- Global Voices 日本語 - https://jp.globalvoices.org -

なぜ春はアフガニスタンに喜びと苦しみの両方をもたらすのか

カテゴリー: 中央アジア・コーカサス, アフガニスタン, 市民メディア, 戦争・紛争, 政治

写真はHazara Worldより転載。アフガニスタンの中央部、ダーイクンディー州で開催されたノウルーズ祭典の祝賀会に参加する人々。

ユーラシアのある地域ではイラン語とチュルク語が主流となっている。そこで暮らす多くの人々にとって、3月21日から始まるノウルーズの祭典は、春の始まりを表すだけでなく、新年そのものでもある。

しかしながらアフガニスタンでは一般的にこの祭典を祝うことがない。 この祝日の起源については、それぞれの宗派間で推測による主張がなされている。

それだけでなく、暖かな季節がやってくると毎年決まって暴動が増加するのである。

今年、アフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領は、 タリバンに対し腹を据えて新たな和平提案をし猛襲を抑え込もうとした。しかしまだ 、タリバンが交渉に応じようとする兆しはない。

皆がノウルーズを祝っているが、私には素直に祝えない

3月にノウルーズが始まると、 ソーシャルメディアのタイムラインには平和と安定を祝う言葉や希望を願う言葉が溢れた。古代のゾロアスター教徒が祝った春分の祭典は4月になってもしばらく続く。

南部方面からはるばるノウルーズのために訪れてくれた人たちに会えて感激だ。今、午後10時だけれどマザーリの町の広場でダンスや伝統スポーツを楽しんでいる人もいれば、天灯 [5]を飛ばす人もいる。新年を迎えこの国に平和、安全、共感と連帯が降り注ぎますように。

全ての努力が輝かしい成果へとつながり、日々の生活は成功談に満ちている。新しい年がそのような栄光への道へとつながりますように。ノウルーズおめでとう。

ノウルーズ・ムバラク、ノウルーズ・ペーローズ。新年を迎え、春分を祝う人たちへ、明けましておめでとう。アフガニスタン、クルディスタン、イランとタジキスタン共和国へ

ここはアフガニスタンのカラーに音楽、そして笑顔で満ちているのだからアフガニスタンなのだろう。それからここはノウルーズのお祝いをしているダーイクンディー州の村である

だが、宗教原理主義者たちに祝日を祝う時間はほとんどなく、Facebookは国の一体感を確認する場ではあったが、またしても国内の分裂を確認する舞台となってしまった。

保守派の著名人ヒアツ・アデンサエビは、ノウルーズの13日目に該当する4月2日、つまりSizadabarの日を祝賀してはならないと、人気のある投稿欄の中でマザーリ・シャリーフの住人に向けて断固とした論調の要請を行った [17]

سنت سیزده به‌در همان کار گوسفندان در چراگاه است. دشت شادیان مزار را به مکان فحشا و شراب‌خوری مبدل نسازید تا در غضب الهی گرفتار نشوید. از مولویان شهر خواهش می کنم بیاید دست به دست هم داده از فحشا جلوگیری کنیم

Sizadabarの日を祝うなどということは、草原を転々とする野生の羊のするようなことだ。マザーリのシャデアン砂漠を堕落の拠点にしたり、神の怒りにより自身の身動きが取れなくなるようなことをしたりしてはならない。マザーリ・シャリーフの町のムッラーたちに堕落をくい止めるよう要請する。

しかしそんな中、いつものようにこの暖かい天候を利用して、ご馳走を持参し、丘でキャンプする家族の姿も見受けられた。

これからも続く前途多難な一年

今年のノウルーズは、3月21日の大惨事で台無しになってしまった。その日、シーア派大聖堂の近くで自爆テロが実行され [18]多数の死傷者が出たのだ。少なくとも32人の死者と多数の負傷者が出た。

ノウルーズの祭典の時でさえ、お祝いをしていた罪のないアフガニスタン人数名がテロのターゲットとなった。彼らは、暴力にさらされ貧困に追いやられ、そして大混乱に陥ってる中でさえも、最低限の生活を維持しようと努めてきた人たちである。死傷者の数は、ここで報道されたものより多い。それは、この事件でタリバンが演じてきた直接または間接的な役割やその他多くの襲撃のおかげである。

イスラム過激派組織ISISは、今回の攻撃はシーア派を標的にしたとする爆破の犯行声明を出した [24]

春はタリバンが、西欧諸国の支援を受けた政府への攻撃を激化する時期である。政府の管轄区域内には、いつもタリバンの集中攻撃を受ける一般市民が生活しているのだ。

2月の終わりにアフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領は、タリバンの集団が独自の政党を作ることができる可能性をも含めた前例のない和平案をもってタリバンに働きかけた [25]

和平提案には「いかなる条件」も付加されていなかった。つまり、タリバンが武装解除をすれば、タリバン一族の安全保障を確約するというのだ。

また、その協定案によると、国連とアメリカが保有するブラックリストからタリバンのメンバーの名前も消去することになっている。

しかし、内部分裂をしているとはいえアフガニスタンの多くの地域を支配しているタリバンは、まだガニー大統領の提案に対する公式の返答をしていない。

校正:Masato Kaneko [26]