[1]ルワンダの難民キャンプ 写真：エリサ・フィノキアーロ クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
今現在、世界中で約6500万人の人々 [2]が、祖国を逃れてきている。国際連合難民高等弁務官事務所（UNHCR）によると、これは第二次世界大戦以降最も高い数値である。さらに痛ましいことに、その難民の多くが家族とのつながりを失っている。
しかしこの状況に解決の手が差し伸べられつつある。
デンマーク人の兄弟で社会起業家のデイビッド・ミッケルセンとクリストファー・ミッケルセンは、この課題に対する解決法を見つけ出した。彼らの作ったサイトREFUNITEの名はリフュジーズ・ユナイテッド（難民連合）からきたもので、生き別れとなった家族を見つけるために、世界中で50万人以上の難民が登録している。これはそのプロジェクトの指針を要約した動画である。
今年初めミッケルセン兄弟は、その功績により
世界経済フォーラム（WEF） [3]の、ソーシャルアントレプレナー（社会起業家）・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。その発表に伴い、ウェブサイトではREFUNITEの
役割 [4]について以下の説明を掲載した。
The family reconnection platform is accessible from a simple mobile phone via SMS, USSD, web or a free hotline. Whether it is an Afghan refugee in Pakistan or an internally displaced person in Iraq, anyone in need can search, re-connect and communicate with their missing loved ones ? even if they are unable to pay for mobile data.
家族のつながりを取り戻すためのこのサイトは、携帯電話さえあれば、SMS、USSD（訳注：SMSと類似のメッセージ交換システム）、ウェブや無料直通電話を経由してアクセスできます。パキスタンにいるアフガン難民であろうと、イラクの国内避難民であろうと、必要な人は誰でも、検索をすることで、行方がわからなくなっている大切な人々を見つけ出し、連絡をとることが可能になるのです。たとえデータ通信料が支払えないとしても、大丈夫です。
50万人以上の人々がREFUNITEのサイトを利用し、家族と再会するための行動を起こしている。しかしこの実績に満足することなく、ミッケルセン兄弟はこのサイトの重要性を
常に念頭に置いている。 [5]
While this is an achievement to note, it comes with the somber reminder that these are people unable to find their children, siblings, parents and friends. Unfortunately, it also doesn’t stop here: the world is harboring more displaced people than we’ve seen since WWII! And while Syria is responsible for both the largest numbers of its citizens on the run and the most headlines, there are unfortunately many other crises in full bloom, and numerous new ones threatening to erupt at any moment. REFUNITE will continue to work tirelessly to help everyone looking for loved ones to reconnect. Our aim is to continuously build out our platform to provide a digital home and infrastructure to soon millions of displaced people.
注目すべき成果がある一方で、子どもたちや親、きょうだい、友人たちを捜し出すことができない人々がいるという悲しい現実を忘れてはならないのです。残念なことにこれだけにとどまりません。世界は、第二次世界大戦以来私たちが見てきた以上に、多くの難民を抱えています。シリアにおいては、最も多くの市民が路頭に迷い、数々の重大事件が起こっていますし、不幸にも、その他多くの甚大な危機に見舞われ、多数の新たな危機がこの瞬間にも噴き出しているという事態に陥っています。REFUNITEは、会いたいと願う大切な人々を捜すすべての人々を手助けするために、根気強く活動を続けていきます。私たちの目的は、オンライン上でつながることができる家族の場や生活基盤を、近い将来には数百万人のふるさとを逃れた人々に提供するために、このサイトを運営していくことなのです。
REFUNITEはケニアに本部を置いているが、当初はエリクソン（訳注：スウェーデンの通信機器メーカー）との共同でデンマークにおいて創立された。IKEA財団や、慈善団体などから資金提供を受け、携帯電話事業者のグローバル連合やフェイスブックと提携している。
これまでに世界で総数60万人が登録し、1100万通にも及ぶメッセージがこのサイトを通じて送られ、900万を超える検索がなされた。2017年中にREFUNITEは100万人の難民の登録を目指している。