
2017年5月の記念式典で演説するタンザニアのジョン・マグフリ大統領(写真提供:ステートハウス)
世界中で労働者に敬意を表す祭日であるメーデーの前日に、タンザニア政府は多くの自国公務員の名誉を傷つけることになった。
4月28日ジョン・マグフリ大統領は、一部の公務員が経歴詐称により現職に就いているとの調査結果を受け、約1万人の公務員に対し即時解雇命令を下した。
「彼らはそこらの泥棒と同じだ!本来なら法に従って7年の禁錮刑を受けるところだ」とマグフリ氏は述べた。
#Today‘s editoon #TheCitizenToday pic.twitter.com/W3Jak3P1sg
— The Citizen Tanzania (@TheCitizenTZ) 1 de mayo de 2017
多くの幽霊職員のために、毎年数億シリングもの税金が無駄になっていることが明かになってから1年後の決断だった。
公務員45万人を対象におこなった経歴確認調査の結果、証明書を偽造した職員の数は、地方自治体が8716人でトップ、続いてソコイネ農業大学等の公立学校で33人、そしてタンザニア鉄道が24人だという。
「いいね!」ニュース
このニュースに対する賛否は、インターネットであっという間に拡散した。
中には解雇された職員に同情し、証明書を偽造した人にも力を与えるよう神に祈る声もあった。
Nyie ineni tu hayo majina yanayopita huko Whatsapp but hii ishu inaumiza sana kimaisha na kisaikolojia#Mungu awatie nguvu wenye#VyetiFeki
— Dr MASABURI-Njaa Boy (@emgeni) 29 de abril de 2017
WhatsAppで証明書を偽造した人の名前が出回っていたけど、こういうことでショックを受けて心を病む人もいるでしょう。神が彼らに力を与えてくださることを祈ります。
他は今回のできごとを茶化す書き込みばかりだった。
Kuanzia Jumanne ijayo, ukiona mtumishi wa umma haendi kazini, anacheza cheza na watoto hapo nyumbani, usiulize maswali mengi!???#VyetiFeki
— Charles Mtekateka (@mtekatekajr) April 29, 2017
来週の火曜日以降、出勤しないで家で子供と遊んでいる公務員を見ても、質問は控えましょう!
経歴詐称問題への対応に満足している人がほとんどで、関連記事には「ポア・サナ(素敵!)」や「サフィ・サナ(いいね!)」がたくさんついた。前大統領のベンジャミン・ムカパ氏もメディアに対し「私の決定は遅すぎた」としてマグフリー氏の英断を支持した。
家族を優先して採用している!?
もちろん、事態を重くとらえる人もいた。
ヘリー・アユブ氏は、ツイッターで第三者機関による調査を求めている。
Kuwepo na Tume Huru itakayopokea malalamiko ya wafanyakazi #vyetifeki . Serikali can not judge its own case. @MariaSTsehai @humanrightstz
— Heri Ayubu (@hyphym) May 1, 2017
第三者機関が、証明書を偽造した職員側の苦情も聴くべきだ。政府は自分たちのことを自身で判断できないだろう。
一方、対立派の一つ「変革・不正撲滅同盟(ACT)」もツイッターで、公務員の不正に対する政府の決定には支持しつつも、その調査範囲については疑問視している。
Jambo la Pili lisilokuwa sawa, madai ya Waziri @AngellahKairuki kuwa mchakato wa uhakiki wa vyeti haujawagusa wanasiasa na wateule wa Rais
— Taifa Kwanza ✋ (@ACTwazalendo) April 30, 2017
もう一つの問題は、政治家や政治任用職に就く職員が調査の対象外であるというアンジェラ・カイルキ大臣が述べたコメントだ。
対立政党側は、調査対象を絞ったのは政府が政治任用職に就く人たちを守るためではないかと疑っている。
Kutowagusa viongozi wa kisiasa katika zoezi la uhakiki wa vyeti ni ushahi wazi jinsi serikali inavyohaha kuwalinda baadhi ya wateule wa Rais pic.twitter.com/JBEnVyDJin
— Taifa Kwanza ✋ (@ACTwazalendo) April 30, 2017
政治家が調査に関わっているからといって、政府が大統領の任用者を守ろうとしているという証拠にはならない。
フェリックス・ミリンガは、地方自治体の職員が最多の違反者を出しているという報告に賛同し、公務員の縁故採用が常態化していることについて以下のように述べている。
@millardayo Huko Halmashauri ndio haswa kunaongoza vyeti feki maana wanapeana sana kazi kindugu & kujuana kuliko kuangalia taaluma ya mhusika #VyetiFeki
— Felix Milinga (@FMilinga) May 1, 2017
偽の証明書がたくさん見つかった地域では、仕事に必要な能力の有無なんかより、家族や知人を優先して採用したいと考えているのよ。
「教育システムの質の悪さにも責任があるのでは?」
この問題については、著名な法律学者イッサ・シブジ教授のコメントがもっとも支持されているようだ。彼は、正式な証明書は持っていても、まともな教育を受けていない場合の政府の対応について疑問を投げかけている。
KtkKijiweni: Wenye vyetifeki wamefukuzwa/shtakiwa. Wenye vyeti halali lakini elimufeki, je?Mfumo unaotoa elimu chini ya viwango utashtakiwa?
— Issa Shivji (@IssaShivji) April 30, 2017
個人的な疑問としては、証明書を偽造していた人は処分されたけど、正式な証明書を持っていても実際にはまともな教育を受けていない人はどうなのだろうか?質の悪い教育システムにも責任があるのでは?
法律人権センター所長のヘレン・キジョ=ビシンバ博士は、政府は証明書偽造者の採用防止を確約すべきだと主張した。
キジョ=ビシンバ氏は、地元の英字新聞「ザ・シチズン」で以下のように述べている。「証明書偽造との戦いを前向きに捉え、偽の証明書による採用を完全に防ぐシステムを用意しなければならない。」
世界には、他国での経歴詐称問題と比較し、マグフリ大統領の決断を賞賛する者もいた。BBCアフリカのFacebookページでは「とても良い仕事をした」と彼の行動を称賛するコメントもあった。以下は、マラウィーのチメメ・テンボ氏の書き込みである。
Its indeed bad development. I head that even some degrees are fake. The president has done a very recommendable job. Let those who fought for papers secure jobs. In Malawi if that happens, then its on rare cases but many of us, we use genuine papers
まったく教育がなっていない。大学の卒業資格すら虚偽の場合があると聞いた。大統領は良い決断をしたと思う。苦労して資格を得た人に職を与えるべきだ。難しいと思うがマラウイでも偽造の摘発をすれば皆正式な証明書を使うようになるだろう。
エチオピアのゲザヘン・アレボ氏も熱烈に称賛している。
Well done, Mr. President! This is mostly an African problem,but the leaders arent willing to solve it; they are fake themselves!
よくやった大統領!証明書の偽造はアフリカ共通の問題だが、この解決に積極的に取り組むリーダーは少ない。なぜならリーダー自身がニセモノだからね!
この問題は、偽の証明書の数やネットでの反響によりタンザニアで有名になったが、教育や採用のプロセスの問題や縁故主義の看過により長年表面化しなかったのだ。