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中国:危険な行為だと批判殺到! 水質を保証しようと記者が川の水を飲む

カテゴリー: 東アジア, 中国, メディア/ジャーナリズム, 市民メディア

(原文掲載日は2017年8月8日です。また、記事中のリンク先には英語と中国語のページも含まれます)

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広州市で行われた水泳イベントのライブ配信動画からのスクリーンショット。Weiboより

珠江 [2](英語名Pearl River)で開催された水泳イベントで動画のライブ配信中、南方都市報の記者が川の水を数回飲んで見せた。この水が衛生的であると証明することが目的だった。

この動画のスクリーンショットが、ソーシャルメディア上で瞬く間に広まった。メディア関係者が参加しているWeChatグループの多くで、ジャーナリストたちはこの行為をプロにふさわしくないと非難し、ニュースメディア業界全体にとって不名誉な誤った情報操作だと訴えた。

この水泳イベントは7月25日、珠江の下流、広州市にある中山大学埠頭近くで行われた。毎年恒例のイベントで、「みんな、運動して健康を守ろう(全民健身.全民健康)」というテーマのもと、およそ2000人が参加した。

中国国有放送局の多くが同イベントを特集し、広州市に拠点を置く南方都市報 [3]が生中継を行った。中継中、上記の記者は、カメラに向かって川の水が清潔で透明に見えると述べ、それを証明するために数回飲んで見せた。ソーシャルメディア上に投稿された解説 [4]によると(香港のオンラインメディア香港01による報道)、この記者が実際に川の水を飲んだのは3回。1回目はカメラがその姿を捉えていなかった。2回目に飲んだ様子が放送され、その後、写真撮影のためのポーズとして3回目を口にした。

珠江は中国で3番目に長い川であり、河口は、最も工業が発展し環境汚染が進んでいる珠江デルタに位置している。2007年から2013年に川の水質を改善する取り組みが行われた [5]が、下流の水質は依然として十分ではなく、飲料用には全く適していない。

そういった理由から、メディア関係者が参加しているWeChatグループの間で、この記者の行動に多くの失望の声が上がった。その中で、ある記者は次のように指摘している。「南方都市報は、数年前までは、中国でも極めて批判的な姿勢の報道機関だった。それが今では、自発的なプロパガンダ製造機へと退化してしまった」

このようなメディア関係者の批判はネットワーク市民たちによっても拡散されている。Weiboのニューススレッドの一つ [6]では、多くが、この水を飲む行為は危険でプロにふさわしくないと訴えた。

此风不可长!记者不是政客,媒体的公信力是最重要的

この行動は、褒められたものではない! ジャーナリストは政治家ではない。メディアには信頼性が何より求められている。

这个记者上位上得肯定快,来来来,环保局有个位置,来上班

このレポーターは間違いなく出世するだろう。ほら、環境保護部に空きポストがあるらしいよ。今すぐ行くといい。

叫珠江水有点甜的升官了。此人莫非都想行此路?

珠江の水をおいしいと主張した連中は出世していった。その前例に続きたかったのだろう。

如果他吃一坨屎 能证明什么?
可以证明。屎可以吃

彼は、糞(ふん)を食べたら何を証明するだろう?
糞だって食べられると証明してくれるよ。

他肯定没见过江边浮着的涨得跟气球一样的老鼠和死猪

きっと彼は見たことがないんだろう。ネズミや豚の死骸が風船のようにこの川に浮いていたのを。

校正:Rie Tamaki [7]