- Global Voices 日本語 - https://jp.globalvoices.org -

インドネシア:ジョコウィ大統領が国民を先導し、米大統領のエルサレム首都宣言に反対表明

カテゴリー: 東アジア, アメリカ, インドネシア, 国際関係, 市民メディア, 戦争・紛争, 抗議, 政治
[1]

イスラエル・エルサレムよりヨルダン川西岸地区を望む 2014年3月31日(撮影:D. マイルズ・カレン 出典:ディフェンス・イミジェリ―・マネージメント・オペレーション・センター、米国政府著作 パブリックドメイン)

(原文掲載日:2017年12月12日)
エルサレムをイスラエルの首都として認めるという、ドナルド・トランプ米大統領の声明は、世界中の多くの人々を驚かせた。 [2]イスラエルのネタニヤフ首相によって称賛された [3]ものの、中東諸国やイスラム教徒が多数を占める国の中には、トランプ大統領の決定はパレスチナ人に対する「権利侵害」だと非難する首脳陣もいた。

イスラエルとパレスチナは、共にエルサレムを自国の首都であると主張している。

世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシアは、トランプ大統領の声明を遺憾だとする反対派である。ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領は国民の先頭に立ち、パレスチナへの支援を表明し、そして、トランプ大統領の声明を非難した。

Indonesia mengecam keras pengakuan sepihak Amerika Serikat terhadap Jerusalem sebagai ibu kota Israel. Pengakuan itu melanggar resolusi DK dan Majelis Umum PBB. Saya dan rakyat Indonesia tetap konsisten bersama rakyat Palestina dalam memperjuangkan kemerdekaan dan hak-haknya. [4]

A post shared by Joko Widodo [5] (@jokowi) on

インドネシアは、エルサレムがイスラエルの首都であるとする米国の一方的な承認について、強く非難する。このような米国の行動は、国連安全保障理事会の決議や国連総会を侵害している。私とインドネシア国民は、パレスチナの人々の自由と権利を守るための支援を継続する。

一方で、インドネシアの首都ジャカルタにある米国大使館は、トランプ大統領の声明はイスラエルとパレスチナ双方に対する支持を認める [6]ものだと明確にした。

Ketika Presiden Donald Trump kemarin mengumumkan bahwa Amerika Serikat mengakui Yerusalem sebagai ibu kota Israel dan kota pemerintahannya, Presiden Trump juga menegaskan kembali secara publik bahwa Amerika Serikat mendukung status quo tempat suci Bukit Kuil atau Haram al-Sharif. Seperti yang diungkapkan oleh Presiden Trump dalam pengumumannya, “Yerusalem kini, dan harus terus menjadi, tempat dimana warga Yahudi berdoa di Tembok Barat, umat Kristiani melintasi Jalan Salib, dan umat Muslim beribadah di Masjid Al-Aqsa.”

Presiden menekankan bahwa Amerika Serikat tetap berkomitmen untuk mencapai kesepakatan damai yang langgeng antara rakyat Palestina dan Israel. Termasuk mendukung solusi dua negara, bila disetujui oleh kedua belah pihak.

ドナルド・トランプ大統領は昨日、エルサレムがイスラエルの首都であり政治の中心であることを米国が承認する、と発表した。また、ハラム・シャリーフとも呼ばれる神殿の丘の「ステイタス・クオ(現状維持)」を支持するとも、明言している。トランプ大統領は、声明文でこのように述べた。「エルサレムでは今日、ユダヤ教徒が西壁で祈り、十字架の道行きをキリスト教徒が歩き、イスラム教徒がアル=アクサ―・モスクで祈りを捧げる。今後もそうあるべき場所である」

大統領は、パレスチナとイスラエル間の永続的な和平合意に向けて、両政府の合意による2国家共存への支援を含め、 米国が尽力し続けることを強調した。

トランプ大統領のエルサレム首都宣言に抗議するインドネシア国民

テルアビブにある米国大使館を、エルサレムに移転させるというトランプ大統領の発表を受け、インドネシアの首都ジャカルタとその周辺の州で反対運動が勃発した。抗議者たちは、ジャカルタの米国大使館前で米国旗やトランプ大統領の人形 [7]を燃やし、また、ジャカルタに隣接する南タンゲラン市では、マクドナルドが抗議者たちの標的になった。この都市は不名誉にも、イスラム国(IS)インドネシア支部のリーダー、バルン・ナイムの故郷として知られている。

インドネシア国内最大のイスラム系組織であるナフダトゥル・ウラマ―は、トランプ大統領は、世界的な紛争を深刻化させていると非難した [8]

政治アナリストであり作家でもあるディナ・スレイマン博士は、トランプ大統領の行動は「ずさん」であり [9]、共和党の投資家たちからの評価を得るための自暴自棄の行為であると称した。

Mereka ini (Evangelis) lebih peduli pada rezim Zionis dan mengabaikan nasib kaum Kristiani di Palestina. Sekedar info, Patriark dan Kepala Gereja-Gereja Lokal di Yerusalem sudah mengirimkan surat terbuka menolak keputusan Trump itu.

米大統領の支持者たちはシオニスト政権をより重要視しており、パレスチナのキリスト教徒の命運については全く気にかけていない。参考情報として、エルサレムの総主教と地域の教会の指導者たちは、トランプ大統領の決定を撤回するよう求める趣旨の公開書簡を正式に書き送っている。

スレイマンは、パレスチナの人々を守ることは、インドネシアの憲法に合致していると強調した。(1945年憲法、または UUD'45)

UUD 45 memberi mandat agar bangsa Indonesia berperan serta dalam mewujudkan perdamaian dunia dan menghapuskan penjajahan di muka bumi. Tanggapan yang cepat dan tegas dari Presiden Jokowi yang menyatakan penolakan dan kecamannya atas tindakan Trump adalah langkah tepat yang perlu didukung.

インドネシア国民は、1945年憲法によって、世界平和の構築と植民地主義根絶に積極的に貢献することを義務付けられている。トランプ大統領の行為を否定し非難した、ジョコウィ大統領の迅速で確固たる対応は支持されるはずである。

インドネシアのツイッター上で、ものすごい数の反応があった。

世界中の米国大使にとって忙しい日だ。インドネシアは、ドナルド・トランプ大統領のエルサレム宣言への非難に耳を傾けるよう、大使に要求した。

パレスチナのスカーフを巻いたルトノ・マルスディ外務大臣は、第10回バリ民主主義フォーラムにて、エルサレムをイスラエルの首都とする米国の承認を、インドネシア政府は非難すると述べた。

トランプ大統領は、これまで70年間、全ての米国大統領が断固として避けてきた過ちを犯した。エルサレムをイスラエルの首都だと宣言するなんて。
トランプ大統領は米国と世界を、宗教的過激主義の最前線に引きずり込んでいる。

私は、中東問題の根源は米国にあるといつも思っています。今日、トランプ大統領によってエルサレムがイスラエルの首都になりました。この政策は、中東とイスラム世界(が抱える問題)にさらに火をつけることになるだろう。

インドネシアはこれまで一貫して、パレスチナ国の承認を求めてきた。ビジネスや観光におけるつながりはあるが、インドネシアとイスラエルの間に正式な国交はない。

校正:Mana Ishizuki [19],Moegi Tanaka [20]