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カメラが未成年の母親に迫る ドキュメンタリー映画『母親の務めとは何なのか?』

カテゴリー: 東・中央ヨーロッパ, ブルガリア, デジタル・アクティビズム, 健康, 女性/ジェンダー, 市民メディア, 芸術・文化

イレーナ・ダスカロヴァ監督によるドキュメンタリー映画『母親の務めとは何なのか?』からの1シーン

健康と性教育の問題に取り組むNGO、ブルガリア家族計画協会(BFPA)は、栄えある受賞作品に輝いたドキュメンタリー映画『母親の務めとは何なのか?』 [1](原題:Who are those mothers?)をユーチューブに公開した。カメラは未成年で母親になった5人の女性の生活に迫る。

2011年に制作された30分に及ぶこのドキュメンタリー映画はブルガリア語に英語の字幕が付き、広く世間の注目を集めた。いずれにしても、10代の妊娠や児童婚は世界的な [2]問題だ。

BFPAの話によると [3]、制作団体は同ドキュメンタリーをユーチューブで公開することに快い反応を見せたという。映画のあらすじは [4]

G. is 15 years old. She is pregnant in the fourth month… with her second child. She gave birth to her first son when she was only fourteen. She is one of the approximately 5,000 girls every year in Bulgaria who “marry” and bear children between age 13 and 18. Regardless of their reasoning, these are all “children-mothers”, who are raising their own children. Often, they are given no chance of making their life choice themselves and they are left in the closed loop of illiteracy, un-employment, and poverty. And their children and their children’s children will most probably re-enact the same model for they couldn’t know that life would offer other opportunities. Who are those mothers?

G(15歳)、彼女は2人目を宿す妊娠4か月の身だ。長男を出産したのはまだ14歳の時。ブルガリアでは、13歳から18歳の間に「結婚」して子供を産む少女の数は年間約5,000人に上る。彼女もそのうちの1人だ。どんな事情があるにせよ彼女たち全員が子育てをする「未成年の母親」、往々にして人生の選択を自らが行うという機会を逃し、字も読めず、職もなく、貧困につながる負の連鎖に陥る。彼女たちの子供も、その子供の子供も、人生に他の選択があることなど知るよしもなく、母親と同じ人生をたどる可能性が高い。母親の務めとは何なのか?

2012年3月、同ドキュメンタリーは第5回「ローマ ライフー中央ヨーロッパドキュメンタリー映画祭」にて栄えある受賞作品に輝いた。国連人口基金 [5](UNFPA:United Nations Population Fund)はイベントにてこの映画を上映したのだ。 [6]

映画監督のイレーナ・ダスカロヴァ [7]は、同作品に続いてさらに数本の映画に着手した。BFPA [8]は「性と生殖に関する健康と権利」を啓蒙する教育活動を継続的に行っている。

校正:Mami Nagaoka [9]