ウガンダ:死に至るウイルス性熱病の発生か、広がる不安

(原文掲載日は2018年1月24日です。また、リンク先には英語のページも含まれます)

リベリア共和国グランドケープマウント郡のエボラ治療施設。写真:マルティーヌ・ペレ(国連エボラ緊急対応ミッション)のFlickrより(CC BY-NC 2.0)

ウガンダ中央地域の街ナカセケで9歳のブリゲット・ナルンクウマが死亡したとき、クリミア・コンゴ出血熱で亡くなったのではという恐れから、住民たちは動揺した。

ここ数カ月の間に同様の症状を呈して死亡した人は、他に8人が報告されていた。

クリミア・コンゴ出血熱は、サハラ砂漠以南のアフリカ、中東の一部、およびアジアの一部で発生している。虫にかまれたり、感染したヒトや動物の体液に直接接触したりすることで伝染する。この疾患は、エボラ出血熱とよく似た症状を示す。エボラ出血熱とは、2014年に西アフリカ3か国で1万1217人の命を奪った致死性ウイルス感染症である。しかし、この2つは同じウイルスの科には属さない。

世界保健機関によると、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)感染者の死亡率は40%に達するおそれがある。現在のところ、この病気に対するワクチンはない。

上述した9歳の少女の遺体についてクリミア・コンゴ出血熱の検査が行われ、結果が陽性であったと複数のメディアが伝えている。

当局は遺体を収容・埋葬する前に、この病気に対する予防措置を講じた。その様子は、ウガンダ・ラジオ・ネットワークが撮影し、インターネット上に公開した写真から確認できる。

このウイルスについてのうわさがインターネットやメディアに流れたが、ウガンダ政府はこの話を否定している。アウトブレイクだというメディアの報道に対し保健省のダイアナ・アトウィン事務次官が反論した直後に、9歳の少女の死亡報告書が出された。

2017年12月の初め、同じ地区の病院に別の子どもが入院していた。この子にはクリミア・コンゴ出血熱の兆候があった。

サラ・オペンディ保健相が読み上げた報告書によれば、この9歳の少年は陽性であったが、病院で治療を受けたことが確認されたという。また、再検査の結果、もはやこの死に至る病に感染していないことがわかった。

ウガンダ保健省は、国内にこの熱病は存在しないが、発熱や頭痛があれば医療施設へ報告するようにしてほしいとツイートした。

オペンディ大臣「いかなる地域にも、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)を疑う症例はないということを国民の皆様にお知らせしたい。地域に、発熱、頭痛、嘔吐、下痢、体の痛みを訴える住民がいる場合は、最寄りの医療施設に報告してください」

記者会見では、ウガンダの医療従事者組合が政府に対し、国内におけるこの熱病の発生状況を明確に説明すること、緊急事態に対するあらゆる必要な措置を講じることを求めた。

ソーシャル・メディアを使ってこの状況にコメントする人々も現れている。

政府が熱病の流行を否定することで、伝染が広範囲に広がってしまう可能性があり、国民はさらに危険な状況に追い込まれることになる、とBantu Dragon(@DCalyne)はツイートした。

なんで政府はクリミア・コンゴ出血熱のアウトブレイクを否定したの? てか、やる気あんの? 知らん顔してれば、広がってくうちに消えちゃうかもって? ここまでアホだとマジ理解不能。

Twitterユーザーのオマラ=オグワン・ジェームズは、だれを信用していいかわからず、この問題について混乱していると述べた。

医師会(および他のほとんどの人)「ナカセケにはクリミア-コンゴ出血熱が存在する」

ウガンダ政府(保健省)「いいえ、クリミア・コンゴ出血熱の流行はありません」

私自身「全く困惑状態にあります?」

テレビジャーナリストのウォルター・ムエシゲは、この熱病の感染経路がわかるインフォグラフィックを公開した。保健省が国内に危険はないと言っても、注意を怠ってはならないとムエシゲは考えている。

保健省はクリミア・コンゴ出血熱のアウトブレイクについて繰り返し報道されたことに関し、国民に説明する準備を進めている。先週、ダイアナ・アトウィン事務次官は、ナカセケ地区で確認された症例があると述べた。

しかし、これはだれもが知っておくべきことです。

ウガンダは過去にエボラ、コレラ、マールブルグのような他の疫病の流行を経験してきた。このことが、人々が脅威的な大流行を恐れる大きな理由となっている。政府がマスコミ報道を抑えようとしているのか、あるいは本当にアウトブレイクの脅威はないのか、現時点では定かでない。

校正:Rie Tamaki

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