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写真が語る アパルトヘイト撤廃後の南アフリカの現状

カテゴリー: サハラ以南アフリカ, 南アフリカ, 写真, 市民メディア, 開発
Some of the tweets discussing Alon Skuy's photograph.

アロン・スカイの写真をめぐり、ツイッター上で議論が繰り広げられる。投稿者は@LanC_02 、@gussilber、@BIZKID_WORLD、@LeMondZuid

2016年1月26日に南アフリカ、ヨハネスブルクの最高裁判所の前で撮影された写真 [1]をめぐり、アパルトヘイト撤廃後のこの国が抱える経済格差に注目が集まった。

これは南アフリカの新聞社ザ・タイムズに所属する同国籍の報道写真家、アロン・スカイが捉えたものだ。何かと問題発言の多い [2]人物、南アフリカ国籍のラジオパーソナリティ、ギャレス・クリフと彼の法定代理人、弁護士のダリ・ムポフが、ごみを漁っていると思しき男性のそばを通り過ぎる1コマだ。

ビーチに出かける黒人の南アフリカ人を「サル」と呼んだ不動産業者ペニー・スパロウの人種差別的なコメント [3]に対し、クリフ [4]は「人は言論の自由を全くわかっちゃいない」とツイートし、炎上を招いた。

この騒ぎは、クリフが審査員として出演していたテレビ版の歌謡コンテスト、『サウスアフリカン・アイドルズ [5]』 の降板劇 [6]に発展した。彼はこの降板に不服を唱え勝訴したが [7]、裁判所はその争点を「契約上の問題であり人種差別や言論の自由でない」との判断を下した。

共に南アフリカ国籍の2人、白人のクリフは黒人のダリ・ムポフと出廷した。ムポフは同国の軍事勢力派、黒人主導型社会主義政党「経済的解放の闘士 [8]」の党首を務める。

ソーシャルメディア上に拡散した問題の写真は、アパルトヘイト撤廃後の南アフリカの現状を物語るのに絶好の作品だというコメントが寄せられた。1994年には少数派である白人による支配制度を廃止したが、以降、南アフリカの経済格差は悪化 [9]の一途をたどる。また、世界的に見ても経済格差のいびつな構図 [10]が際立つ。

経済格差は常に生い立ちによるとされ、決して問題にならない。南アフリカを変えるのは国民にかかっている。

南アフリカ……

我々の歩みは長く果てしなく。

ありがとう、アロン・スカイ

アロン・スカイのこの写真はアパルトヘイト撤廃後の南アフリカの縮図だ。

クリフの弁護士が率いる政党、「経済的解放の闘士」に言及し、疑問を投げかけるツイートも。

いったい誰の経済的解放だって?

アロン・スカイによる強く訴えかける写真だ。

シャブタイ・ゴールドはこの写真が意図したものでないと指摘する。

アロン・スカイによる偶然の産物、南アフリカの実に物言う瞬間だ。

一方で@fullframeSAのようにこの写真を称賛する声も。

Sowetan LIVE [23]の報道写真、アロン・スカイが捉えたギャレス・クリフとダリ・ムポフの写真は、フォトジャーナリズムの匠。

この写真をもとにアロン・スカイの他の写真へ目を向けようとする人も。

今、グーグルでアロン・スカイの作品をチェックしてるところ。

校正:Yuko Aoyagi [27]