審査員らは心こもる応援ビデオを投稿し、遺憾の意を表して「音楽に国境はない」と強く訴えた。
Due to unforeseen circumstances with the recent U.S. policies, the choir, El Shaddai and Vox Angelica were not able to travel to our festival. And we are saddened by this. But… regardless of the “borders” instilled by politics, there are no borders to music, no borders to unity through artistry, no borders from humanity that thrives from singing of the heart. Music brings our humaneness together, and we invite you to be a part of it.
最近の米国政策により不測の事態が起こって、エル・シャダイとヴォックス・アンジェリカの2つの合唱団がこの晴れ舞台に出場できなくなりました。私たちは悲しみに包まれています。しかし……政府が国境を決めたとしても、音楽には国境はありません。芸術を通したまとまりに国境はないのです。そして、心の歌から生まれる人間性にも国境などありません。音楽は私たちの心を一つにしてくれます。あなたもぜひ、仲間に加わって欲しいのです。
エル・シャダイ合唱団はソーシャルメディアを通して、今回の件を説明した。
Saudara/sahabat/kolega/rekan paduan saudara terkasih sekalian, bersama ini kami Paduan Suara El-Shaddai ingin menyampaikan PERMOHONAN MAAF kami, berhubung kami batal berangkat ke Princeton-New Jersey, USA utk berkompetisi disana, diakibatkan ditolaknya permohonan visa kami oleh Kedubes USA di Jakarta. […]
Kami sudah mempersiapkan segala sesuatunya, dan sudah melakukan semuanya dengan semaksimal mungkin, bahkan usaha pengurusan/permohonan sudah kami lakukan sebanyak 2 (dua) kali. […]
kami meyakini hal ini juga diperkuat dengan kebijakan politik pemerintah AS yang ada saat ini, dimana dilakukan pengawasan yang lebih (sangat) ketat untuk pendatang ke negara tersebut. Saat ini kami masih berada di Jakarta untuk bersiap kembali ke Medan, dan kami juga langsung akan bersiap diri untuk kompetisi internasional lainnya dalam waktu dekat ini, semoga kami dapat mengambil hikmah dari apa yg baru terjadi, mohon doanya.[..]
TERIMAKASIH yang sebesarnya atas dukungan dan kepercayaannya kepada kami selama ini
友人、家族、仲間の皆さんへ ジャカルタの米国大使館がビザ発行を拒否したため、米ニュージャージー州プリンストンで開催されるコンクールに参加できなくなりました。申し訳ありませんでした。必要なものは全てそろえ、2度もビザ申請しました。訪米者に対する米国の政策が今まで以上に厳しくなったためとも思われます。私たちは私たちは今ジャカルタにいて、メダンに帰る準備をしているところです。次の国際コンクールに向けて備えるつもりです。今回のことを教訓にしたいと思っています。私たちの幸運を祈っていてください。この試練の間、信頼とサポートをいただき、ありがとうございました。
グローバル・ボイスはヴォックス・アンジェリカ合唱団専務理事兼スポークスマンのエドワード・パリット氏を取材した。彼はビザ申請が却下された時の様子をこう語った。
We are a mix choir group consisting of 41 persons (including manager and conductor). We had to fly to Surabaya from Manado to appear for an interview at the US Consulate in Surabaya. Dozens of our members were denied a visa, including our choir conductor. Our young members said that their visas were denied because they've never traveled abroad before, but our senior conductor who constantly traveled with the choir abroad was also denied entry to the US for a bizarre reason, because he and his wife (who is also one of our singers) are new parents.
私たちは指揮者、マネージャーを含む41名で構成された混声合唱団です。ビザ申請の面接のために、マナドからスラバヤの米国領事館に出向きました。しかし合唱指揮者をはじめ、数多くのメンバーがビザを取得できませんでした。若いメンバーによると、海外渡航歴がないという理由で却下されたそうです。しかし、合唱団を率いて頻繁に渡航しているにも関わらず、上級指揮者も信じられないような理由で入国登録できなかったのです。なんと彼と合唱団員である妻に赤ん坊が生まれたばかりだという理由で。
ビザ申請の方法は難しくうんざりだったと、パリット氏は付け加えた。
We've been training diligently since we received the invitation to compete (in Princeton). Moreover, the Surabaya trip was a big deal for our choir because we don't have regular sponsors. We are surely disappointed about not being able to showcase our hard work but we're looking ahead to other events in the province, including our own concert and workshop to celebrate the choir's anniversary.
プリンストンのコンクールに出場することが決まってから、私たちは一生懸命練習に取り組んできました。また、継続的なスポンサーがついていない私たちにとって、スラバヤへ出向くことは本当に大変なことでした。これまで積み重ねてきたものを披露することができず非常に失望していますが、これからは北スラウェシ州内で開催されるコンサートや周年記念ワークショップなどのイベントに向けて頑張っていきます。