タジキスタン:結婚前なのになぜ?義理の家族に怯える花嫁たち

(原文掲載日は2017年11月3日)

タジキスタンのジェンダー差別による暴力廃絶をテーマにした演劇。(OSCEのノジム・カランダロブ撮影)(CC BY-ND 4.0)

ラジオ・フリー・ヨーロッパ (略称:RFE/RL)のタジク語サイトで先日伝えられたところによると、中央アジアのタジキスタンでは、夫の家族と同居する若い女性たちが日常的な虐待を受けているという。今回の報道は、それら多くの虐待のいくつかの例を短くまとめたものだが、サイト記事のコメント欄への投稿を見ると、同様な虐待の報道が増えているにも関わらず、あまり深刻に捉えられていないことがわかる。

タジキスタン社会には、法律にはない暗黙のルールがある。それは、家庭内の出来事は家庭内に留めるということだ。このことは社会に深く根付いており、とてつもなく酷い家庭内暴力にすらこのルールが適用される。最近になって、結婚後の同居家族により、少なくない若い女性たちが虐待されている現状とそれが招いた結果について、 国際ニュースに取り上げられるようになってきた。詳しく伝えられたケースの多くで、虐待が疑われる行為は悲劇的な結末を迎えている。

国内外の人権団体からの強い働きかけもあり、2012年12月に家庭内暴力を防止するための法律がタジキスタンの議会で採択された。

この法律の制定は変化をもたらしたようだ。ハトロン州南部だけで、2017年の最初の9か月に夫の母親による虐待を訴えた妻らの数は300人に上った。しかし、これらの訴えは氷山の一角に過ぎない。

なぜ、タジキスタンでは家庭内暴力がこれほど蔓延しているのか。この記事では、多くのタジキスタン家庭が抱える経済的、金銭的な問題に焦点を当て、その理由を述べている。タジキスタンの男性たちは、経済的理由でロシアに出稼ぎに行かざるを得ないため、妻は夫が留守の間、夫の母親と2人きりで生活しなければならず、それが問題の発端となっていることがよくある。

しかし、記事のコメント欄への投稿の多くは、夫の母親に虐待を受けていると訴え出た若い女性たちに対し、同情的ではなく批判的なものだ。

「アフサス」という名前で、このようなコメントがあった。

ин духтарои хозира телефон баромаду вайрон шуданд боварим хай ки аз ин шикояткунандагон 95% аз пушти телефон чунки хозира духтархо як соат кори хона кунанд 2 соат тарики интернет ба кихо гап мезанад худо медунад.

最近の若い女性たちは皆、携帯電話を使うことによって甘やかされている。虐待を訴えたとかいうのも携帯電話で愚痴ったに違いない。彼女らはたったの1時間家事をやって、その次の2時間は電話で誰かと話して過ごしている。

他にはこのようなジョークのコメントもあった。

Тамоми чомеа хамин хел аст. Масалан декани мо яз ягон хушдоман мондани надорад.

この社会では皆がやっていることだ。例えば、うちの学部長はどの姑にも負けないほど酷い。

さらに、「ショヒン」という名前でコメントを寄せた人は、結婚生活での振舞い方について女性たちを教育する特別訓練コースを設けるべきだと言っている。

Кумитаи занон аз корхои бехуда дида, лоихахои махсус барои Ба шавхар баромадани духтархо тахия намояд. Чунки маблагхо бе маьни сарф нашаванд. Модарони бехунар бошад акалан Ба духтаронашон одоби муоширатро ёд диханд.

女性問題委員会(職務の一つに女性からの陳情への対応がある)は、経費の無駄遣いをしている。若い女性が結婚に備えるための特別コースがあればいい。(中略)母親たちは結婚前の娘に正しい振舞い方を教育すべきだ。

タジキスタン政府は、家庭内暴力の問題が政府の重要課題であることや、被害者を守る法律は、紙の上に書かれているだけではなく実効性を伴うものだと強く社会に知らしめていく必要がある。

校正:Mana Ishizuki

コメントする

Authors, please ログイン »

コメントのシェア・ガイドライン

  • Twitterやfacebookなどにログインし、アイコンを押して投稿すると、コメントをシェアできます. コメントはすべて管理者が内容の確認を行います. 同じコメントを複数回投稿すると、スパムと認識されることがあります.
  • 他の方には敬意を持って接してください。. 差別発言、猥褻用語、個人攻撃を含んだコメントは投稿できません。.