スーパー台風ハイエンから4年 新たな台風がフィリピンに再び壊滅的被害をもたらす

スクリーンショットが示すフィリピン国営放送局による台風カイタク(現地名ウルドゥハ)の現地報道

フィリピン当局の発表によると、東ビサヤ地方を襲った台風カイタク(現地名ウルドゥハ)の通過により死者は少なくとも46人、依然として28人が行方不明のままである。東ビサヤは4年前にもスーパー台風ハイエン(現地名ヨランダ)の直撃を受けている。

東ビサヤ地方は、フィリピン中部ビサヤ諸島の最東部に位置するビリラン島、レイテ島、サマール島という3つの主要な島々からなる。東部が太平洋に面していることから、この地域は台風の典型的なフィリピン上陸地点となっている。

当局によると、大部分が地滑りによる死者や行方不明者の多くはビリラン州出身で、25人が亡くなり25人の行方が知れない。44,000を超える世帯が避難を余儀なくされ、少なくとも16,000人の旅行者が国内の至る所で動けずに助けを待っている。

台風カイタクがレイテやその他の地区と結ぶ5つの橋に被害を与えた結果、ビリラン州は孤立し重機や救援物資の搬入に大きな支障が出ている。

政治活動家のジョシュア・ムジーコ・サグドゥラスは、東ビサヤを拠点とするオルタナティブ・ニュースサイト、イースタンビスタに寄稿した。その中で、新政府は2013年11月のスーパー台風ハイエンがもたらした惨禍から何か教訓を得たのかと疑問を投げかけた。

What we expected was for the rain to pour and winds to howl, we thought work would be suspended for a day or two and some roads impassable due to slight debris pile up. We would never have thought the storm would cause evacuation-efforts spanning three regions or paralyzed the economy of close to three provinces in Eastern Visayas.

予想では大雨が降り強風が吹く程度で、みんな1日か2日仕事を中断したり、瓦礫で道路が何本か通行止めになるくらいだろうと思った。この台風のせいで避難行動が3つの地区に及んだり、東ビサヤ地方の3つの州周辺の経済が麻痺するなんて思いもよらなかった。

ネチズン(訳注:ネットワーク市民)やジャーナリストらは、ソーシャルメディア上でハッシュタグ#UrdujaPHを駆使して、最新の台風情報やその被害状況の写真を投稿している。またソーシャルメディアを使い、特にビリラン州のような最大被害を受けた地区のため寄付金や災害救助活動を募っている

台風ウルドゥハの通過でレイテは廃墟と化してしまった。

ソルソゴンのマトノグ港外では、立ち往生した車両の列が4kmにも連なっている!

胸が張り裂けそうだよ。

ネチズンたちはこんな疑念も抱いている。台風カイタクによるビリラン州の災害は、そこで行われている硫黄採掘のためにさらに拡大したのではないか、と言うのだ。フィリピン鉱山地球科学局は台風カイタクの出現前に、ビリラン州での地滑りの脅威について警鐘を鳴らしてきた。

多くの人が死んでしまった。ビリラン州では硫黄採掘が今まさに行われている。州政府がこの問題に敏感に対処してくれればよいのだが。硫黄採掘はビリランをじわじわと破滅に導いている。

ビリランの山々で硫黄の採掘は行われている。僕は35年ビリラン州にいるけど、こんな事は初めてだ。胸が張り裂けそうだよ。

台風カイタクはすでにフィリピンを通過し西フィリピン海(訳注:国際的には南シナ海と呼ばれている)へ進んでいるとはいえ、クリスマスイブに上陸しそうな新たな台風の動きにフィリピンは再び備えなければならない。

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