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トランスジェンダーのネパール人モデルがインド最高峰のファッションショーのランウェイに登壇!

カテゴリー: 南アジア, ネパール, メディア/ジャーナリズム, 人権, 同性愛者の権利 (LGBT), 国際関係, 女性/ジェンダー, 市民メディア, 芸術・文化
Anjali Lama. Image from Flickr by Norad. CC BY-NC-ND [1]

アンジャリ・ラマ。画像はNoradのFlickerより。CC BY-NC-ND

アンジャリ・ラマ [2]がファッション業界で草分けとなっている。2月にインドのムンバイで開催された一流ファッションイベントのラクメ・ファッション・ウィーク [3]でランウェイを歩く初のネパール出身トランスジェンダーモデルとして選ばれたのだ。

2012年のミス・ネパールに選ばれたシュリスティ・シュレスタ [4]はこのニュースに関し、自身のFacebook [5]にてこうつづっている。

Proud moment for all of us! Anjali Lama, I believe that this is a great beginning for you in the fashion industry. To be selected among hundreds of girls is quite an achievement on its own, and you have done it! The path surely must not have been easy but I'm sure that this path will lead you to a bright and beautiful future that you truly deserve. Our first transgender model ❤️ Sending you love and luck from Nepal ?

あなたはみんなの誇りだわ! アンジャリ・ラマ、これがあなたにとってファッション業界での素晴らしい一歩になるって信じているわ。何百という女の子たちの中から選ばれること自体ものすごい偉業だけれど、あなたはそれを成し遂げたんですものね! ここまでの道のりはきっと大変だったに違いないけど、これまでの努力があなたに本当にふさわしい輝かしい未来につれて行ってくれるって確信しているわ。あなたは本当にそれに値する人よ。私たちのはじめてのトランスジェンダーモデル❤️ネパールより愛を込めて?

ラマは男性として生まれナビン・ワイバと名付けられた(「ナビン」はネパール語で「新しい」という意味)。彼女はファッション業界の魅惑やきらびやかさからは遠く離れたネパールでも田舎にあるヌワコート郡の村で育った [6]ために、モデル業がどういったものか全く知らなかった。

内心自分は女の子 [7]だという気持ちをいつも持っていたという彼女は、小さいころから化粧や可愛く見せるのが好きだったという。彼女が初めてLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の人権団体ブルー・ダイアモンド・ソサエティ [8]を知ったのは、進学を機にカトマンズに移った時だった。そして彼女は20年目にして [9]はじめて心の中の本当の自分を見つけたのだ。

そこから彼女はモデルの世界に入り、今や歴史を作るさなかにいる。

ファッションはどんなものもひっくり返すことができる可能性を持ってる。アンジャリ・ラマは言う。

ラクメ・ファッション・ウィーク2017のランウェイを歩くはじめてのトランスジェンダーモデル、アンジャリ・ラマを歓迎しよう!

Facebookにてロシェロ・ピントはラマを歓迎したファッション界をこう称えている [19]

10 points for inclusiveness. Contrary to what you may think, fashion remains one of the most supportive spaces, happily accepting the world's weirdos, rebels and rejects.

とっても素敵! 世の中の人が思うよりもずっとファッション業界は懐が深くて、喜んで世界中の変わり者、異端者、拒絶された人を受け入れる世界の一つでありつづけているのよ。

2007年には、ネパールの最高裁が国民に自らの心のあり方に従い性別を選ぶ権利 [20]を与えた。ネパール選挙委員会は男か女を選択するか、もしくは第三の性を登録することを投票者に許可した。最近では、ネパール政府はLGBT活動家のモニカ・シャヒさんにトランスジェンダーのための特別なパスポートを発行 [21]している(性別欄にはその他(Other)の頭文字「O」が印刷されている)。

LGBTの認可など数々の進展にもかかわらず、ネパール社会はいまだにLGBTコミュニティの人々に疑り深い目を向けている。たとえばラマの家族や友人は当初、彼女を応援していなかった。しかしながら彼女の苦労は報われ、今やより一層の支持を受けているのだ。

ラマは自身のFacebookでこうつづっている [22]

For me, it was never a question of whether or not I was transgender. It was a question of what I'd be able to handle transitioning and having to do it in the public eye. One of the issues that was hard for me to overcome was the fear of that.

私にとって、トランスジェンダーかどうかなんて全然関係なかったわ。不安だったのは、生まれ持った性別と自分が思う性別を近づけていけるのか、そしてそれを周りの目がある中でやっていけるのかということね。そういう変化への恐れを乗り越えることが、難しかったことの一つよ。

今やラマがラクメ・ファッション・ウィークに登壇するというニュースは特にインドのメディアで急速に広がっている。

ネパールのモデル業界での地位を確立したトランスジェンダーモデルのアンジャリ・ラマがインドのメディアで盛んに報道されている。

校正:Kaori Watanabe [25], Naoko Mori [26]